亀頭包皮炎
監修医師秋元 隆宏東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学 泌尿器科 泌尿器科
- 更新日
- 2026/05/28
- 公開日
- 2022/08/10
亀頭包皮炎とは
亀頭や包皮が細菌やカビに感染し、赤くただれたり痛みやかゆみを伴うこともあります。石鹸などで洗いすぎる事で症状が悪化する場合もあります。
「亀頭包皮炎」とはどのような病気ですか?
男性器の皮膚や先端に炎症が生じて、赤み・かゆみが生じる病気です。
亀頭包皮炎は、男性器の先端にある亀頭や、亀頭を覆う皮膚(包皮)、陰茎の皮膚に炎症が生じる病気です。
割礼(包皮切除術)をしていない日本人男性の1.5%程度で生じることがあります。特に2~5歳で発症しやすいですが、成人でも発症します。
原因としては細菌などへの感染や、接触による刺激、アレルギーなどがありますが、全身に生じる皮膚の病気や陰茎がんでも同じような症状が出ることがあります。
炎症が生じた部位には、赤みやかゆみ、むくみ、痛みなどがでます。場合によって異常な分泌物や膿がでることもあります。
参考文献
H Kayaba et al. Analysis of shape and retractability of the prepuce in 603 Japanese boys. J Urol. 1996, 156, p.1813-1815.
Sarah K Edwards et al. 2022 European guideline for the management of balanoposthitis. J Eur Acad Dermatol Venereol. 2023, 37, p.1104-1117.
Alexander T M Nguyen et al. Balanitis xerotica obliterans: an update for clinicians. Eur J Pediatr. 2020, 179, p.9-16.
亀頭包皮炎の症状
亀頭包皮炎の症状にはどのようなものがありますか?
男性器の先端や皮膚に赤みや腫れ、痛み、かゆみが生じます。また悪化すると、膿が出てくることもあります。
亀頭包皮炎では、男性器の先端にある亀頭や、亀頭を覆う皮膚(包皮)、陰茎の皮膚に炎症が生じて、以下のような症状が出ます。
- 赤み
- 腫れ
- 痛み
- かゆみ
- 分泌物や膿がでる
- 排尿時に痛みを感じて排尿しにくくなる
など
また、慢性化すると病変の部分が硬くなることがあります。亀頭包皮炎は特に2~5歳で発症しやすく、乳児の場合は症状のために過度に泣くこともあります。
亀頭包皮炎の原因
亀頭包皮炎の原因となる菌には何がありますか?
黄色ブドウ球菌や大腸菌、連鎖球菌といった常在菌や、カンジダというカビなどがあります。
亀頭包皮炎の原因は、菌やウイルスへの感染、接触による刺激、アレルギー、その他の病気によるものに大きく分けられます。
その中でも菌への感染によるものは多く、具体的な原因菌としては、以下が挙げられます。
原因となる細菌類
- 大腸菌や腸球菌
- 黄色ブドウ球菌
- 溶連菌
など
原因となる真菌・カビ類
- カンジダ菌
など
性的に活発な方は、淋菌やクラミジア、ヘルペスウイルスなど性感染症を引き起こす菌やウイルスの感染が原因になることもあります。
参考文献
Sarah K Edwards et al. 2022 European guideline for the management of balanoposthitis. J Eur Acad Dermatol Venereol. 2023, 37, p.1104-1117.
S Edwards. Balanitis and balanoposthitis: a review. Genitourin Med. 1996, 72, p.155-159.
R H Schwartz et al. Acute balanoposthitis in young boys. Pediatr Infect Dis J. 1996, 15, p.176-177.
亀頭包皮炎の治療・対処法
亀頭包皮炎への対処法は?
