脊髄性筋萎縮症(sma)とはどのような病気ですか?
脊髄の細胞に異常が起こり、太ももや肩を中心に筋力低下や筋萎縮が起こる病気です。
脊髄にある細胞のうち、運動の指令を伝える役目を担う前角細胞に異常が起こり、全身の運動障害を起こす病気です。症状の重さにより、Ⅰ型(重症型)、Ⅱ型(中間型)、Ⅲ型(軽症型)に分けられます。
Ⅰ型(重症型)
生まれる前から生後6ヶ月以内に運動機能が低下してきて、ミルクが吸えない、飲み込めない、誤嚥(ごえん:飲み込んだものが気道に入ってしまうこと)、呼吸ができないといった状態になります。
Ⅱ型(中間型)
1歳6ヶ月までに症状が明らかとなり、支えなしで立ったり歩いたりできないなどの特徴がみられます。
Ⅲ型(軽症型)
1歳6ヶ月から思春期までの間に発症するものを指し、一人で立ち上がれない、うまく歩けない、手や足などに力が入らないなどの症状が出ます。
なお、成人期に発症するものをⅣ型とすることもあります。特に太ももや肩など、体幹部に近い方の筋肉(近位筋)が筋力低下、萎縮しやすいと言われています。
公開日:
最終更新日:
新百合ヶ丘総合病院 脳神経内科
武井 悠香子 監修
(参考文献)
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脊髄性筋萎縮症の原因は何がありますか?
SMNという遺伝子が原因と考えられており、遺伝性の病気です。ただし、この遺伝子以外の原因もあると考えられています。
脊髄性筋萎縮症ではどのような症状がありますか?
全身の筋力低下、筋萎縮が起こります。
脊髄性筋萎縮症には初期症状はありますか?
症状の重さにより、異なる初期症状がみられます。
脊髄性筋萎縮症の場合、主にどのような治療をしますか?
発症の原因となるSMNタンパクの減少に効果のある薬を使います。対症療法を行うこともあります。
脊髄性筋萎縮症が疑われる場合、何科を受診したらよいですか?
小児科、脳神経内科などを受診しましょう。
脊髄性筋萎縮症のセルフチェックはできますか?
解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。
脊髄性筋萎縮症は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?
ヌシネルセンナトリウム、オナセムノゲンアベパルボベク、リスジプラムという薬で治療します。
脊髄性筋萎縮症で薬が効かない場合、どうしたらよいですか?
リハビリテーション、呼吸管理、咀嚼、飲み込む際の補助、経管栄養(管を通して栄養を摂取する方法)といった対症療法を行います。
脊髄性筋萎縮症の場合、日常生活で気を付けることはありますか?
床にものを置かない、自宅に手すりを付ける、段差をなくすなど、足が引っ掛からないような工夫をしましょう。
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