うつ病

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うつ病の治療方法には、どのようなものがありますか? また、治療期間はどのくらいですか?

精神科・心療内科

日下 慶子 監修

十分な休養をとること、薬物療法、心理療法などが主です。多くの場合は3〜6ヶ月ほどで回復していきますが、再発することもあるため注意が必要です。

解説

下記のような治療法が挙げられます。数ヶ月で徐々に改善することが期待されますが、症状の程度などによっても治癒の進み方は異なります。

休息・環境調整

無理をせず、しっかりと休息をとることが大切です。休息をとるのが難しい環境(家事や育児をしなければならないなど)であれば、休めない原因をなるべく減らすなどの環境調整が重要になります。また、抑うつのきっかけとなった明らかなストレスがある場合は、できるだけストレスと距離をとれる環境に身を置くことが望ましいでしょう。

薬物療法

抗うつ薬や気分安定薬により、抑うつの改善が期待できます。また、眠れない、不安がある、落ち着かないなどの症状により休息がとれない場合は、症状を和らげる対症療法が効果的です。

社会心理的治療

精神療法、認知療法、対人関係療法、行動療法などの効果が研究されています。柔軟な考え方や適応しやすい行動様式を身につけることで、抑うつが改善することがあります。

反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)/修正型電気けいれん療法(mECT)

抗うつ薬で効果が不十分な場合は、反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)を保険診療で受けることができます。頭皮上で電流を流すことで大脳皮質を刺激し、精神症状を改善する方法です。
また、高齢者のうつ病や、内服できないほど症状が強いうつ病に対しては、脳に短時間の電気刺激を与える「修正型電気けいれん療法(mECT)」という治療が行われることがあります。実施できる医療機関が限られるため、場合によっては転医が必要になります。

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涙が止まらず、仕事でミス連発…これってうつ病?

こんにちは。最近、悲しくて涙が止まらず、仕事でミスが続いています。一度座ると何時間も動けず、死にたいと思うこともあります。まだ病院には行っていませんが、これって本当にうつ病なのでしょうか?教えてください。

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20代 / 女性

ご相談いただきありがとうございます。

うつ病の可能性について心配されているのですね。まず、あなたが感じている症状についてお話しします。悲しみが続き、涙が止まらない、仕事でミスを連続してしまう、一度座ると何時間も動けない、そして死にたいと思うことがあるというのは、一般的にはうつ病の可能性があります。

うつ病は、気分の落ち込みや興味の喪失、疲労感、集中力の低下、自己評価の低下、睡眠障害、食欲の変化などが特徴です。これらの症状が2週間以上続く場合、うつ病の可能性が高まります。また、死にたいと思う気持ちは非常に重要なサインであり、早急に専門家の助けを求めるべきです。

うつ病の診断は、精神科医、心療内科医による詳細な問診と評価が必要です。自己判断でうつ病と決めつけるのは避け、専門家の意見を仰ぐことが大切です。特に、死にたいという気持ちがある場合は、すぐに医療機関を受診することが重要です。これは、命に関わる深刻な状況であり、早期の対応が必要だからです。

受診の目安

1. 悲しみや無気力感が2週間以上続く場合

2. 日常生活に支障をきたすほどの集中力の低下や疲労感がある場合

3. 死にたいと思う気持ちがある場合

これらの状況は、うつ病の可能性が高く、早期の治療が必要です。治療には、カウンセリングや薬物療法が含まれ、適切な治療を受けることで症状の改善が期待できます。

まとめ

うつ病の可能性があるため、早急に精神科や心療内科を受診することをお勧めします。特に、死にたいという気持ちがある場合は、すぐに専門家の助けを求めてください。

また受診の際の注意点として、精神科・心療内科を受診する際は、先生との相性も重要ですが、日本精神神経学会の専門医や、精神保健指定医という資格を持った医師をおすすめします(資格がない場合、精神科の経験が浅い医師である可能性があります)。ホームページなどでご確認の上、受診されることをおすすめします。お近くの精神科・心療内科は、こちらから検索できますのでご活用ください。

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職場が近づくと涙が出るのですが、これは抑うつ状態でしょうか?適応障害の再発の可能性はありますか?

職場が近づくと涙が出てしまい、職場にいる間も同じような状態になることがあります。以前はできていた運動も今はできておらず、休みの日は一日中眠って過ごしています。仕事から帰ると何もする気が起きず、風呂にも入らない日が続いています。 昨年11月に適応障害と診断され、3月まで治療を受けました。4月から新しい職場で働き始めましたが、重荷になる仕事を任されるようになり、それが大きなストレスとなっています。

質問者のイラスト

50代 / 女性

ご相談ありがとうございます。お話を伺う限り、現在の状況は非常に辛いものだとお察しします。以下にいくつかのポイントを挙げて、詳しく説明いたします。

症状の気になるポイント

  • 職場が近づくと涙が出る、職場にいる間にも涙が出る。
  • 休みの日は一日中眠っている。
  • 仕事から帰ると何もする気が起きず、風呂にも入らない。
  • これまで出来ていた運動ができていない。

