手根管症候群

手首から手のひらの真ん中にかけて走っている正中神経が圧迫されることで、手の指に痛みやしびれが生じる病気です。

妊娠～出産期、または更年期の女性がなりやすい病気です。スポーツなどで反復して手首を曲げ伸ばしする人もなりやすいです。

親指の付け根の筋肉が痩せ細っていき、物をつまんだり細かい作業をしたりしにくくなります。

手根管は手のひらから手首に存在し、トンネル状の構造をしています。

親指から薬指にかけて、しびれや痛みを生じます。小指には症状が出ません。

初期には人差し指や中指にしびれや痛みを感じ、最終的には親指や薬指まで症状の範囲が広がります。

首や頭の病気、正中神経以外の腕の神経の病気などでも、似た症状が起こることがあります。

人差し指・中指・親指のどれか一つでもしびれを感じたら、受診してください。

整形外科を受診してください。近辺に整形外科の診療所や病院がなければ、脳神経外科や形成外科でもかまいません。

ティネルサインやファレンテストなどの身体診察、レントゲン検査や神経伝導速度検査などで診断します。

手首に負担がかかる作業を避けるように気をつけながら、飲み薬や貼り薬を使用して治療を行います。

1～2ヶ月安静にして治らない場合や、再発を繰り返す場合には、注射や手術を行うことがあります。

手を振ったり指を曲げ伸ばしたりすることで、痛みが楽になるときがあります。

手首に負担をかけないよう、安静にすることが大切です。

手の安静や自分で行うストレッチによって症状が緩和する可能性があります。

手根管開放術という手術を行います。多くの場合、入院の必要はありません。

神経の炎症を抑える消炎鎮痛剤や、神経を保護するビタミン剤、神経痛を和らげる薬などを服用します。

症状が改善すれば、薬の使用をやめられることも多いです。

薬の効き目が薄く、重症化している場合は手術を行う可能性があります。