「スポーツ心臓」とはどのような病気ですか？

スポーツ心臓は激しいトレーニングへの生理的な適応で、病気ではありません。スポーツ心臓とは、長期間にわたって強度の高いトレーニングを続けた結果、心臓が体の要求に応じて、効率よく働くように変化した状態です。これは、高血圧や他の病気によって心臓が損傷する変化とは異なり、「生理的な適応」（体が健康的に環境に順応すること）と考えられています。

スポーツ心臓の主な特徴は次の通りです。

心臓の形態の変化

心臓が全体的に大きくなり、心臓の部屋や壁が厚くなります。

脈拍の変化

1回の拍動で多くの血液を全身に送り出せるようになるため、安静時には脈がゆっくりになり（徐脈）、遅くて力強い脈になる傾向があります。この変化は、心臓の血液を送り出すポンプ機能が正常に保たれているため、病的な状態ではありません。ただし、心臓が大きくなる変化は、若年者の突然死の原因となる肥大型心筋症などの病気と似ている場合があります。そのため、スポーツ心臓かどうかを正確に診断するためには、専門医の受診が必要となります。