子宮外妊娠はどんな痛み?異所性妊娠(子宮外妊娠)
監修医師金沢 誠司産婦人科
- 更新日
- 2026/10/27
- 公開日
- 2020/09/03
子宮外妊娠とは
正常の子宮部位(子宮体部内膜)以外に妊娠している状態です。卵管妊娠が多く、そのまま妊娠を継続すると破裂による大量出血で命に関わることもあります。
「子宮外妊娠」とはどのような病気ですか?
受精卵が子宮内膜以外のところに着床することです。医学用語では「異所性妊娠」と呼びます。
子宮内膜以外の部位に着床している状態を「子宮外妊娠(異所性妊娠)」と呼びます。
全妊娠の1〜2%程度の頻度で発症し、着床している部位によって、卵管妊娠、腹膜妊娠、頸管妊娠などと表現することもあります。
基本的に出産に至ることは難しく、手術などの治療を要することもあります。
子宮外妊娠の症状
子宮外妊娠には初期症状はありますか?
無月経などの妊娠兆候に続き、不正出血や軽い下腹部痛、腰背部痛などを認めることもありますが、症状から正常妊娠と区別することは困難です。
子宮外妊娠特有の初期症状はありません。
無月経などの妊娠兆候に加えて、下腹部の違和感、腰背部痛、不正出血などの症状が初期症状としてみられることもありますが、これらは正常妊娠や流産においてもみられる症状となります。
初期症状が乏しいまま急激な下腹部痛、意識の低下などが出現することもあります。そのため、妊娠している可能性がある場合には、速やかに産婦人科を受診することが推奨されています。
子宮外妊娠ではどのような痛みを感じますか?
卵管が破裂してしまった場合など、急激に強い下腹部痛や腰背部痛が生じることがあります。
初期症状として、軽い下腹部痛、腰背部痛を感じることがあります。
着床部位によっても症状は異なりますが、卵管に妊娠していた場合には卵管が破裂してしまうことで、急激で強い下腹部痛を感じることがあります。また、大量の出血によって意識障害が起こることもあります。
子宮外妊娠の原因
子宮外妊娠の原因には何がありますか?
卵管の通過障害などが子宮外妊娠のリスク因子として知られています。
子宮外妊娠の主な原因として、卵管の通りが悪いこと(通過障害)で受精卵が子宮内膜に辿りつかず、卵管内で着床してしまうことが知られています。卵管の通過障害の原因としては下記のようなことが考えられます。
骨盤内炎症性疾患
子宮や卵巣における感染症であり、炎症によって卵管が狭窄します。
クラミジア感染症 とその既往
クラミジアは卵管に感染しやすく、炎症や周囲との癒着によって卵管が狭窄します。
卵管の手術歴
卵管結紮などの手術の影響で狭窄、閉塞していることがあります。
子宮内膜症
卵巣・卵管が子宮などの周囲の組織と癒着することで卵管の通過障害をきたします。
卵管通過障害以外の原因
喫煙、体外受精、高齢妊娠なども挙げられます。
子宮外妊娠の検査・診断
子宮外妊娠ではどのような検査をして診断しますか?
超音波検査や血液検査を行い診断します。
妊娠反応が陽性の場合には、超音波検査にて子宮内、腹腔内を慎重に観察することで正常妊娠や流産、子宮外妊娠の判断を行います。
子宮外に妊娠成分(胎嚢など)を認めた場合
子宮外妊娠の診断が確定となります。
子宮外にはっきりとした妊娠成分を認めない場合
下記の場合には、子宮外妊娠を疑い慎重な観察を行うこととなります。
① 子宮内に妊娠成分(胎嚢など)を認めない
② 血液検査で、妊娠中に産生されるホルモンであるhCGが高値あるいは上昇傾向
このような場合には、診断の補助として、CT検査などの画像検査や、診断的な治療として、流産手術(子宮内容除去術)や腹腔鏡を用いた腹腔内の観察を行うこともあります。
子宮外妊娠の治療・対処法
異所性妊娠(子宮外妊娠)への対処法は?
薬や手術による治療が必要になる可能性が高いので、妊娠の可能性があり、出血や腹痛がある場合は、早めに産婦人科受診してください。
子宮外妊娠の場合、主にどのような治療をしますか?
手術、待機、薬物治療のいずれかを状況を見極めながら選択することとなります。
子宮外妊娠の大半を占める、「卵管妊娠」においては手術、経過観察、薬物治療の中から状況に応じて治療法を選択することとなります。
手術療法
中心的な治療法であり、卵管の切除あるいは切開を行い妊娠成分を除去します。
経過観察
自然に消退する(卵管流産)こともあるため、手術を行うタイミングやその必要性は慎重に判断する必要があります。待機していることで自然に治癒することもあります。
薬物治療
着床している部位や超音波所見、血液検査所見によっては、メソトレキセートという薬物治療を行うこともあります。一般的に妊娠成分が小さいほど、薬物治療の成績が良いとされています。
卵管以外の部位に着床している場合にも、同様の治療を行いますが、各治療の優先度などが多少異なる可能性があります。
受診の目安・何科を受診するべきか
子宮外妊娠が疑われる場合、何科を受診したらよいですか?また、受診の目安はありますか?
妊娠が疑われる場合には、早期に産婦人科を受診することを推奨します。
子宮外妊娠などの異常妊娠を自身で気づくことは難しいため、妊娠していると考えられる場合には、早期に産婦人科を受診することを推奨します。
目安としては、月経予定日より1週間程度月経が遅れた場合には妊娠検査薬を施行し、陽性であれば速やかに受診することが望ましいと考えられます。
異所性妊娠(子宮外妊娠)の専門医がいる近くの病院はありますか?
異所性妊娠(子宮外妊娠)の専門医がいる病院を見る子宮外妊娠に関連するその他の質問
子宮外妊娠はどれくらいの確率で起こりますか?
全妊娠の約1%が子宮外妊娠であると言われています。また、そのうち9割以上が卵管に着床する「卵管妊娠」です。
子宮外妊娠の発症率は、リスク因子の有無などによっても異なりますが、一般的には全妊娠の1〜2%程度とされています。子宮外妊娠の多く(90〜95%程度)が卵管に着床する卵管妊娠とされています。
子宮外妊娠について、医師からのよくある質問
医師からよくある質問はありますか?
「異所性妊娠(子宮外妊娠)」について医師からよくある質問の例として次のようなものがあります。
- お腹の痛みがありますか?
- 生理ではないのに腟からの出血または茶色・ピンク色のおりものがありますか?
- 冷や汗をかいていますか?
- お腹の下の方が痛みますか?
- 確定していないけれど、妊娠の可能性はありますか?
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この記事の監修医師
金沢 誠司 先生
産婦人科・産科・婦人科
産婦人科専門医・医学博士。新潟大学医学部卒、東北大学大学院修了。 国立成育医療研究センター等の高度周産期施設で胎児診療や臨床研究に従事したのち、Ubie株式会社にて医療AI開発を通じた医療のDX化を推進。 現在は、臨床の最前線で胎児超音波や出生前診断を専門としつつ、これまでの臨床知見とAI開発経験を融合。女性がライフスタイルに合わせて健康をデザインする「マタニティ・ストラテジスト」として活動。全女性が根拠ある医療情報を手にし、戦略的に体調を管理するためのメディア [Platform Women's](https://platform-womens.jp/) を主宰している。
- 更新日
- 2026/10/27
- 公開日
- 2020/09/03