甲状腺髄様癌のステージIVまたは再発がんでは、どのような治療を行いますか?
治療の基本は手術ですが、進行度に応じて手術が可能か判断します。RET遺伝子変異を認め褐色細胞腫がある場合は副腎の手術を行ってから甲状腺の手術を行います。高度進行例や再発例で手術ができない場合は、分子標的薬による治療や緩和治療を行います。
甲状腺髄様癌のステージは、年齢に関係なく、がんの大きさ・広がり・リンパ節や別の臓器への転移の有無によって分類されます。ステージⅣはさらにⅣA・ⅣB・ⅣCに分けられます。
ⅣAは、がんは甲状腺内に留まっているか前頸部の筋肉にのみ浸潤(がん細胞が周囲の組織に入り込むこと)していて甲状腺周囲以外のリンパ節に転移がある状態、あるいはリンパ節転移の有無に関わらずがんが気管や食道の内側に浸潤している、または皮下組織まで到達している状態です。
ⅣBは、がんが甲状腺外部の組織(首の奥や心臓・食道・気管、胸の内側にある筋肉や太い血管)に拡がっている状態、ⅣCはがんが遠隔転移(肺・肝・骨など)を起こしている状態です。
甲状腺髄様癌のステージⅣの基本治療も手術を中心に検討されますが、病期に応じて治療内容が異なります。また、RET遺伝子検査と遺伝カウンセリングは全ステージで重要であり、治療方針の分岐に関与します。
遺伝性が疑われる場合は褐色細胞腫の有無を調べ、褐色細胞腫があればその治療(副腎の手術)を先に行い、その後に甲状腺の治療を行います。
ⅣA期では、がんが周囲組織に広がっていても切除可能であれば、甲状腺全摘術とリンパ節郭清(中央区域(気管周囲)および転移のある外側区域(側頚部))を行います。がんが気管や食道の内側、皮下組織まで浸潤している例では、周囲の臓器や神経への浸潤を確認しながら、可能な範囲で腫瘍を切除します。
ⅣB期では、がんが心臓や大血管など重要な臓器に及ぶ高度進行例であり、手術で切除可能かどうかの判断が重要になります。切除可能であれば外科治療が検討されますが、切除が困難な場合には、分子標的薬などの全身治療や症状緩和を目的とした治療が中心となります。
ⅣC期では遠隔転移を伴うため手術のみでの根治は困難です。この場合は分子標的薬(バンデタニブなど)による全身治療が中心となり、必要に応じて症状を和らげるための治療(放射線治療や局所の手術)が併用されます。
再発がんでは同様に、再切除が可能であれば手術を検討し、困難な場合は分子標的薬の使用や症状緩和を目的とした治療が行われます。
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(参考文献)
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最終更新日:
医療法人社団メレガリ うるうクリニック関内馬車道 糖尿病・内分泌科
濵﨑 秀崇 監修
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