アミロイドーシスにはどのような種類がありますか?
アミロイドーシスは、大きく全身性と限局性に分けられます。障害を受ける臓器で分類する場合もあります。
アミロイドーシスは、大きく全身性アミロイドーシスと限局性アミロイドーシスに分けられます。
前者は複数の臓器にアミロイドという繊維状のたんぱく質が沈着する病気で、後者はひとつの臓器のみに沈着する病気です。
全身性アミロイドーシス
全身性アミロイドーシスの症状は、アミロイドが沈着する臓器や組織によって異なります。
主な症状としては、全身の衰弱、心臓の障害(心不全や不整脈)、腎臓の障害(ネフローゼ症候群や腎不全)、胃腸の障害、 末梢神経 や自律神経の障害(手足のしびれ、麻痺、立ちくらみ、排尿の異常、便秘、下痢)などです。加えて、舌、甲状腺、肝臓が腫れることもあります。
全身性アミロイドーシスのタイプ
全身性アミロイドーシスは、さらに細かなタイプに分けられることがあります。以下が代表的なものです。
- 免疫グロブリン性アミロイドーシス(AL/AHアミロイドーシス)
- 野生型トランスサイレチン(ATTRwt)アミロイドーシス
- 遺伝性トランスサイレチン(ATTRv)アミロイドーシス
- AAアミロイドーシス
- 透析(Aβ2M)アミロイドーシス
限局性アミロイドーシス
一方、限局性アミロイドーシスは、脳にアミロイドが沈着するアルツハイマー病、脳アミロイドアンギオパチー、プリオン病などが代表的なものです。アルツハイマー病では物忘れなどの認知機能障害が、脳アミロイドアンギオパチーは脳の血管壁にアミロイドが沈着するため、脳出血などの脳卒中などの症状がみられます。
別の分類方法として、障害を受ける臓器により分ける場合もあります。例えば、心臓が主に障害を受けた場合は「心アミロイドーシス」、腎臓が主に障害を受けた場合は「腎アミロイドーシス」、末梢神経が主に障害を受けた場合は「アミロイドニューロパチー」などと呼ばれます。
公開日:
最終更新日:
亀田総合病院 アレルギー・膠原病内科
小田 修宏 監修
(参考文献)
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