手術後に抗生物質を使うのはなぜ?飲まないとどうなる?副作用は?
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手術後に抗生剤を使うのはなぜですか?
手術後に抗生剤を使うのはなぜですか?
手術によって引き起こされる細菌感染症を予防するためです。
手術後に抗生物質が使われる主な理由は、手術部位感染(SSI)と呼ばれる、手術によって引き起こされる細菌感染症を予防するためです。
手術中は、患者さんの皮膚や体内の組織が外部環境にさらされるため、細菌が侵入しやすくなります。
抗生物質は、これらの細菌の増殖を抑えて、感染症の発症リスクを減らす役割を持っています。
手術の種類や患者さんの状態に応じて、使用される抗生物質の種類や投与期間が決定されます。
一般的に長時間におよぶ手術や、出血量が多くなる手術、部品を体内に留置する手術は、細菌感染症を起こすリスクが高くなります。
また、糖尿病や抗がん剤を使用している患者さんなど、免疫力の低下している方も同様にリスクが高くなります。通常、手術前には抗生物質の投与を開始し、手術後も一定期間継続されるのが一般的です。
一方で、抗生物質の過剰な使用は薬による副作用(腎障害や肝臓障害など)や、薬剤耐性菌の出現を招く可能性があるため適切な使用が求められます。
抗生物質の投与期間は、手術の種類や患者さんの状態によって異なりますが、一般的には手術当日を含めて長くても3日以内に終了します。
手術後の細菌感染症のリスクを考慮しながら、必要最小限の抗生物質を使用することが重要です。
手術後に抗生物質を飲まないとどうなりますか?
手術後に抗生物質を飲まないとどうなりますか?
術後感染症を起こすリスクが高まる可能性があります。
手術後に抗生物質を服用しない場合、感染症のリスクが高まる可能性があります。
感染症が発生すると、発熱や創部の痛み、腫れなどの症状が現れ、治療が長引いたり、再手術が必要になったりする可能性があります。
重症の場合は敗血症と呼ばれる全身性の炎症反応を引き起こし、命に関わることもあるでしょう。
手術の種類や患者の状態によっては、手術前から予防的に抗生物質を投与することがあります。これは、手術中に細菌が体内に侵入するリスクを減らし、術後の感染症を予防するためです。
しかし、抗生物質の不適切な使用は、抗生物質による副作用(腎障害や肝臓障害など)や、薬剤耐性菌の出現を招く可能性があることも注意が必要です。
一般的には、手術直前から抗生物質の投与を始め、長くとも手術後3日以内に投与を終了する場合が多いです。
全身麻酔の手術など点滴治療が必要となる手術では、抗生物質も点滴で行うことが多いです。
局所麻酔の手術も含めて日帰り手術などでは、手術後の抗生物質の投与期間が不足するため、退院後も抗生物質の服用が指示される場合があります。
また、感染リスクが高い場合などで、抗生物質の服用を一定期間指示される場合があります。
上記の理由などから、医師の指示に従って適切な種類の抗生物質を適切な期間使用しましょう。
(参考文献)
術後感染症は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?
術後感染症は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?
原因菌に効果のある抗菌薬を使用します。薬によっては、腎臓や肝臓に負担がかかることがあります。
術後感染症の治療には、原因となっている細菌に効果が期待できる抗菌薬(抗生物質)を使用することが最も重要です。
行われた手術の種類によって、術後感染症の原因となる菌の種類を想定して、まずは抗菌薬が選択されます。しかし、確実に効果のある薬による治療を行うためには、早々に膿から菌を採取して菌を調べることが重要となります。このため、体の深いところで術後感染症を生じている場合、手術によって膿から菌を採取することがあります。
この病気で一般的に用いられる抗菌薬は、以下のとおりです。
- 通常の感染症:セファゾリン(CEZ)やセフメタゾール(CMZ)などのセフェム系薬や、スルバクタム/アンピシリン(SBT/ABPC)などが用いられます。
- 耐性菌による感染症:メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)など、通常の薬が効きにくい細菌による感染が疑われる場合や、特定の手術では、バンコマイシン(VCM)などのグリコペプチド系薬が使用されることがあります。
どの抗菌薬でも、副作用として腎臓や肝臓に負担がかかりやすいため、これらの臓器の機能障害がある場合に注意が必要です。
また、バンコマイシンを使用する場合、投与中に皮膚が赤くなる、かゆみが出る、血圧が下がるなどの「レッドネック症候群」という副作用を起こすことがあります。このため、この薬は投与時間をかけてゆっくりと点滴されます。
(参考文献)
日本整形外科学会診療ガイドライン委員会ほか. 骨・関節術後感染予防ガイドライン2015改訂第2版. 南江堂. 2015
日本整形外科学会.術後感染症.日本整形外科学会,https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/postoperative_infection.html(参照 2025-11-11)
術後感染予防抗菌薬適正使用に関するガイドライン作成委員会編.“術後感染予防抗菌薬適正使用のための実践ガイドライン”.日本外科感染症学会.http://www.gekakansen.jp/file/antimicrobial-guideline.pdf,(参照 2025-11-11).
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山田記念病院 整形外科 整形外科部長
濱畑 智弘 監修
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