過多月経による貧血とIgA腎症の悪化について、子宮摘出以外の治療法を相談させてください。
40代・女性のご相談
生理の出血量が多く、過多月経による貧血を毎年のように経験しています。ヘモグロビン値が通常の12から5〜7に急激に低下することがあり、非常に心配です。これまで、ホルモンバランスを整えるためにピルを試しましたが、血圧が200を超え、持病のIgA腎症が悪化するなどの全身への影響が怖く、服用を中止しました。
婦人科医からは、ピルでの調整が難しい場合、子宮摘出をすすめられました。しかし、夫婦関係の変化や、母や祖母が閉経後に肥満や糖尿病を発症した遺伝的リスクを考えると、子宮摘出に踏み切れません。ほかに選択肢はないものでしょうか。原因を知りたいですし、どのように対処すればよいのか、アドバイスをいただけると助かります。
ご相談いただきありがとうございます。毎年のように過多月経や貧血に悩まれているとのこと、心からお察しします。ピルの副作用でお困りで、子宮摘出以外の方法をお探しなんですね。
【過多月経の原因について】
一般的な原因である子宮筋腫や子宮内膜ポリープなどがない場合、出血しやすい体質が考えられます。例えば、フォンウィルブランド病や血友病などです。まだ「血液凝固因子」の検査を受けていない場合は、ぜひ担当の先生に相談してみてください。
【治療の選択肢について】
子宮摘出は最後の手段です。ほかにもいくつかの方法がありますので、ご紹介しますね。
- 薬物療法:低用量ピル以外にも、黄体ホルモン製剤などがあります。高血圧や腎臓の問題がある方でも使える場合がありますので、担当の先生に確認してみてください。
- ミレーナ:子宮内に装着することで、出血を減らす効果が期待できます。避妊具としても知られていますが、こちらも担当の先生に相談してみてください。
- 漢方薬:体質改善やホルモンバランスの調整を目的に使われることがあります。ただし、効果は人それぞれなので、大きな期待はしないほうがよいかもしれません。
- 子宮内膜焼灼術/切除術:子宮内膜を処置することで、生理の出血を減らす方法です。子宮を残せる可能性がありますが、実施できる病院が限られていますので、希望される場合は担当の先生にご相談ください。
- 血液凝固に異常がある場合:専用の治療薬があります。
- 子宮摘出術:薬で改善しない場合や、薬が使えない場合の選択肢です。手術後も通常の性生活が可能なことが多いです。腎臓の問題がある場合は、腎臓の専門医とも相談が必要です。
【その他の方法】
- 食生活の見直し:鉄分を多く含む食品を積極的に摂りましょう。
- 生活習慣の改善:睡眠不足やストレスはホルモンバランスに影響するので、注意が必要です。
【重要なポイント】
- 重度の貧血を放置すると、心臓や血管に負担がかかる可能性があります。なんらかの治療を行うことが大切です。
- 閉経を待つという選択肢もありますが、平均的な閉経年齢を考えると、治療せずに待つのは難しいかもしれません。
- 手術以外の治療法について、まずは担当の先生と相談してみてください。手術が必要かどうかは、リスクを比較して決めることになります。
【まとめ】
過多月経と貧血でお悩みのこと、本当に大変だと思います。原因がわからない場合は、追加の検査を検討してみてください。子宮摘出以外にも、いくつかの治療法がありますので、担当の先生とよく相談しながら、あなたに合った方法を選んでくださいね。どうぞお大事になさってください。
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