アルツハイマー型認知症

脳にβアミロイドという物質が異常に蓄積することで、正常な神経物質を破壊し脳を萎縮させ、認知機能を低下させる病気です。

原因は不明ですが、脳にβアミロイドというタンパク質が異常に蓄積することが一因です。遺伝性もあると考えられています。

持病の有無などにより異なりますが、発症から死亡までの期間は平均 8～10年とされています。

肺炎や心疾患が多く占めています。原疾患の悪化や筋肉の固縮による嚥下機能の低下が一因です。

身体機能が低下し寝たきり状態となり、筋力低下が起こります。食欲低下、嚥下機能低下が起こり、肺炎、衰弱を起こします。

脳の機能がゆっくりと低下していくので、症状の進み方も比較的ゆっくりです。徐々に身体機能低下を起こします。

認知機能の低下、判断力・遂行力の低下、書き間違いなどの言語機能障害、正しく物を認識できない視空間認知障害などを起こします。

物忘れ、日時の概念の混乱、易怒性（怒りっぽくなる）、意欲や自発性の低下などの初期症状が見られる場合、アルツハイマー型認知症の可能性があります。

解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。

根本的な治療はありません。脳の神経伝達を良くする薬や抗精神病薬、睡眠薬などを使用し、対症療法を行います。

日時、場所、人などが分かりやすい説明や環境づくりをすることや、患者さんに対してはゆっくり話し、話を否定しないことが重要です。

神経内科または精神科を受診してください。物忘れが激しくなったと感じる時は、まずはかかりつけ医に相談してください。

主に抗認知症薬（症状改善薬）を使用します。重篤な副作用はないとされていますが、徐脈（脈拍がゆっくりになること）や、吐き気などの消化器症状が報告されています。

薬以外の治療で病気の進行を抑えることは難しいですが、非薬物療法により気分の落ち込みや不眠症状などの改善、また、介護者の負担軽減に対して効果がある可能性があります。

重大な副作用として、けいれん、失神・意識消失や精神症状などが、頻度の高い副作用として、めまい、頭痛、便秘などが挙げられます。

「中等度から高度のアルツハイマー型認知症の認知症症状の進行」を抑制する効果があります。

主な副作用として、食欲不振、吐き気、嘔吐、下痢などの消化器症状が報告されています。

自己判断で薬を飲むのをやめると、症状が悪化することがありますので、医師の指示どおりに飲み続けてください。

アルツハイマー型認知症およびレビー小体型認知症の患者さんの症状の進行を遅らせる効果があります。

「ドネペジル」は薬に含まれる有効成分の名前で、「アリセプトⓇ」は薬の販売名のことです。

アルツハイマー病による認知症の前段階や、軽度の認知症において進行を抑制する効果があります。

初期には、頭痛・寒気・発熱・吐き気などが現れることがあります。使い始めて数ヶ月以内に、脳の腫れや少量の出血が生じることがあります。

どちらも抗アミロイドβ抗体という点では同じですが、どのアミロイドβに結合するかが異なり、それにより治療効果や副作用に違いがあります。

アミロイドβ（脳内で蓄積してアルツハイマー型認知症の原因となるタンパク質）に結合して取り除くことで、病気の進行を遅らせます。