これらの症状は、適応障害とも関連しており、特に「重荷になる仕事を任されるようになった」というきっかけがあることは、一般的に適応障害との関連を疑います。一方で、新しい職場でも同様の症状を繰り返している点からは、うつ病である可能性も否定できない状況だと思われます。

次にするべきことについて

もしかしたらすでに相談されているかもしれませんが、まずはこれまで治療を受けていた医療機関に相談することが重要だと考えます。そこで、適応障害なのか、うつ病なのか、またはその他の精神疾患の可能性があるのかなど、評価を行うことになります。

また、まれに体の病気からうつ病のような症状があらわれるため、受診した際は採血検査などが実施されることもあるのでご留意ください。たとえば、甲状腺機能低下症などホルモンの異常によっても、気持ちが落ち込んだり体のだるさなどが出現します。

治療について

適応障害の場合

主に環境調整や精神療法を中心に行われます。また、症状に応じて薬物療法が行われる場合があります。

  • 環境調整: 休職などによって十分な休息時間を確保します。
  • 精神療法: ストレスに対処する力を身につける手助けをしたり、個々人の状況に応じて行われます。臨床心理師によるカウンセリングを希望される場合、多くは自費診療になりますが、有効な場合があります。
  • 薬物療法: 不眠や不安などの症状に対して薬物療法が行われる場合があります。

うつ病の場合

重症度が一定以上の場合には、抗うつ薬をはじめとした薬物療法を中心とした治療が一般的です。適応障害と同様に、環境調整や精神療法も重要です。

受診する際の注意点

もしまだ受診されていない、もしくは受診先を変えようと考えている場合、精神科・心療内科を選ぶ基準は、先生との相性も重要ですが、日本精神神経学会の専門医や、精神保健指定医という資格を持った医師をおすすめします(資格がない場合、精神科の経験が浅い医師である可能性があります)。ホームページなどでご確認の上、受診されることをおすすめします。

まとめ

まずは一度受診して専門家にご相談されることをおすすめします。精神科・心療内科を選ぶ基準は、先生との相性も重要ですが、日本精神神経学会の専門医や、精神保健指定医という資格を持った医師をおすすめします(資格がない場合、精神科の経験が浅い医師である可能性があります)。お近くの精神科・心療内科は、こちらから検索できますのでご活用ください。

もしこれまでの治療内容(服用していた薬剤などの情報)や、現在の受診の状況がおわかりになりましたら、もう少し詳しい回答ができる可能性があります。ご検討ください。

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上司との関係悪化で無気力・集中力低下・食欲不振に悩んでいます。鬱病の可能性はありますか?

最近、やる気が出なくて困っています。自分自身のことが心配で、もしかしたら鬱病かもしれないと感じています。特に職場の上司との関係が悪化してから、自己否定の気持ちが強くなってしまいました。 以前は好きな音楽を聴くと気分が晴れたのですが、今はそれも効果がありません。集中力が続かず、思考力も低下しているように感じます。また、無気力感が強く、食欲もあまりありません。 このような状態が続いているため、どうすれば良いのかアドバイスをいただけると助かります。

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30代 / 女性

ご相談ありがとうございます。

ご症状について

やる気が出ない、自己否定が強くなっている、好きな音楽を聞いても気が晴れない、集中できない、思考力の低下、無気力感、食欲低下といった症状が続いているとのことですね。これらの症状からは、確かにうつ病の可能性は否定できません。

ただ、職場の上司との関係性悪化のような、はっきりとしたきっかけがある場合は、「適応障害」という病名になる場合があります。うつ病か適応障害かを見分けることは、症状が出現した初期の段階では難しいことが多いです。

いずれの診断であっても、症状が強く仕事や日常生活に支障が生じる場合は、休職などによって十分な休息をとり、症状に対して薬の治療をすることが一般的であり、大きくは変わらないと予想されます。また、最初は適応障害と診断されていても、症状が長引き、のちにうつ病の診断に変更されることもしばしばあります。

そのため、まずは診断にあまりこだわりすぎず、一度受診して専門科にご相談されることをおすすめします。まれに体の病気からうつ病のような症状があらわれるため、受診した際は採血検査などが実施されることもあるのでご留意ください。

以下の状況に当てはまる場合は、可能な限り早めの受診をおすすめします

1. 夜に十分眠れない状態が続いている(特に、朝方早く目が覚めてその後眠れない)

2. 食欲低下によって体重減少している

3. 死んでしまいたい、自分を傷つけたいような気持ちが生じている

4. 友人や家族、同僚から「様子がおかしい」と指摘される

受診先について

うつ病や適応障害が疑われる場合、受診する診療科は精神科・心療内科を推奨します。精神科・心療内科の医療機関を選ぶ基準は、先生との相性も重要ですが、日本精神神経学会の専門医や、精神保健指定医という資格を持った医師をおすすめします(資格がない場合、精神科の経験が浅い医師である可能性があります)。ホームページなどでご確認の上、受診されることをおすすめします。

まとめ

ご相談内容は、うつ病や適応障害と関連があると考えられます。精神科の診断は初期の頃に区別するのは難しい場合があるので、診断にあまりこだわりすぎず、早めに専門科に相談することをおすすめします。お近くの精神科や心療内科は、こちらから検索できますのでご活用ください。受診する際は日本精神神経学会の専門医や、精神保健指定医という資格を持った医師をおすすめします。

回答について不足があれば、またご質問ください。

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自分の症状はうつ病なのでしょうか?高齢ですが、治る可能性や適切な治療法などはありますか?