石鹸を使っての洗い過ぎは症状を悪化させるので控えましょう。改善がなければ受診をしましょう。
亀頭包皮炎はどのくらいの期間で治りますか?治療を開始してから治るまでの流れを教えてください。
多くは数日から2週間で改善し、原因に合わせた適切なケアで早く治ります。
治るまでの期間
亀頭包皮炎は、多くの場合、毎日の入浴でぬるま湯を使い、痛みが出ない程度にやさしく洗うだけでも、数日から2週間ほどで自然に治ることが多いとされています。
石鹸は刺激が強く、症状を悪化させる恐れがあるため、できるだけ使わないほうが望ましいです。洗う際には包皮をめくり、洗ったあとは必ず元に戻しましょう。完治まで性交渉は控えることが大切です。
治療を開始してからの流れ
刺激や軽度の感染などが原因の場合は、上記のような清潔ケアで自然に治ることが多いです。
細菌やカビ(真菌)が原因の場合は、必要に応じて抗菌薬や抗真菌薬が処方されることがあります。
包茎で包皮がめくりにくい方や、糖尿病など免疫力が落ちる病気がある場合は、治るまでに時間がかかることがあります。
また、洗ったあとに包皮を戻し忘れると、亀頭を締め付ける「嵌頓包茎」が起こる場合があるため、洗ったあとは必ずもとに戻しましょう。
症状が強い、続く、または再発する場合は、早めに皮膚科か泌尿器科を受診し、完治の確認ができるまでは性交渉を控えてください。
亀頭包皮炎は自然に治りますか?
毎日入浴することや、優しく痛まない程度に洗浄するだけで自然に治ることが多いです。
毎日入浴して優しく患部を洗い、衛生状態を整えるだけで数日のうちに治ることが多いです。
しかし、炎症がある部分に接触するなどで刺激が加わると治るまで時間がかかってしまいます。治るまでは性交渉などは慎みましょう。
以下の場合は自然に治らないことがあるので、当てはまる場合は病院を受診しましょう。
- 包茎で包皮がめくれない(真性包茎)
- 症状が強い
- 免疫を抑える薬を飲んでいる
- 免疫が弱まる病気がある(免疫不全や糖尿病など)
- 市販薬を使用した
亀頭包皮炎の場合、主にどのような治療をしますか?
主に入浴や洗浄などの生活指導を行います。長引く場合は、塗り薬や内服薬を使用することもあります。
亀頭包皮炎の治療法は以下の通りです。
生活指導
入浴、洗浄
毎日1~2回入浴することで、自然に改善することが多いです。その際、生理食塩水で洗うことが推奨されていますが、ぬるま湯の水道水でも構いません。石鹸はかぶれの原因になることがありますので、使わなくても良いです。洗浄するときに包皮がめくれた場合はめくって洗い、洗った後は包皮を元に戻しましょう。無理にめくると元に戻らず強い痛みを伴い、手術が必要になることがあります。
接触による刺激を避ける
炎症がある時は、洗いすぎに注意して優しく洗いましょう。ごしごしと力強く洗うことや石鹸を使いすぎることは、症状を余計に悪化させてしまいます。また、市販のクリームを大量につけることや、性行為や自慰行為などの直接的な刺激によっても悪化するので、その点も注意しましょう。
薬物治療
抗菌薬、抗真菌薬、抗ウイルス薬
感染による亀頭包皮炎で症状が強い場合や長引く場合は、原因となっている微生物にあわせた適切な塗り薬や経口薬を使用します。
ステロイド
適切に使用すると、炎症を素早く抑える効果があります。しかし、部分的に免疫力が下がってしまい、塗った場所に他の微生物が感染しやすくなる、皮膚が薄くなるなどの副作用があります。使い方によっては症状を長引かせることもあります。
包茎の治療
ホルモンの変化や勃起による影響で、成長に伴って包皮は亀頭からはがれやすくなります。成長しても包皮がはがれない状態(包茎)の場合は、亀頭包皮炎を繰り返すことや症状が長引くことがあり、その場合は包茎の治療(塗り薬や手術など)をします。
受診の目安・何科を受診するべきか
亀頭包皮炎が疑われる場合、何科を受診したらよいですか?また、病院を受診する目安はありますか?
泌尿器科や小児科、皮膚科を受診しましょう。症状がひどい場合や、なかなか治らない場合は、我慢せずに受診することをおすすめします。
亀頭包皮炎が疑われる場合は、泌尿器科や小児科、皮膚科を受診しましょう。
症状を繰り返す方や、入浴や洗浄をきちんとしても1週間以上長引く方、症状が気になる方は、我慢せずに受診することをおすすめします。
主な症状としては、男性器の先端にある亀頭・亀頭を覆う皮膚(包皮)・陰茎の皮膚などで炎症が起こり、赤みや痛み、膿みなどが見られます。
亀頭包皮炎の症状に関して、詳しくは以下をご参照ください。
亀頭包皮炎の専門医がいる近くの病院はありますか?
