ウィルソン病は治る病気ですか？
適切な治療を継続することで症状をコントロールでき、通常の日常生活が可能となる病気です。
ウィルソン病の治療の目的は、体内に蓄積した過剰な銅を除去し、蓄積を防ぐことになります。
生まれ持った遺伝子の変異そのものを治すことは出来ないため、治療は一生涯継続する必要があります。薬を生涯にわたり適切に服用すれば、通常の日常生活・社会生活が可能となり、寿命も一般の人と変わりません。
病型や病状によっても治療薬の選択は異なりますが、
- 銅と結合して尿中に排出を促進してくれるキレート剤のペニシラミン
- トリエンチンや銅の吸収を阻害する亜鉛剤
などが用いられます。
劇症肝炎、肝不全、重度の肝硬変では肝移植が行われます。肝移植後はウィルソン病の治療は不要になります。
公開日：
最終更新日：
宮城県立こども病院 小児科
谷河 翠 監修
(参考文献)
Stremmel W, Merle U, Weiskirchen R. Clinical features of Wilson disease. Ann Transl Med. 2019 Apr;7(Suppl 2):S61.
European Association for Study of Liver. EASL Clinical Practice Guidelines: Wilson's disease. J Hepatol. 2012 Mar;56(3):671-85.
新生児スクリーニング対象疾患等の先天代謝異常症の成人期にいたる診療体制構築と提供に関する研究班.“ウィルソン病（指定難病１７１）”.難病情報センター.https://www.nanbyou.or.jp/entry/4543,(参照 2024-06-14).
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