多発性骨髄腫で70代や80代の高齢者の場合の余命(生存率)は、治療したときと治療しなかったときではどのくらいですか?
治療を受けた場合の生存期間中央値は約22~23ヶ月、無治療では早期死亡の可能性が高いです。
75歳以上の高齢者において、治療した場合の余命について2つの報告があります。
ひとつは2001年の報告で、1985年から1996年までに登録された130人の患者さんを対象とした研究で、生存期間中央値は22ヶ月です (参考資料1)。
もうひとつは2023年の報告ですが、2004年から2017年の複数の研究における治療を受けた54,766人を対象とし、生存期間中央値は23ヶ月です(参考資料2)。
この期間はステージや合併症によって大きく変わるでしょう。
一方、高齢者における無治療の場合の余命のデータは見当たりません。
年齢自体は治療の成否を大きく左右する要因ではありませんが、合併症や治療に耐えうる余力は考慮すべきとされる考え方が受け入れられているからかもしれません(参考資料1)。
しかしながら、75歳以上では60%が3ヶ月以内に死亡するという古い論文もあります(参考資料3)。
上記の報告は、無治療ではなく患者さん登録数も少ないのですが、治療しなかった場合の高齢者の生存率は、同研究の生存期間程度である可能性があります。
公開日:
最終更新日:
東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター 悪性腫瘍治療研究部 腫瘍 血液内科
村橋 睦了 監修
(参考文献)
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多発性骨髄腫とはどのような病気ですか?
血液細胞の1つである「形質細胞」ががん化する、いわゆる血液のがんです。
多発性骨髄腫の原因は何ですか?
多発性骨髄腫になる原因は、はっきりとは分かっていません。
多発性骨髄腫には主にどのような症状が見られますか?
骨や関節の痛み、体のだるさ、吐き気、多尿、体重減少などの様々な症状が見られます。骨折してしまうこともあります。
多発性骨髄腫には初期症状はありますか?
骨の痛みや倦怠感が生じることがあります。また、無症状のまま進行し、検査で初めて見つかることもあります。
医療機関を受診する目安はありますか?
健康診断での貧血を指摘された場合や、倦怠感などの症状が続く場合は受診しましょう。
多発性骨髄腫の場合、何科を受診したらよいですか?
最終的には血液内科で治療を行いますが、まずは具体的な症状について、最寄りの内科や整形外科で精密検査を受けましょう。
多発性骨髄腫の余命はどれくらいですか?
診断時の状況によってさまざまです。国の統計では平均的に診断されてから5年間で約50%の人が亡くなることがわかっています。
多発性骨髄腫の末期症状はどのような症状でしょうか?
骨折、貧血による動悸や息切れ、腎機能障害による浮腫などのさまざまな症状の出現が予想されます。
多発性骨髄腫の進行速度はどれくらいですか?
診断時の状況や、リスク分類などによってさまざまで一概には言えません。
多発性骨髄腫で急死することはありますか?
多発性骨髄腫の合併症や治療に関連して急死する可能性があります。
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