骨髄異形成症候群(MDS)で治療しないとどうなりますか?
骨髄異形成症候群(MDS)を治療しない場合、症状の進行やリスクにより白血病に移行することがあります。
骨髄異形成症候群(MDS)とは
骨髄異形成症候群(MDS)は、血液をつくるもとになる細胞(造血幹細胞)に異常が生じ、正常な血液の細胞がうまくつくられなくなる病気の総称です。赤血球・白血球・血小板といった血液の成分が減少し、さまざまな症状を引き起こすことがあります(がん情報サービス)。
骨髄異形成症候群(MDS)を治療しない場合に起こる症状
MDSを治療せずに経過した場合、血液の成分が減少することで、以下のような症状が現れることがあります。
- 貧血の症状:赤血球の減少により、息切れや動悸、顔色が悪くなるなどの症状が現れることがあります
- 感染症にかかりやすくなる:白血球の減少により、細菌やウイルスなどに対する抵抗力が低下し、感染症を繰り返したり、感染症が重症化したりすることがあります
- 出血しやすくなる:血小板の減少により、鼻血や歯ぐきからの出血、皮膚にあざができやすくなることがあります
これらの症状は、病気の進行とともに強くなる傾向があり、重症の感染症や出血は命に関わることもあるとされています(造血器腫瘍診療ガイドライン2023年版)。
骨髄異形成症候群(MDS)が急性白血病に移行するリスク
MDSの一部は、急性骨髄性白血病(AML)へ移行することがあります(がん情報サービス)。AMLに移行すると、異常な血液細胞が急速に増え、症状が短期間で悪化することがあります。白血病への移行リスクは患者さんごとに異なり、後述するリスク分類によって評価されます。
骨髄異形成症候群(MDS)のリスク分類と経過観察
MDSでは、IPSS-R(改訂国際予後スコアリングシステム)と呼ばれる方法で病気の重症度を評価します。リスクが低く無症状の場合は、すぐに積極的な治療を行わず、定期的な経過観察が選択されることもあります。
一方、リスクが高い場合は白血病への移行リスクも高まるため、早期からの治療が検討されます(造血器腫瘍診療ガイドライン2023年版)。気になる症状がある場合や、経過観察中に体調の変化を感じた場合は、早めに医療機関への受診をご検討ください。
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(参考文献)
日本血液学会 編『造血器腫瘍診療ガイドライン 2023年版』第6章 骨髄異形成症候群(MDS) https://www.jshem.or.jp/gui-hemali/1_6.html,(参照 2026-08-10).
国立がん研究センター がん情報サービス『骨髄異形成症候群(MDS)』 https://ganjoho.jp/public/cancer/MDS/index.html,(参照 2026-08-10).
宮﨑泰司ほか.“骨髄異形成症候群診療の参照ガイド 令和 4 年度改訂版 ”.特発性造血障害に関する調査研究班.http://zoketsushogaihan.umin.jp/file/2022/Myelodysplastic_Syndromes.pdf,(参照 2026-08-10).
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埼玉医科大学総合医療センター 小児科
井上 信明 監修
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