亀頭包皮炎の専門医がいる病院を見る対処法・セルフケア
亀頭包皮炎に対して自分でできる、即効性のある対処法はありますか?
ぬるま湯でやさしく洗い、刺激を避けて清潔を保つことが大切です。
亀頭包皮炎は、男性器の先端や包皮に炎症が起こる病気で、多くの場合、刺激を避けて、適切な清潔ケアで数日から2週間ほどで軽快します。
即効性のある方法は限られますが、ぬるま湯でやさしく洗い、清潔なガーゼや柔らかいタオルで水分はしっかり拭き取ることが有効です。
石鹸や、アルコール成分を含む洗剤は、すでに炎症のある場所にさらなる刺激になってしまい、症状を悪化させるおそれがあるため避けましょう。
洗う際には包皮を軽くめくって洗ったほうがいいですが、無理に引っぱると傷つきやすく、洗ったあとは必ずもとに戻さないと、亀頭を締め付ける「嵌頓(かんとん)包茎」のリスクがあります。
症状が強い場合や再発をくり返す場合、症状が長引く場合は、細菌やカビ(真菌)が原因の可能性があるため、皮膚科や泌尿器科で抗菌薬や抗真菌薬など、薬による治療が必要になることがあります。
そのため、症状が強い場合や上記の清潔ケアをやっても数日で治らない場合は、早めに受診してください。また、完治するまでは性交渉などは控えてください。
亀頭包皮炎の治療に使用できる市販薬はありますか?
ありますが、使い方によって無効な場合や悪化する場合があります。
亀頭包皮炎の治療に使用できる市販薬はあります。しかし、亀頭包皮炎の原因に合わせて正しく使用しないと、症状が悪化してしまったり、逆に亀頭包皮炎やかぶれの原因になったりすることがあります。
このため、自己判断で市販薬を選択・使用するのではなく、まずは毎日入浴し、優しく患部を洗浄して症状が改善するかを確認することをおすすめします。
ただし、症状が強い場合やきちんと洗っても症状が長引く場合は、我慢せずに病院を受診しましょう。
亀頭包皮炎に関連するその他の質問
10代や20代などの若年層でも亀頭包皮炎になるリスクはありますか?
若年層でも亀頭包皮炎のリスクがあります。
亀頭包皮炎とは、男性器の先端(亀頭)や、それを覆う皮膚(包皮)に炎症が起こる病気です。
日本人男性全体では、包皮を切除する手術(割礼)を受けていない方の約1.5%にみられるとされ、とくに2~5歳の幼児期に発症しやすいと言われていますが、10代や20代などの若年層でも、ちょっとした刺激や軽度の感染症などがきっかけとなり、発症することがあります。
原因としては、包茎などで包皮と亀頭の間に汚れがたまり細菌やカビ(真菌)が増えるほか、アレルギー反応や性行為による感染なども挙げられます。
さらに、糖尿病など免疫力が低下する病気を持っている場合は、感染を起こしやすくなるため注意が必要です。
症状としては、赤み・かゆみ・腫れ・痛みなどが一般的で、膿(うみ)が出ることもあります。
細菌性亀頭包皮炎は性交渉によって、他人にうつりますか?
性感染症による亀頭包皮炎は感染することがあります。
細菌性亀頭包皮炎は、性交渉によって他人に感染することもあります。
淋菌やクラミジア、ヘルペスウイルスなど、性感染症の原因になる微生物によって亀頭包皮炎になった場合は、性交渉で他人に感染する可能性があります。
その他の細菌でも、性交渉によって粘膜や皮膚に傷がつくと、感染症を引き起こす可能性はあります。
細菌性亀頭包皮炎にかかっている間は、性器や口など粘膜への接触を避けてください。また、亀頭包皮炎は性行為や自慰行為などの直接的な刺激によっても悪化するので、その点も注意しましょう。
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この記事の監修医師
秋元 隆宏 先生
東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学 泌尿器科 泌尿器科
【経歴】 東北大学医学部医学科 卒業 三井記念病院 臨床研修 三井記念病院 泌尿器科 東京大学医学部付属病院 泌尿器科・男性科 自治医科大学 腎泌尿器外科学講座 泌尿器科学部門 病院助教 琉球大学医学部システム生理学講座 東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学
- 更新日
- 2026/05/28
- 公開日
- 2022/08/10