腰痛の原因となる病気のうち、特に注意すべきものには何がありますか?
内臓や血管の病気、悪性腫瘍(がん)、細菌感染症、骨折には注意が必要です。
腰痛の原因となる病気のうち、特に注意すべきものとしては、以下のようなものがあります。
内臓や血管の病気
腰痛に伴ってお腹の痛みがある場合には、胃・十二指腸潰瘍や急性膵炎、胆石・胆のう炎などの消化器の病気が疑われます。
また、胸の痛みがある場合には、心筋梗塞や大動脈解離といった血管の病気の可能性があります。
いずれも対応を急ぐ必要があるため、病院を受診しましょう。
がんや細菌感染症
安静にしていても症状があまり改善しない場合、がんや細菌感染症の可能性があります。
特に、高齢者やがんの既往歴がある方の場合は注意が必要です。
また、ダイエットや長期入院など明らかな原因がないにもかかわらず体重減少が見られる場合も、がんの可能性を疑います。
脊椎そのものに腫瘍がある場合や、もともと他の場所に腫瘍があって転移した場合などがあります。
原因不明の発熱と腰痛がある場合には、腰椎で細菌感染症が起こっている可能性があります。
腰椎そのものや、椎間板という腰椎の間にあるクッションに、細菌感染を生じている場合が多いです。
細菌感染症にかかってしまった場合、入院して抗生物質による治療を受ける必要があります。
骨折
重いものを持ち上げたり尻もちをついたり、くしゃみをしたりした後に腰痛が始まった場合には、腰椎圧迫骨折という腰の骨の骨折の可能性があります。
特に70歳以上の方になると、小さなきっかけでも腰椎圧迫骨折を起こすことが多くなります。
安静にしなければだんだん骨が変形して症状が強まっていくおそれがあるため、腰椎圧迫骨折の疑いがあるようなら、医療機関を受診しましょう。
公開日:
最終更新日:
山田記念病院 整形外科 整形外科部長
濱畑 智弘 監修
(参考文献)
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