多発性骨髄腫の場合、血液検査の数値はどのような結果になりますか?
形質細胞の腫瘍性増殖と、これが産生する単クローン性の免疫グロブリン(M蛋白)による影響が認められます。
多発性骨髄腫は形質細胞(骨髄腫細胞)の腫瘍性増殖と、その産物である単クローン性免疫グロブリン(M蛋白)の血中・尿中増加を特徴とする病気です。
その結果、以下のような血液検査の異常が見られます。
1.M蛋白の増加
形質細胞腫瘍がM蛋白を産生します。
- 血清蛋白分画検査での異常ピーク(M蛋白)の検出
- 血清遊離軽鎖(Free Light Chain、FLC)の異常
2.腎機能障害
M蛋白に由来するアミロイド線維タンパクが全身の臓器に沈着し、腎機能障害などが起こります。
- 血清クレアチニンの上昇
- 血清β2ミクログロブリンの上昇
- 低アルブミン血症
3.形質細胞腫瘍の増加
腫瘍の増加により、正常な造血が抑制されたり、腫瘍による組織障害(骨破壊など)が起こります。
- 貧血
- 血球減少
- LDH上昇
- 高カルシウム血症
公開日:
最終更新日:
兵庫医科大学病院 輸血・細胞治療センター 血液内科
山原 研一 監修
(参考文献)
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