多発性骨髄腫は完治しますか?
現在は完治が難しい病気ですが、治療で「寛解」を目指し長期生存が可能になっています。
多発性骨髄腫の治療目標と「寛解」とは
多発性骨髄腫は、現時点では治癒を期待できる疾患ではないとされています。そのため治療の目標は、生活の質(QOL)を保ちながら長期生存を目指すことです。治療によって骨髄腫細胞が大幅に減り病気の兆候がほとんど見られなくなった状態を「寛解」と呼び、体内の腫瘍細胞がごくわずかになった状態を「MRD(微小残存病変)陰性」といいます。MRD陰性を達成し、それを持続できると、生存期間の延長につながることが示されています。
日本での生存期間の延び
日本国内の調査研究では、生存期間の中央値は1990〜2000年に診断された患者さんで38.9ヶ月であったのに対し、2001〜2012年に診断された患者さんでは60.6ヶ月へと著しく延びています。これは自家移植や新しい薬の効果を裏付けるものです。
CAR-T細胞療法などによる「機能的治癒」への期待
近年、CAR-T細胞療法や二重特異性抗体といった新しい治療法が登場し、これらをより早い治療段階で使うことで、治癒に近い状態(機能的治癒)を目指す研究が進められています。
再発したときの対応
寛解が得られても多くの場合で再発がみられます。再発時は薬の種類を変更するなどして再び寛解を目指します。体調の変化や気になる症状がある場合は、早めに医療機関への受診をご検討ください。
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(参考文献)
造血器腫瘍診療ガイドライン 第3.1版(2024年版) 「多発性骨髄腫」 日本血液学会 https://www.jshem.or.jp/gui-hemali/3_1_1.html,(参照 2026-08-31).
尾崎 修治 「多発性骨髄腫の症候と診断アプローチの基本」 日本内科学会誌 112:1188〜1194, 2023.
吉原 哲,吉原 享子.「多発性骨髄腫に対する最新治療戦略と展望」 日本内科学会誌 112:1202〜1209, 2023.
石田 禎夫.「多発性骨髄腫の最新情報」 日本内科学会誌 114:473〜478, 2025.
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編集・監修基準について
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東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター 悪性腫瘍治療研究部 腫瘍 血液内科
村橋 睦了 監修
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