骨髄異形成症候群と高血圧で治療中です。治療の影響と今後の方針について相談させてください。
60代・男性のご相談
まずは、私たちを信頼してご相談いただき、本当にありがとうございます。ここでは、骨髄異形成症候群についての情報をお伝えしますね。お話を進めるにあたって、「こうちゅうきん」は「好中球」としてお話しします。
骨髄異形成症候群は、大まかに「低リスク」と「高リスク」に分けられ、それに基づいて治療が行われます。リスクは、いくつかの項目で点数をつけて、5段階で評価されます。低い方から3段階(very low, low, intermediate)が「低リスク」、高い方の2段階(high, very high)が「高リスク」とされます。評価の項目には、染色体の異常、骨髄芽球の割合、ヘモグロビン、血小板、好中球の数があります。
お伺いした情報では、ヘモグロビンが8以上、血小板が10万以上、好中球が800以上(白血球が3500で好中球が25%の場合は875)で、スコアは1以下となり、リスクはvery low、つまり一番低いものになります。ただし、骨髄芽球が10%以上や染色体に予後が良くない異常があるとスコアが上がり、リスクが変わることがあります。しかし、主治医の先生が落ち着いている様子から、少なくとも低リスクの範囲ではないかと考えています。リスクを正確に知りたい場合は、主治医の先生にお尋ねくださいね。
ここからは「低リスク」であるという前提で治療についてお話しします。低リスクの場合、血球の減少が日常生活に影響を及ぼすときに治療が検討されます。貧血については、エリスロポエチン(EPO)を測定し、500U/L以下であれば赤血球を増やす薬が使われます。また、特定の染色体異常がある場合は、レナリドミドという薬が使われます。これらの治療が効果がない場合には、アザシチジンや他の薬が検討されます。2024年1月からは、新しい薬も使えるようになる予定です。
現在のところ、ビダーザの前に行われる治療は行われていないようですので、主治医の先生は、血球が減少していても生活に大きな問題はないと判断されているのかもしれません。
この情報が少しでもお役に立てば幸いです。ここでお伝えしたのは一般的な治療方針ですので、個人によって異なることがあります。何か追加でご質問があれば、どうぞ遠慮なくお知らせください。また、リスクについて詳しく知りたい場合は、骨髄芽球や染色体の検査結果を教えていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
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