ストレスは冠攣縮性狭心症の原因になりますか?
日常生活のストレスは、冠攣縮性狭心症の発作を引き起こす原因の1つになることがあります。
精神的・肉体的なストレスは、冠攣縮性狭心症のリスクを高める要素の1つとなります。例えば、過換気(過呼吸)、不安や緊張、過労、睡眠不足などは、冠攣縮性狭心症が発症する可能性を高めます。そのため、治療にあたっては、ストレスを避けて規則正しい生活を送ることが重要とされています。
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最終更新日:
おだかクリニック 循環器内科 副院長
小鷹 悠二 監修
冠攣縮性狭心症が進行中です。発作時の対策と日常の薬の効果はありますか?
冠攣縮性狭心症と診断されてから20年以上経ち、症状が悪化しています。発作時にはニトロペンやツムラ68番、ニトロダームを使い、普段はヘルベッサーやシグマートを飲んでいます。どうすれば良いか教えてください。
70代 / 女性
ご相談ありがとうございます。
現在処方されている薬を飲んでいても、冠攣縮性狭心症の発作(胸の痛み)が頻回にあり、今の治療のままで良いかご心配なさっているという状況でしょうか。
薬を飲んでも攣縮性狭心症の発作が出る場合
冠攣縮性狭心症の基本的な治療は、カルシウム拮抗薬(商品名:ヘルベッサーなど)という薬を定期的に内服し、発作を予防します。禁煙も重要です。これでも不十分な場合、ニコランジル(商品名:シグマート)や硝酸イソソルビドテープ(ニトロダーム)を追加することもあります。また、発作が起きた時にはニトログリセリン(商品名:ニトロペン)というお薬を舌下投与し、症状を緩和します。
一般的に、これらの薬を飲んでいても発作が頻回に起こる場合、以下のような対処を検討することが多いです。
ヘルベッサーなどカルシウム拮抗薬の増量
ただし、副作用で血圧が下がりすぎることがあり、増やせない場合もあります。
スタチンの追加
高コレステロール血症などの脂質異常症がある場合に併用すると、発作の頻度が減ったという報告があります。
デノパミンの追加
これはアドレナリン受容体β1作動薬というお薬です。頻繁に使われるお薬ではありませんが、有効性が報告されており、ガイドラインでも投与を考慮して良い、とされています。
漢方薬の追加
四逆散という漢方薬が、心因性の症状を伴う冠攣縮性狭心症に有効だったという症例報告があります。他に、桂枝茯苓丸、柴朴湯なども有効という症例報告があります。論文による裏付けが十分ではなく、効果を保証するものではありませんが、ガイドラインでは、投与を考慮しても良い、とされています。
心臓以外が原因の痛みの可能性の考慮
例えば、食道痙攣や胃食道逆流症などで胸の痛みが出ている可能性もあります。消化器内科で胸の痛みの原因が心臓以外にないか、相談してみると良いでしょう。他には、不安が強いと胸の痛みを生じる場合があり、身体症状症と呼んでいます。身体症状症が原因の場合は、心療内科で心理療法を行なったり、不安を和らげるお薬を使うことで改善することがあります。 まずは、かかりつけの循環器内科医に相談しましょう。大学病院など高次医療機関の循環器内科へのセカンドオピニオンや、別の原因検索のため消化器内科・心療内科への紹介を希望するのも選択肢です。
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動悸が止まらず、心房細動かどうか知りたいです。カテーテル検査やホルター心電図の結果を教えてください。
心房細動かどうか知りたいです。 3年前に胸の痛みでカテーテル検査をしました。冠攣縮性狭心症と言うことで循環器に通いジルチアゼムを服用しています。 2ヶ月ぐらい前に胸の痛みが何度かありましたので、CTと心エコーを撮りましたが、異常はなく、朝1カプセルのジルチアゼムを夜にも飲むようにと言われました。 そうしましたら、痛みは起きなくなりましたが、今度は動悸が1日中してドキドキが止まらないので、ホルター心電図を1日付ける検査をし、心エコーも撮りました。 心エコーでは、心臓の動きがゆっくりと言われました。 不整脈は12,000回ありましたが、危険な不整脈ではないとのことで、メキシチールカプセル100mgをジルチアゼムと共に朝夕1カプセルずつ飲んでいます。 ドキドキは2週間位で少なくなりましたが、まだ今も1日の内で2〜3回短時間はドキドキがあります。 持病は片頭痛持ちで予防薬のアイモビークの注射をひと月に1回打っています。 頭痛時にはトリプタン製剤は血管を拡張するので心臓に良くない為、拡張しないクリアミン錠を飲んでいます。 反対に胸が痛い時にはニトロは使えません。 舌下に入れて1分ぐらいで頭痛がしてきて、それがきっかけで片頭痛の方に移行してそれ以降は頭痛が、ひどくて3〜4時間は起き上がれません。 でも頭痛になってもいいぐらいの胸の痛みになったらニトロ使います。 宜しくお願い致します。
