「短指症」とはどのような病気ですか？

【短指症とは】

短指症（Brachydactyly）は、手や足の指（手足の指骨）や、手のひら・足の甲にある骨（中手骨・中足骨）が、生まれつき短くなったり、変形したり、欠損したりする病気です。これはギリシャ語で「短い指」を意味する言葉に由来します。

【分類と遺伝】

短指症は、どの骨が、どのような短縮パターンを示すかによって、A型からE型までの主要なグループに分類されています。

• 短指症の多くは、その症状だけがみられる「孤発性」で、遺伝の仕組みとしては「常染色体優性遺伝」で親から子へ伝わることが多いです。
• また、他の病気や症状を伴う「症候群」の一部として現れることもあります。

【原因の多くはBMP経路の異常】

短指症の原因として、指や関節が作られる過程で中心的な役割を果たす「BMP経路」（骨形成タンパク質経路）という、分子レベルの信号伝達の仕組みがうまく働かなくなることが挙げられます。

【診断と治療】

診断は、臨床的な診察に加え、X線（レントゲン）撮影によって、どの骨が影響を受けているかを詳しく調べることで行われます。

• 現時点で、短指症のすべてのタイプに適用できる特効薬や治療法は確立されていません。
• 手の機能に問題がある場合や、見た目を改善したいという理由で、形成外科手術が適用されることがあります。