尿失禁の治療や予防方法には何がありますか?

行動療法や器具での治療、薬物療法、手術療法などがあり、尿失禁のタイプに合わせて使い分けられます。

解説

尿失禁は年齢が増すごとに生じやすいですが、以下のような薬剤や器具、手術による治療、適切な体操などによって改善することがあり、尿失禁のタイプによって使い分けられます。尿失禁のタイプは「尿失禁の種類について教えてください。」をご参照ください。

薬剤による治療

  • β3アドレナリン受容体作動薬
  • 抗コリン薬

これらのお薬は、過活動膀胱など尿意切迫感に有効です。

  • β2アドレナリン受容体作動薬

このお薬は、腹圧性尿失禁に有効と報告されています。

器具による治療

  • 電気・磁気刺激療法

骨盤底電気刺激療法、干渉低周波療法、磁気刺激療法などによって、尿道の括約筋などの骨盤底の筋肉を刺激することで、切迫性尿失禁や腹圧性尿失禁の改善効果が報告されています。

  • 間欠的自己導尿

膀胱の機能が低下して尿が出し切れず、残尿が溜まり過ぎている場合は、器具を使って、人工的に尿を体外に排出させることで、溢流性尿失禁を改善させることができます。

手術による治療

  • ボツリヌス毒素膀胱内注入手術
  • 体内植え込み式の仙骨神経電気刺激療法

これらは薬物療法でも効果が乏しい難治性の過活動膀胱による切迫性尿失禁などに有効です。

  • 人工尿道括約筋埋め込み術

前立腺がん前立腺肥大症の術後の尿失禁などに有効です。

尿失禁に有効な体操・予防方法

  • 適正体重まで体重を減らす
  • 骨盤底筋体操を継続する

適正体重まで体重を減らすことや、尿道や膀胱の周りの筋肉の動きをよくする骨盤底筋体操は、腹圧性尿失禁などに有効です。

  • その他

フィットネス運動や禁煙、便秘の改善は、肥満や喫煙、便秘時のいきみなどによって、尿失禁になりやすくなるリスクを減らす効果が期待されています。また、定時に排尿する方法(定時排尿法)、排尿するスケジュールをあらかじめ決める方法も、機能性尿失禁など尿失禁のタイプによっては有効です。

公開日

最終更新日

東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学 泌尿器科

秋元 隆宏 監修

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(参考文献)

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