多発性骨髄腫と白血病の違いはどのようなものがありますか?
多発性骨髄腫は形質細胞のがん化であり、白血病は造血幹細胞や未熟な血液細胞ががん化したものです。
多発性骨髄腫は、血液細胞の中でも、B細胞の最終分化である形質細胞ががん化(骨髄腫細胞といいます)した病気であるのに対し、白血病は造血幹細胞や未熟な血液細胞ががん化した病気になります。
したがって、多発性骨髄腫は、骨髄での骨髄腫細胞の増殖により、骨痛や骨折、骨破壊による造血障害・高カルシウム血症などの骨関連の症状や、骨髄腫細胞が産生するM蛋白を含む異常免疫グロブリンによるアミロイドーシスや腎機能障害が特徴的です。
一方の白血病は、異常白血病細胞の増加や正常な血液細胞の減少に伴い、発熱などの感染症症状、貧血や出血が主な症状になります。
また、多発性骨髄腫は比較的病気が緩やかに進行しますが、特に急性白血病は急速に病気が進行することがあります。
一方で、形質細胞も血液細胞のひとつですので、形質細胞白血病と呼ばれる、末梢血中に骨髄腫細胞が増殖する病気も存在し、多発性骨髄腫と比較し急速な進行が認められます。
公開日:
最終更新日:
兵庫医科大学病院 輸血・細胞治療センター 血液内科
山原 研一 監修
(参考文献)
日本血液学会.ホーム|造血器腫瘍診療ガイドライン 2023年版|一般社団法人 日本血液学会.日本血液学会,http://www.jshem.or.jp/gui-hemali/3_1_1.html(参照 2024-11-01)
国立がん研究センター.多発性骨髄腫.国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方向けサイト,https://ganjoho.jp/public/cancer/MM/index.html(参照 2024-11-01)
日本血液学会.ホーム|造血器腫瘍診療ガイドライン 2023年版|一般社団法人 日本血液学会.日本血液学会,URL:http://www.jshem.or.jp/gui-hemali/1_1.html(参照 2024-11-01)
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