脊髄性筋萎縮症のⅠ型とⅡ型の違いを教えてください。
脊髄性筋萎縮症のⅠ型は重症型、Ⅱ型は中間型と呼ばれ、症状や進行の速さが異なります。
脊髄性筋委縮症(SMA)は、小児で好発する筋肉が徐々に弱くなり、動かしにくくなる遺伝性の病気です。
SMAは、発症する年齢や症状の重さによって4つのタイプに分けられます。
Ⅰ型とⅡ型の違いは以下の通りです。
【Ⅰ型(重症型)】
- 発症時期: 出生直後から生後6ヶ月まで
- 特徴: 赤ちゃんが筋肉の力が弱く、全体的にぐったりしている状態になります
- 呼吸: 横隔膜の筋肉は働くため、お腹が膨らみ、胸がへこむ奇妙な呼吸をします
- 運動能力: 首を自分で支えられず、座ることもできません
- 食事: 哺乳が難しく、飲み込むことも困難です
- その他の症状: 舌がピクピク動いたり、手首が柔らかく曲がることがあります
- 予後: 人工呼吸器を使わない場合、平均で生後6~9ヶ月で亡くなることが多いです
【Ⅱ型(中間型)】
- 発症時期: 生後1歳6ヶ月まで
- 特徴: 自分で立ったり歩いたりはできませんが、座ることはできます
- その他の症状: 舌がピクピク動いたり、手が震えたりします。腱反射(膝を叩くと足が跳ねる反応)が弱くなるか消失します
- 進行: 次第に背骨が曲がる(側弯)ことが多くなります。重症の場合、呼吸器感染症に伴って呼吸不全を起こすことがあります
このように、脊髄性筋萎縮症はタイプによって症状や進行の速さが異なります。
公開日:
最終更新日:
新百合ヶ丘総合病院 脳神経内科
武井 悠香子 監修
(参考文献)
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脊髄性筋萎縮症(sma)とはどのような病気ですか?
脊髄の細胞に異常が起こり、太ももや肩を中心に筋力低下や筋萎縮が起こる病気です。
脊髄性筋萎縮症の原因は何がありますか?
SMNという遺伝子が原因と考えられており、遺伝性の病気です。ただし、この遺伝子以外の原因もあると考えられています。
脊髄性筋萎縮症ではどのような症状がありますか?
全身の筋力低下、筋萎縮が起こります。
脊髄性筋萎縮症には初期症状はありますか?
症状の重さにより、異なる初期症状がみられます。
脊髄性筋萎縮症の場合、主にどのような治療をしますか?
発症の原因となるSMNタンパクの減少に効果のある薬を使います。対症療法を行うこともあります。
脊髄性筋萎縮症が疑われる場合、何科を受診したらよいですか?
小児科、脳神経内科などを受診しましょう。
脊髄性筋萎縮症のセルフチェックはできますか?
解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。
脊髄性筋萎縮症は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?
ヌシネルセンナトリウム、オナセムノゲンアベパルボベク、リスジプラムという薬で治療します。
脊髄性筋萎縮症で薬が効かない場合、どうしたらよいですか?
リハビリテーション、呼吸管理、咀嚼、飲み込む際の補助、経管栄養(管を通して栄養を摂取する方法)といった対症療法を行います。
脊髄性筋萎縮症の場合、日常生活で気を付けることはありますか?
床にものを置かない、自宅に手すりを付ける、段差をなくすなど、足が引っ掛からないような工夫をしましょう。
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