多発性骨髄腫の患者さんの死亡原因にはどのようなものがありますか?

多発性骨髄腫の死亡原因には感染症、腎不全、心不全などがあります。

解説

多発性骨髄腫の患者さんの死亡原因として、特に進行した場合を中心として、以下が挙げられます。

  • 感染症:

骨髄内での骨髄腫細胞の増殖による骨破壊による白血球を含む造血障害、異常なM蛋白の増加による正常な抗体の減少、薬物による治療などが原因で免疫力が低下し、細菌やウイルス感染が肺炎敗血症になるかたちで重篤化し、致命的になることがあります。

  • 腎不全:

Bence Jones protein(BJP)をはじめとする異常な免疫グロブリン(M蛋白)が腎臓に負担をかけ、骨髄腫腎と呼ばれる病態を生じさせる他、さまざまな腎障害を引き起こし、腎不全に至ります。これは多発性骨髄腫の重要な合併症であり、死亡原因となることがあります。

M蛋白が何らかの理由でアミロイド変性を起こし、アミロイド線維となって心臓に沈着することで、心アミロイドーシスとなります。これにより、心筋症や大動脈弁狭窄症などが生じ、心不全に至ります。

公開日

最終更新日

東日本橋内科クリニック 循環器内科 院長

白石 達也 監修

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関連するQ&A

多発性骨髄腫でステージ3の場合の余命(生存率)はどのくらいですか?

多発性骨髄腫ステージ3では、生存期間中央値は約29ヶ月、5年生存率は約40%です。

多発性骨髄腫で70代や80代の高齢者の場合の余命(生存率)は、治療したときと治療しなかったときではどのくらいですか?

治療を受けた場合の生存期間中央値は約22~23ヶ月、無治療では早期死亡の可能性が高いです。

多発性骨髄腫を放置するとどうなりますか?

多発性骨髄腫を放置すると、骨融解や貧血、腎障害を引き起こし、感染症による死亡リスクが高まります。

多発性骨髄腫は遺伝する病気ですか?

多発性骨髄腫が近親者の場合発症リスクが高いとされていますが、明確な遺伝リスクは明らかではありません。

多発性骨髄腫は転移するのでしょうか?

多発性骨髄腫は、転移とは呼ばれませんが、他の骨髄に播種(はしゅ)することで、全身に多発性の骨髄病変が生じます。

多発性骨髄腫では皮膚症状はみられますか?

多発性骨髄腫では、紫斑を含む皮下出血などの皮膚症状を認めることがあります。

多発性骨髄腫では腎障害(腎機能障害)はみられますか?

多発性骨髄腫では過剰なM蛋白の関与を含むさまざまな腎障害が生じ、治療が必要になります。

MGUSとはなんですか?多発性骨髄腫とは関連がありますか?

MGUSは多発性骨髄腫の前がん病態と考えられており、多発性骨髄腫へ進行することがあります。

多発性骨髄腫と白血病の違いはどのようなものがありますか?

多発性骨髄腫は形質細胞のがん化であり、白血病は造血幹細胞や未熟な血液細胞ががん化したものです。

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