多発性骨髄腫で急に命に関わることはある?食べてはいけないものは?

監修医師白石 達也循環器内科 / 東日本橋内科クリニック 一般内科

多発性骨髄腫について、特に知りたいことは何ですか?

利用規約とプライバシーポリシーに同意のうえ、もっとも当てはまる項目を選択してください。

多発性骨髄腫について、気になる症状はありますか?

もっとも当てはまる項目を選択してください。

多発性骨髄腫の患者さんの死亡原因にはどのようなものがありますか?

多発性骨髄腫の死亡原因には感染症、腎不全、心不全などがあります。

多発性骨髄腫の患者さんの死亡原因として、特に進行した場合を中心として、以下が挙げられます。

  • 感染症:

骨髄内での骨髄腫細胞の増殖による骨破壊による白血球を含む造血障害、異常なM蛋白の増加による正常な抗体の減少、薬物による治療などが原因で免疫力が低下し、細菌やウイルス感染が肺炎や敗血症になるかたちで重篤化し、致命的になることがあります。

  • 腎不全:

Bence Jones protein(BJP)をはじめとする異常な免疫グロブリン(M蛋白)が腎臓に負担をかけ、骨髄腫腎と呼ばれる病態を生じさせる他、さまざまな腎障害を引き起こし、腎不全に至ります。これは多発性骨髄腫の重要な合併症であり、死亡原因となることがあります。

M蛋白が何らかの理由でアミロイド変性を起こし、アミロイド線維となって心臓に沈着することで、心アミロイドーシスとなります。これにより、心筋症や大動脈弁狭窄症などが生じ、心不全に至ります。

多発性骨髄腫の場合、食べてはいけないものはありますか?

決まった禁止食品はありませんが、治療中は感染予防のため生ものを避けるなどの注意が必要です。

「これを食べてはいけない」という決まりはありません

多発性骨髄腫は食事そのものが原因となる病気ではないため、基本的には偏りのないバランスのよい食事で問題ないとされています。ただし、治療の内容や体の状態によっては、次のような点に注意が必要です。

①治療中・移植後は感染予防のための食事の工夫を

多発性骨髄腫の患者さんは、正常な免疫グロブリンの減少により、健常な人と比べて細菌感染症のリスクが約7倍、ウイルス感染症のリスクが約10倍高まるとされています。また、自家造血幹細胞移植やCAR-T細胞療法の前後は、抗がん剤治療により一時的に白血球(好中球)が大きく減少し、感染症にかかりやすい状態になります。こうした時期は、刺身や生卵、加熱不十分な肉、殺菌していない乳製品など、食中毒の原因になりやすい生ものは避け、しっかり加熱した食品を選ぶことが一般的にすすめられています。

②腎臓の機能が低下している場合

骨髄腫では腎臓の働きが弱くなることがあり、その場合は塩分やたんぱく質、カリウムの摂取量について、医師や管理栄養士から個別に指導を受けることがあります。

③骨の治療薬を使う場合はビタミンD・カルシウムの補充が必要なことも

骨を強くする薬(ゾレドロン酸やデノスマブ)を使う際は、低カルシウム血症を防ぐためビタミンDやカルシウムの補充がすすめられることがあり、これは『制限』ではなくむしろ積極的な摂取が必要な場合です。

自己判断で極端な食事制限をしないことが大切

体によいとされる特定の食品ばかりに偏ったり、自己判断で厳しい食事制限をしたりすることは、かえって体力低下につながる恐れがあります。食事について不安な点があれば、担当医や管理栄養士に相談することをおすすめします。

(参考文献)

角南一貴.「多発性骨髄腫」Pharma Medica 42(2):115-121, 2025
造血器腫瘍診療ガイドライン 第3.1版(2024年版) 「多発性骨髄腫」 日本血液学会 https://www.jshem.or.jp/gui-hemali/3_1_1.html.(参照 2026-09-14).
国立がん研究センター中央病院「白血球が減ったときの食事」https://www.ncc.go.jp/jp/ncch/division/nursing/power/010/010/index.html.(参照 2026-09-14).

多発性骨髄腫で急死することはありますか?

