骨髄異形成症候群(MDS)で輸血した場合の生存率はどれくらいですか?
骨髄異形成症候群(MDS)での輸血は、生存率を改善しませんが、重症度を示す指標とされています。
骨髄異形成症候群(MDS)における輸血の役割
骨髄異形成症候群(MDS)では、骨髄で正常な血液細胞がうまくつくれなくなり、赤血球が不足して貧血が起こることがあります。輸血は、この貧血による息切れや疲れやすさといった症状を和らげるための「支持療法」にあたります。病気そのものを治す根治治療ではないため、輸血を行ったかどうかが生存率を直接左右するわけではありません(がん情報サービス)。
骨髄異形成症候群(MDS)の予後を左右するリスク分類
MDSの予後(病気の見通し)は、「IPSS-R」と呼ばれる国際的なリスク分類によって評価されます。IPSS-Rでは、血液検査の結果や骨髄中の異常な細胞の割合、染色体の異常などをもとに、5つのリスク群に分けられます。リスクが低い場合は比較的おだやかな経過をたどることが多い一方、リスクが高い場合は病気が進行しやすく、予後に大きく影響するとされています(造血器腫瘍診療ガイドライン 2023年版)。
骨髄異形成症候群(MDS)で輸血依存になると予後はどうなる?
輸血を繰り返し必要とする状態(輸血依存)は、MDSがより重症であることを示す指標のひとつとされています。また、輸血を繰り返すと体内に鉄分が過剰にたまる「鉄過剰症」が起こることがあり、血清フェリチン値が1,000ng/mLを超えると予後に悪影響を及ぼす可能性が報告されています(造血器腫瘍診療ガイドライン 2023年版)。
骨髄異形成症候群(MDS)の輸血による鉄過剰症と対策
鉄過剰症を防ぐために、低リスクのMDSで赤血球輸血に依存している場合には「鉄キレート療法」という治療が推奨されています。鉄キレート療法は体内の余分な鉄を排出する治療で、メタアナリシス(複数の研究をまとめた分析)では患者さんの予後改善が示されています(造血器腫瘍診療ガイドライン 2023年版)。
骨髄異形成症候群(MDS)の経過で気をつけること
MDSは一部の方で急性骨髄性白血病(AML)に移行することがあります。また、血球の減少が進むと感染症や出血のリスクが高まることがあります(がん情報サービス)。輸血の回数が増えてきた場合や、体調の変化を感じた場合には、早めに医療機関への受診をご検討ください。
骨髄異形成症候群 (MDS)について、特に知りたいことは何ですか?
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(参考文献)
国立がん研究センター がん情報サービス『骨髄異形成症候群(MDS)』 https://ganjoho.jp/public/cancer/MDS/index.html,(参照 2026-08-10).
宮﨑泰司ほか.“骨髄異形成症候群診療の参照ガイド 令和 4 年度改訂版 ”.特発性造血障害に関する調査研究班.http://zoketsushogaihan.umin.jp/file/2022/Myelodysplastic_Syndromes.pdf,(参照 2026-08-10).
日本血液学会.“骨髄異形成症候群”.日本血液学会.http://www.jshem.or.jp/gui-hemali/1_6.html,(参照 2026-08-10).
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埼玉医科大学総合医療センター 小児科
井上 信明 監修
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