トリプルネガティブ乳がんとはどのような特徴がありますか？

トリプルネガティブというタイプの乳がんは、エストロゲン受容体陰性、プロゲステロン受容体陰性、HER2陰性という、3つが陰性（ネガティブ）であり、一般的にはホルモン療法や抗HER2療法の効果が期待できないという特徴があります。

また、高齢女性よりも若年女性の割合が高く、転移や再発する割合や再発までの期間が短い傾向にあります。
加えて、遺伝性の乳がんのひとつである遺伝性乳がん卵巣がんではトリプルネガティブ乳がんである割合が高く、また、化生がんや腺様嚢胞がんといった特殊型の乳がんの場合があります。化生がんは、リンパ節転移は少ないものの、肺や脳への転移が多くみられます。
予後不良との報告もありますが、症例数が少なくわかっていないことも多いです。一方、腺様嚢胞がんは、比較的予後が良好で、リンパ節転移がなければ再発目的の化学療法は必要ないとの考えもあります。

トリプルネガティブなどのサブタイプ分類は、基準が明確でない部分も多くあります。不安な点等がある場合には、主治医にご相談ください。