まれですが、高カルシウム血症や重症感染症、急性腎不全などで急激に状態が悪化することがあります。

多発性骨髄腫そのものによる急変

多発性骨髄腫が命に関わるような急激な悪化を起こすことは多くありませんが、まれに次のような病態で状態が急速に悪くなることがあります。

骨髄腫の急な対応が必要になりうる病態

  • ①高カルシウム血症:骨がもろくなり血液中のカルシウムが急上昇すると、脱力、多尿、便秘、嘔気に加え、重症化すると意識障害や急性腎不全に至ることがあり、迅速な補液や薬剤投与が必要な緊急事態とされています。
  • ②脊椎などの骨病変による脊髄圧迫:背骨の腫瘍病変が脊髄や神経根を圧迫すると、急に足のしびれや麻痺が出ることがあり、緊急の画像検査と治療が必要です。
  • ③M蛋白の増加による過粘稠度症候群:血液がドロドロになり、頭痛やめまいを起こすことがあります。
  • ④骨髄腫腎による急性腎障害:異常なタンパク質(Bence Jones蛋白)が腎臓の尿細管に障害を起こし、腎機能が急激に悪化することがあります。

感染症にも注意が必要

多発性骨髄腫では正常な免疫グロブリンが減るため、健常な人と比べて細菌感染症のリスクが約7倍、ウイルス感染症のリスクが約10倍高まるとされ、重症感染症(敗血症など)が急変の引き金になることもあります。

治療に伴うリスクにも留意

CAR-T細胞療法や二重特異性抗体治療では、サイトカイン放出症候群(CRS)や神経毒性(ICANS)という副作用が起こることがあり、多くは軽症ですが、まれに重症化することが報告されています。

こうした症状が急に出た場合の対応

高熱や強い骨の痛み、急なしびれ・麻痺、意識のもうろう感など、いつもと違う症状が急に出た場合は、様子を見ずにすぐ医療機関を受診することが大切です。

(参考文献)

尾崎修治. 「多発性骨髄腫の症候と診断アプローチの基本」 日本内科学会誌 112:1188〜1194, 2023.
角南一貴.「多発性骨髄腫」Pharma Medica 42(2):115-121, 2025
石田 禎夫.「多発性骨髄腫の最新情報」 日本内科学会誌 114:473〜478, 2025.

関連する病気と症状

この記事をシェアする

Googleで優先するソースとして追加

治療が必要な患者様へのお願い

多発性骨髄腫

の方は説明を必ずお読みください

こちらのQRコードを

スマーフォンのカメラで読み取ってください

疾患について分かりやすくまとまっています
1

QRコードを読み取るだけ 非接触で安心

2

一問一答なので 読むのが簡単

3

どんな治療をするべきか 納得して取り組める

公開日:

最終更新日:

編集・監修基準について

本記事は情報の正確性を担保するため、以下のフローを経て作成・公開されています。

  1. Q作成

  2. 医師執筆/監修

  3. QAレビュー

  4. 公開

東日本橋内科クリニック 一般内科 循環器内科 院長

白石 達也 監修

初めての方へ

ユビー病気のQ&Aとは?

現役の医師が、患者さんの気になることや治療方法について解説しています。ご自身だけでは対処することがむずかしい具体的な対応方法や知識などを知ることができます。

病気・症状から探す医師・医療機関の方はコチラ
無料で症状を調べる
医療AIに不調を相談

医療AIパートナー ユビー

24時間いつでも健康の悩みを気軽にチャットで相談できるあなただけの医療AIパートナー。なんとなく不調な時や人に相談しづらい悩みがあるときも、どんな相談もOKです

無料で症状を調べる
症状を調べる

症状検索エンジン「ユビー」

体調に不安がある、医療機関への受診を考えている方向けに、20〜30問程度の質問に答えることで、あなたに関連性のある病名や、適切な受診先を無料で調べられます。

医療機関を探す
医療機関を探す

お近くの病院をお探しの方へ

「受診科が分からない」「どの医療機関に行ったらいいか分からない」といった悩みは、ユビーの病院検索が便利です。近所の病院も探せるので、ぜひご利用ください。

ユビーウェルネス
ウェルネスを学ぶ

ユビーウェルネス

医師監修の信頼できる健康情報メディアで、日常のからだに寄り添う生活改善のヒントをお届けします。