多発性骨髄腫の余命はどれくらいですか?
個人差が大きいですが、病期やリスクにより数年〜10年以上と幅があり、年々延びています。
余命は一人ひとり大きく異なります
多発性骨髄腫の生存期間(余命)は、病期(ステージ)、染色体異常の種類、年齢や全身状態、治療への反応性などによって大きく異なり、一律の数字でお伝えすることはできません。あくまで目安として、これまでの臨床試験や統計から報告されている数値を紹介します。
病期分類でみる生存期間の目安
国際病期分類(ISS)では、血清アルブミン値とβ2ミクログロブリン値からステージ I〜IIIに分けられ、生存期間中央値はステージ Iで62ヶ月、ステージ IIIで29ヶ月と報告されています。その後、染色体異常やLDH値を加えた改訂国際病期分類(R-ISS)が広く使われるようになり、ステージ Iの生存期間中央値は「未到達(多くの方がまだ生存中で確定していない)」、ステージ IIIで43ヶ月と、より新しい治療薬を反映したデータも報告されています(これらは臨床試験時点のデータであり、現在ではさらに改善している可能性があります)。
染色体異常によるリスクの違い
「標準リスク」の染色体異常では生存期間中央値が7〜10年である一方、「高リスク」の染色体異常があると3〜5年と短くなる傾向が示されています。
日本国内での生存期間の延び
日本国内の調査では、生存期間の中央値は1990〜2000年に診断された患者さんで38.9ヶ月であったのに対し、2001〜2012年に診断された患者さんでは60.6ヶ月へと著しく延びています。これは自家造血幹細胞移植や新規薬剤の効果によるものと考えられています。
再発を繰り返した場合の見通し
複数の種類の薬剤に治療抵抗性となった場合(トリプルクラス抵抗性)は、生存期間の中央値が約9ヶ月と厳しくなりますが、近年はCAR-T細胞療法や二重特異性抗体といった新しい治療により、こうした患者さんでも治療成績の向上が報告されています。
大切なのは主治医との対話
数字はあくまで過去のデータに基づく目安であり、日々新しい治療が登場しています。ご自身の見通しについては、担当医と直接話し合うことが最も確実です。
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(参考文献)
角南一貴.「多発性骨髄腫」Pharma Medica 42(2):115-121, 2025
尾崎修治. 「多発性骨髄腫の症候と診断アプローチの基本」 日本内科学会誌 112:1188〜1194, 2023.
造血器腫瘍診療ガイドライン 第3.1版(2024年版) 「多発性骨髄腫」 日本血液学会 https://www.jshem.or.jp/gui-hemali/311.html.(参照 2026-09-14).
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編集・監修基準について
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東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター 悪性腫瘍治療研究部 腫瘍 血液内科
村橋 睦了 監修
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