多発性嚢胞腎
「多発性嚢胞腎」とは、遺伝子の異常が原因で、腎臓に嚢胞という液体が溜まった袋が多くできてしまい、腎臓の機能が低下する病気です。初期は無症状ですが、血尿や側腹部・背部痛が成人になって見られることが多いです。健診で嚢胞を指摘されたり、血尿などが見られたりする場合は、内科や泌尿器科、腎臓内科を受診しましょう。
虎の門病院分院 腎臓内科
大庭 悠貴 監修
おすすめのQ&A
もっと見る病気について
嚢胞(のうほう)という腎臓にできた袋が両方の腎臓に多発し、増大する遺伝性の病気です。腎臓が嚢胞に置き換わり、大きくなっていくと腎機能が低下していきます。
腎臓の中で、水が溜まる袋です。基本は問題になりませんが、多発性嚢胞腎では多発・増大し腎機能が悪くなることが問題です。出血したり感染したりすることがあります。
多発性嚢胞腎の方の余命や寿命については、現時点では明らかなデータはありません。
嚢胞が左右どちらの腎臓にあるかによって、症状などに違いがあるとは考えられていません。
現時点では、腎嚢胞を予防する方法はありません。
はい。疲れやすく感じることがあります。
一般的に、腎嚢胞が自然に改善したり、消えてなくなることはありません。
腎嚢胞が増え、腎機能が低下するとともに血中のクレアチニン値が上昇します。
症状について
遺伝子の異常によって発症します。また、突然変異として発症する場合もあります。
初期は無症状ですが、血尿や側腹部・背部痛が成人になって見られることが多いです。
解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。
はい。嚢胞が増えて腎臓全体が大きくなり、お腹が出てくることがあります。
多くの場合、高血圧を合併します。その他、嚢胞感染、尿路結石、脳動脈瘤(クモ膜下出血)などがあります。
はい。お腹や背中に痛みを感じることがあります。また、嚢胞出血や感染などの合併症でも痛みを伴います。
受診について
治療について
食塩の摂り過ぎに注意し、血圧を管理しましょう。水は喉が渇かない程度に飲み、ジュースやコーヒーなどの味のついた飲み物は控えましょう。肥満にならないようにカロリーの摂り過ぎに注意しましょう。
減塩と血圧管理の徹底と、肥満にならないよう注意することが必要です。トルバプタンという薬で進行を抑えることもあります。
大きさに関わらず、多発性嚢胞腎と診断された場合には治療が勧められます。
基本的に手術は推奨されていません。多発性嚢胞腎では減塩や血圧の管理が中心となります。
手続きや支援について
薬について
(参考文献)
ユビー病気のQ&Aとは?
現役の医師が、患者さんの気になることや治療方法について解説しています。ご自身だけでは対処することがむずかしい具体的な対応方法や知識などを知ることができます。
病気・症状から探す医師・医療機関の方はコチラ