色覚障害ではどのように見えますか？

色覚障害では、特定の色の見え方が正常とは異なり、色の区別がつきにくくなります。

最も多いのは赤緑色覚異常で、赤や緑の区別がしにくくなります。例えば、赤い花や信号の赤が茶色っぽく見えたり、緑の葉が灰色や黄色がかった色に見えたりします。赤と緑の区別が難しいため、地図やグラフなどで赤と緑の配色が使われている場合に混乱しやすくなります。

次に、青黄色覚異常では、青と黄色の区別が難しくなり、青が緑がかって見えたり、黄色が灰色やピンクがかった色に見えることがあります。このタイプは比較的まれです。

また、極めてまれな全色盲（全色覚異常）の場合は、色を感じ取る錐体細胞がすべて機能していないため、世界がモノクロや灰色の濃淡として見えます。この場合、強い光をまぶしく感じる（羞明）ことや、視力の低下を伴うこともあります。

このように、色覚障害では「色が見えない」というよりも、「色の感じ方や区別の仕方が異なる」状態であり、本人の見え方は多くの場合、本人にとっては自然に感じられるため、自覚しにくいこともあります。