狂犬病は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?

発症後の有効な治療法はありません。発症予防のためのワクチンの主な副反応は、接種部位の痛みや赤みなどです。

解説

症状が出てしまった後の有効な治療法はありません。栄養補給や解熱薬、鎮静(薬で眠ることにより脳を休ませる)などで症状に対応します。

感染動物に咬まれるなどで感染した疑いがある場合には、その直後から狂犬病ワクチンや免疫グロブリン(抗体)を使用することで発症を阻止します。感染動物に咬まれた際は、出来るだけ早く接種を開始する必要があります。なお、ワクチンは一回だけではなく、複数回にわたり接種が必要です。

日本で使用できる製剤としては、狂犬病ワクチンとして、ラビピュールⓇ筋注用が処方箋医薬品として承認されています。
ラビピュールⓇ筋注用の副作用として、10%以上で接種部位の痛みや赤み、頭痛倦怠感などが起こります。他に、発熱筋肉痛が出る場合もあります。
非常にまれではありますが、以下の重大な副作用が起こることがあります(頻度不明)。気になる症状があれば医師・薬剤師に相談してください。

  • ショック、アナフィラキシー(主な症状:冷や汗、めまい、目と口唇まわりの腫れなど)
  • 脳炎(主な症状:発熱、まひ、意識の低下など)
  • ギラン・バレー症候群(主な症状:手や足に力が入らない、歩行が困難になる、呼吸が苦しいなど)

※海外でワクチンを接種する場合にはいくつか製剤があり、頻度は多少異なるものの、概ね同様の副反応が報告されています。

また、日本では承認されていませんが、海外などで免疫グロブリンの注射を行った場合に報告されている副作用として、注射部位の痛み、頭痛腹痛下痢などがあります。

公開日

最終更新日

京都大学医学部附属病院呼吸器内科 呼吸器内科

渡邉 アヤ 監修

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