60代 / 女性
こんにちは。ご相談いただきありがとうございます。攣縮性狭心症と片頭痛の両方があり、薬の選択に制限がある中で大変かと思います。
心房細動について
今回、動悸について心房細動かどうかということですね。まず、心房細動かどうかについてお答えします。
「ホルター心電図を1日付ける検査をしました。心エコーも撮りました。心エコーでは心臓の動きがゆっくり(弱い)とは言われました。不整脈は12,000回ありましたが危険な不整脈ではないとのことでメキシチールカプセル100mgをジルチアゼムと共に朝夕1カプセルずつ飲んでいます。」
正確にはホルター心電図の波形がないと判断できないところですが、医師のコメントと処方内容から察するに、これは心房細動ではなく、おそらく心房期外収縮あるいは心室期外収縮ではないかと考えます。
期外収縮については、基本的に放っておいても問題がないのですが、症状が強い場合や、あまりに期外収縮の頻度が多いために心臓の機能が低下する場合(かなり稀です)などに治療を行います。
ご記載の治療薬についても、片頭痛や攣縮性狭心症のことが考慮されているようで、おそらく主治医の先生もよく悩まれて処方されているのではないかと推察いたします。
ホルター心電図の所見についても改めて主治医の先生に「心房細動ではないのですか?」と聞いてもよいかもしれません。
どうぞお大事にしてください。
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異型狭心症の進行と治療、余命について教えてください。
10~20年ほど前から、数年に1〜2回の頻度で、胸が締め付けられ息ができなくなるような胸痛がありました。いずれも数分で治まり、頻度も少なかったため、今まで病院を受診していませんでした。 しかし今回、今まで経験したことのない胸痛があり、受診したところ、「冠攣縮性狭心症の疑いがある」との診断を受け、ニトログリセリン舌下錠を処方されました。 過去の胸痛は一度起こるとその後しばらく落ち着いていたのですが、今回は、激しい痛みではないものの、頻繁に胸痛が続いています。 そこで、いくつかお質問させてください。 ・症状は進行しているのでしょうか? ・手術などの治療は必要ないでしょうか? ・狭心症の症状が出ていますが、余命はどのくらいなのでしょうか? お酒はごくたまにしか飲まず、タバコも吸いません。他に何か気を付けることはありますか? ご多忙のところ恐縮ですが、ご回答よろしくお願いいたします。
40代 / 女性
ご相談ありがとうございます。10年前より胸の締め付けられるような症状があり、最近症状が変化したとのこと、ご不安かと思います。
冠攣縮性狭心症かどうかについて
まず、「冠攣縮性狭心症かどうか」ですが、これは心臓カテーテル検査という検査を行わないと診断がつきません。
特に、カテーテルを通じて、心臓の血管に攣縮(血管がけいれんし細くなること)を誘発する薬をいれて反応をみる、「アセチルコリン負荷試験」などの検査を行う必要があります。
こちらの負荷試験では、攣縮性狭心症でなければ特に反応はなく、反応がある場合には、血管を拡げる薬などでしっかり治療して検査を終えます。
ニトログリセリンの使用が狭心症の症状緩和としては一般的ですが、狭心症でない胸の痛み(食道からくる痛みなど)にも効果的なことがあり、仮にニトログリセリンが効いても狭心症とは確定できません。
また、狭心症以外にも胸の痛みを引き起こす原因として食道、肺、時にストレスなどが考えられます。ただし、ニトログリセリンの処方がされるほどで、頻度が増えている、ということであれば一度しっかりカテーテルなどの検査を行うことが勧められます。
手術や余命について
もし冠攣縮性狭心症である場合、基本的には、Ca拮抗薬などの心臓の血管を拡げる薬を使うことが効果的です。症状の頻度に合わせて、飲み薬を調整することになり、特に手術をする病気ではありません。
また、心筋梗塞になってしまうなどよほど重症でなければ、基本的には寿命への影響は大きくありません。
生活上の注意点
お酒はごくたまに、タバコも吸わないとのこと、素晴らしいですね。
その他、生活習慣として、特に攣縮性狭心症を意識して行うことはあまりないのですが、以下のような一般的なことを見直す余地があります。
- バランスのよい食事を心がける
- 適度な運動を続ける
- ストレスをため込まない
- 十分な睡眠をとる
まとめ
冠攣縮性狭心症かどうかは、お薬を使ったカテーテル検査を行わないとしっかり診断はできません。
普段カテーテルの検査を多く行っている医療機関を受診・かかりつけの先生から紹介を検討してもらうなどが勧められます。
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(参考文献)
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