
認知症が進むと、最後はどうなるのですか?
認知症が進行すると、自分で食事を取ったり、動いたり、会話をすることが難しくなります。
認知症が進行し終末期(重度)に近づくと、自分で食事を取ったり、動いたり、会話をすることが難しくなります。また、食事の飲み込みが悪くなることで、誤嚥性肺炎や窒息となることが多く、死因につながることもあります。進行の速さや現れる症状には個人差があるため、以下では一般的な経過を紹介します。
認知症が進行した終末期にみられる変化
認知症が重度まで進行すると、記憶や判断力の低下だけでなく、体の機能全体が徐々に衰えていきます。代表的な変化は次のとおりです。
- 食事や水分をうまく飲み込めなくなる(摂食嚥下障害)
- 言葉でのやり取りが難しくなる(意思疎通の困難化)
- 自力での歩行や座位保持が難しくなり、寝たきりの状態に近づく
これらの変化は同時にではなく、段階的に進んでいくことが多いとされています。
認知症の終末期における嚥下障害と誤嚥性肺炎
海外で行われた進行認知症患者さんを対象とする追跡研究では、摂食嚥下障害が18ヶ月の追跡期間中に85.8%の患者さんにみられ、そのうち6ヶ月以内に38.6%が亡くなったと報告されています。また、肺炎は41.1%に発生し、6ヶ月以内の死亡率は46.7%にのぼったとされています(Mitchell SL, et al. N Engl J Med. 2009)。嚥下機能の低下は、進行した認知症の終末期を特徴づける合併症のひとつと考えられています。
認知症の進行スピードと個人差
嚥下障害が現れる時期や進み方は、認知症の病型によって異なるとされています。血管性認知症では誤嚥が増えやすく、アルツハイマー型は比較的後期になって口から食べることが難しくなり、レビー小体型は早い段階から嚥下の反射が低下しやすいといった違いが報告されています(公益財団法人長寿科学振興財団「健康長寿ネット」)。いずれの病型でも、進行にともない肺炎や低栄養を繰り返しながら終末期を迎えることが多いとされています。
認知症の終末期にどう備えるか
進行のスピードや症状の現れ方には個人差が大きく、詳細な見通しを一律に示すことは難しいとされています。食事の様子や体調の変化に早めに気づけるよう、日頃から本人の様子を観察しておくことが大切です。気になる変化がみられたときは、本人・ご家族だけで抱え込まず、医療機関への相談をご検討ください。
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(参考文献)
Mitchell SL, Teno JM, Kiely DK, et al. The clinical course of advanced dementia. N Engl J Med. 2009;361(16):1529-1538.
公益財団法人長寿科学振興財団「健康長寿ネット」病態時間軸で考える高齢者誤嚥性肺炎・摂食嚥下障害予防戦略. https://www.tyojyu.or.jp/net/topics/tokushu/koreisha-kokyukishikkan/byotaijikanjiku-koreishagoenseihaien-sesshokuengeshogaiyobo.html.(参照 2026-09-18).
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文京小石川クリニック 脳神経内科、 東京女子医科大学附属病院 東洋医学研究所クリニック 脳神経内科
越智 佳奈 監修

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