毎日涙が止まらず、やる気が出ない状態が続いています。虚しさや絶望感、悲しみが渦巻いており、辛い状況です。独り身のため、頼りにできる人がいません。勤務先には体調が悪いことは伝えていますが、心の問題については話していません。そのため、毎週半休や有給、フレックスを使用して何とか過ごしています。 心療内科を受診し、ロラゼパムと睡眠薬を処方されましたが、改善が見られません。会社を休みたい気持ちはありますが、休職すると復帰が難しい風土のため、躊躇しています。昇格も果たしたのに、やる気が出ず、悲しい気持ちしかありません。何かしなければならないのに、頭が回らない状態です。 去年は大量のメール処理ができたのに、今は1通に2時間以上かかってしまいます。頭が真っ白になったり、一つのことをやり切る前に他のことを始めてしまい、全てが終わらない状況です。先延ばしもしてしまいます。 また残業が非常に多く、平日はほぼ毎日深夜にタクシーで帰宅していました。少し前に大きな目標を達成しましたが、結婚を約束していた方と別れ、同時に希望していないポジションへの異動がありました。 これはうつ病なのでしょうか?高齢ですが、治る可能性はあるのでしょうか?適切な治療法は何でしょうか?どのような病院にかかれば良いでしょうか?

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30代 / 女性

ご相談いただきありがとうございます。お話を伺う限り、非常に辛い状況にいらっしゃることが伝わってきます。少しでもお力になれればと思い、質問に回答させていただきます。

うつ病の可能性について

現在の症状や状況は、うつ病として矛盾のない症状であると考えます。やる気が出ない、虚しさや絶望感、悲しみが続く、集中力が低下しているなど、これらはうつ病の典型的な症状です。

一方、過去数ヶ月の間に大きなストレスや変化(長時間労働、プライベートでの困難、部署異動)があったことは、もちろんうつ病の原因にもなり得ますが、どんなに健康な方でもこれほど立て続けにストレスを受けた場合は、なんらかの反応が出ると考えられます(その場合、適応障害などの病名がつく可能性もあります)。現在も忙しく働かれているところかと思いますので、まずは診断はともかく、十分な休息を取ることが先決だと思われます。休職がどうしても難しい場合は、主治医からの診断書によって残業なし、もしくは時短勤務なども会社と相談できる場合があります。是非ご検討ください。

うつ病以外の可能性

また、うつ病以外に、からだの病気によっても同様の症状を引き起こすことがあります。例えば、甲状腺機能低下症(橋本病)などのホルモンの異常でも、うつ病のような症状が出現することがあります。また、鉄欠乏性貧血でも、だるさなどの症状が出現し、精神的な症状と区別がつきづらい場合があります。そのため、精神科や心療内科を受診した際には採血検査などが実施されることもあるのでご留意ください。もしこれまでに調べられていない場合は、主治医とご相談の上で実施を検討するのもよいかもしれません。

治療について

うつ病であると仮定してお話しします。うつ病は適切な治療を受けることで改善することが多い病気なので、

1. 薬物療法:現在、ロラゼパムや睡眠薬を服用されているとのことですが、仮にうつ病であって、一定以上の重症度であれば、抗うつ薬を用いた治療が一般的です。抗うつ薬の適応になるかどうか、主治医と相談してみてもよいかもしれません。

2. 環境や生活習慣の改善:まずは十分な休息を取ることが重要で、そのためにはやはり休職は重要な選択肢の一つです。規則正しい生活、適度な運動、バランスの取れた食事も重要です。

3. 心理療法:認知行動療法(CBT)などの心理療法も効果的な場合があります。専門のカウンセラーや心理士と話すことで、気持ちの整理やストレスの対処法を学ぶことができます。ただし、クリニックの場合は自費診療で治療を提供していることが多く、そもそも治療を提供できる医療機関が限られています。興味がある場合は、まずは専門家が執筆した認知療法・認知行動療法の書籍などを手にとってみるのもよいかもしれません。

通院先について

精神科・心療内科を選ぶ基準として、日本精神神経学会の専門医や、精神保健指定医という資格を持った医師が所属している病院をおすすめします(資格がない場合、精神科の経験が浅い医師である可能性があります)。ホームページなどでご確認の上、受診されることをおすすめします。

まとめ

現在の症状や状況はうつ病とは矛盾しないと考えられます。適切な治療を受けることで改善することが多いので、心療内科や精神科の専門医にきちんと相談することをお勧めします。薬物療法も重要ですが、十分な休息をとることは何よりも重要です。お近くの心療内科や精神科は、こちらから検索できますのでご活用ください。

どうか無理をせず、ご自身の健康を最優先に考えてください。お大事にしてください。

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