色覚異常(色盲)は遺伝するものなのですか?
はい、色覚異常(色盲)は遺伝することがあります。
はい、色覚異常(色盲)は遺伝することがあります。特に赤と緑の区別がつきにくくなる「赤緑色覚異常」は、X染色体に存在する遺伝子の異常によって起こります。このため、X連鎖劣性遺伝の形式をとります。
人間は通常、男性がXY、女性がXXという性染色体を持っています。色覚異常の原因となる遺伝子はX染色体上にあるため、男性はX染色体を1本しか持たないことから、その遺伝子に異常があると色覚異常を発症します。一方、女性はX染色体を2本持っているため、片方に異常があってももう一方が正常であれば発症せず、「保因者」となることが多いです。このため、色覚異常は男性に多く、女性には少ないという特徴があります。
また、青と黄の区別がつきにくい「青黄色覚異常」や、非常にまれな「全色盲」は、X染色体とは関係のない別の遺伝形式を示すことがあります。さらに、遺伝によらず、網膜や視神経の病気、外傷、薬剤などによって後天的に色覚異常が起こる場合もあります。
このように、色覚異常の多くは遺伝によるものですが、遺伝しない後天的なケースも存在するため、見え方に変化を感じた場合は眼科での検査が推奨されます。
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(参考文献)
安間哲史.色覚異常といわれたら.公益社団法人 日本眼科医会,https://www.gankaikai.or.jp/health/50/(参照 2025-12-24)
日本眼科学会.症状|日本眼科学会による病気の解説.日本眼科学会,https://www.nichigan.or.jp/public/disease/symptoms.html?catid=84(参照 2025-12-24)
北原健二.冊子「色覚異常を正しく理解するために」.公益社団法人 日本眼科医会,https://www.gankaikai.or.jp/colorvision/detail/post_9.html(参照 2025-12-24)
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東北大学病院 眼科
山口 知暁 監修
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