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十二指腸潰瘍の場合、食事で気をつけることはありますか?
横浜医療センター 消化器科
川崎 千瑛 監修
アルコールやコーヒー、辛いものなどといった刺激の強いものを避け、消化の良いものを食べましょう。
最近はよく効く薬があるのであまり食事内容を気にしすぎる必要はありませんが、一般的には次の2つが重要と言われています。
①刺激物を避ける
アルコールやコーヒー、炭酸飲料、辛いものや熱いものなどは、十二指腸への刺激となるため、避けた方が良いです。
②消化に優しいものを食べる
食物繊維や脂肪の少ないものの方が、消化管への負担が少ないと言われています。
具体例:お粥、脂肪の少ない鶏肉や白身魚、牛乳やヨーグルトなどの乳製品、豆腐や卵など
野菜類であれば、ほうれん草やにんじんなどの繊維の少ないものを選び、ゆでたり刻んだりした方が消化に良いです。
以前は牛乳を飲むと良いと言われていました。飲んでも問題はありませんが、現在ではそのような治療は行いません。
また、喫煙している場合は禁煙することも勧められています。
背中と右下腹部の激しい痛み、発熱、吐き気があります。何科を受診すべきでしょうか?
右下腹部が4日前から痛みます。突然始まりました。お腹を押すと激しく痛みます。体温は38℃以上で、吐き気や背中の痛みもあります。食欲も減っています。どの科を受診すれば良いでしょうか?胃十二指腸潰瘍と言われたことがあります。
50代 / 女性
背中や右下腹部が痛むとのことで心配ですね。 いただいた情報をもとに精一杯回答させていただきます。
虫垂炎、腎盂腎炎、胃潰瘍や十二指腸潰瘍が考えれます
あなたの症状から考えると、急性の腹痛が主な問題で、特に右下腹部と背中の痛み、高熱、吐き気、食欲低下などが伴っているようですね。これらの症状は、急性の腹部疾患、特に急性虫垂炎や腎盂腎炎などを示唆する可能性があります。また、過去に胃潰瘍・十二指腸潰瘍と診断された経験があるとのことで、これらの再発や合併症も考慮に入れるべきです。
虫垂炎とは
急性虫垂炎は、虫垂(盲腸の先端部分)が炎症を起こす病気で、右下腹部の痛みが特徴的です。また、腎盂腎炎は腎臓の感染症で、腹痛と高熱、吐き気などが見られます。これらの疾患は、適切な治療がなされないと重篤な合併症を引き起こす可能性があります。
すぐに一般内科、消化器内科、外科を受診しましょう
あなたの症状は、緊急性を伴う可能性があるため、すぐに医療機関を受診することをお勧めします。したがって、一般内科や消化器内科、外科を受診することをお勧めします。また、病状が急に悪化した場合は、救急医療機関を受診してください。 あなたの症状が重篤な疾患を示唆している可能性があるため、早急な受診が重要です。適切な診断と治療により、症状の改善や合併症の予防が期待できます。
この度は、ユビーかんたん医師相談でご相談いただきありがとうございます。ほかにも気になることがございましたら、いつでもご相談ください。
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萎縮性胃炎と十二指腸潰瘍の再発、ピロリ菌の除菌後の治療について教えてください。
数年前、胃潰瘍と十二指腸潰瘍を同時に発症しました。胃カメラと組織生検の結果、ピロリ菌の陰性でした。その後、胃薬を服用し、一時的に回復しましたが、昨年から再び胃痛に悩まされるようになりました。 再度、胃カメラ検査を受けたところ、萎縮性胃炎と診断されました。また、尿素呼気法による検査をピロリ菌検査受けた結果、陽性反応でした。 その後、ピロリ菌の除菌治療を受け、一応成功したとされています。しかし、最近受けた胃カメラ検査では、萎縮性胃炎と十二指腸潰瘍の再発が確認されました。一年間胃薬を服用しても改善が見られず、不安を感じて処方を拒否したところ、医師からは「治らないので薬は続けるように」と言われ、別の薬を処方されました。 しかし、納得がいかず、ガストリノーマを疑っています。また、ピロリ菌の除菌が本当に成功したのかどうかについても不安があります。
60代 / 女性
ご相談ありがとうございます。
まず、ピロリ菌除菌について説明します。
ピロリ菌除菌について
