脊髄性筋萎縮症

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最終更新日

脊髄性筋萎縮症は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?

新百合ヶ丘総合病院 脳神経内科

武井 悠香子 監修

ヌシネルセンナトリウム、オナセムノゲンアベパルボベク、リスジプラムという薬で治療します。

解説

脊髄性筋萎縮症の原因は、SMN遺伝子の変異によりSMNタンパクが不足することと考えられています。(詳しい原因については「脊髄性筋萎縮症の原因は何がありますか?」を参照ください)
そのため、2017年から現在までに、SMNタンパクを増やす作用を持つ3種類の薬が開発されました。いずれも今はかなり高価な薬です。それぞれの薬の特徴は、以下の通りです。

ヌシネルセンナトリウム

最も早く承認された薬で、年齢制限なく使用できます。数ヶ月に一回程度、腰から注射を行います。
水頭症(髄液という脳の周囲にある液体が過剰にたまり、脳にかかる圧力が上がってしまう病気)や、血小板減少などの副作用が見られます。

オナセムノゲンアベパルボベク

2歳未満の患者さんに対してのみ使用できます。静脈に注射する形で使用し、再度使用することはできません。
肝機能障害、血小板減少などの副作用がみられます。

リスジプラム

生後2ヶ月以上の患者さんに対して使用できます。1日1回、食後に内服します。
上気道感染や発疹(赤みやぶつぶつなど皮膚にできる症状)、皮膚変色などの副作用がみられます。

この病気は拡大新生児マススクリーニング(現時点では有料ですが、近いうちに公費で行うマススクリーニングに含まれる予定)で早期発見できます。早期発見できた場合は、発症前から薬の使用を行うことで、発症を抑えたり軽症化することができます。新しい薬であり、頻繁に使われているわけでもないため、今後新たな副作用などが出てくるかもしれませんが、これまで失われてきた幼い命を救うことができるかもしれません。また、発症してしまっていても、できるだけ早期に治療開始することが望まれます。

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