ピロリ菌は基本的に幼少期に口から入った食べ物や水から感染します。胃・十二指腸潰瘍になりやすい、長年感染していると胃がんのリスクが上がる、ということがわかっています。
ピロリ菌が陽性か調べるためには、いくつかの方法がありますが、現時点感染しているか(あるいは除菌成功したか)を知るためには、尿素呼気検査あるいは便中ピロリ菌抗原検査が有用です。ただし、尿素呼気検査は検査時の注意が必要で、タケキャブなどの胃酸を抑える薬を飲んでいるとうまく検査が反応しないため、少なくとも検査2週間前から休薬が必要です。
初めに胃の生検組織で陰性と診断されたのは、採った組織にピロリ菌がたまたま居なかったことが推察されます。
ちなみに、血液検査でわかるピロリ菌抗体の検査は、一度ピロリ菌にかかったことがある方は除菌後もしばらく陽性になりますので、除菌確認には適していません。
確かに、除菌が不成功の場合は、潰瘍が再発することが考えられます。
萎縮性胃炎について
萎縮性胃炎は、ピロリ菌感染で起こる胃の粘膜の変化であり、一度萎縮した粘膜は元に戻ることはありません。つまり除菌後も胃炎は残ってしまいます。ピロリ菌の感染期間が長ければ長いほど萎縮する粘膜の範囲が広がり、胃がんのリスクとなるため、早めの除菌が推奨されています。
ガストリノーマについて
次にガストリノーマについてです。ガストリンというホルモンを過剰に分泌する腫瘍で、ガストリンが胃酸の分泌を増加させるため、再発性の潰瘍を引き起こすことがあります。十二指腸潰瘍の1%にみられると言われている稀な病気です。診断には、血中ガストリン値の測定と、画像検査での腫瘍の有無の確認が必要です。ガストリンの値はタケキャブなど胃酸を抑える薬を飲んでいると、薬の影響で高く出ることがあるので、正確に測定するためにはこちらも休薬が必要です。画像検査は、CT・MRIのほかに、超音波内視鏡という特殊な胃カメラを使って検査することがあります。場合によって超音波内視鏡下で生検(組織を採取)して顕微鏡で確認し、診断をつけることもあります。
なかなか治らない胃潰瘍・十二指腸潰瘍について
難治性の胃潰瘍、十二指腸潰瘍ということですが、除菌成功にも関わらず、繰り返してしまう方がいらっしゃるのは事実です。1%未満と稀ですが、報告例はあります。また、ガストリノーマ以外の原因としても、薬剤性(とくに痛み止めによるもの)、喫煙、アルコール摂取、ストレス、他の腫瘍なども関与している可能性はあります。
次にすべきことについて
まず、次にすべきこととしては、主治医に除菌が成功しているかは確認する必要があると思われます。上記に挙げたように、その時の薬の内服の有無などによって判定が正しいかどうかもかわります。また、成人してからの再感染がまれに起こるので、現時点で感染がないか再度検査するのも手段です。
十二指腸潰瘍の再発リスクは現時点でもあるため、できれば胃酸を抑える薬を飲んでいることをお勧めします。今の胃薬に抵抗があるようであれば、主治医が処方してくれているほかの薬があります。潰瘍が重症化して、腸に穴があいてしまい、腹膜炎という重症な状態になってしまう危険性もあるので、飲んでいた方が少しはリスクが下がります。
ガストリノーマがないかどうかも含め、他の病院で調べたい場合は、まずは紹介状をもらう必要がありますので、主治医へ依頼しましょう。現在通われているところがクリニックの規模の医療機関であれば、胃カメラ以外の検査(CTや超音波内視鏡など)をやってみたい、と申し出るとスムーズです。
詳しく調べるためには、消化器内科を掲げている総合病院であれば基本的には問題ないですが、できれば超音波内視鏡検査を行なっているところを選ぶと確実です。多数ありますので具体的な病院名は挙げられませんが、大学附属病院の規模であれば基本的には検査可能です。
まとめ
現在ピロリ菌感染がないかを再度確認する必要があります。
ガストリノーマも含め、他の原因がないかどうか、詳しい検査を検討してください。主治医にその旨を伝え、検査を追加してもらう、あるいは紹介状を作成してもらってください。
薬はなるべく飲むことを推奨しますが、どの種類を選ぶかも主治医とよく相談することが望ましいです。
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