片目が見えない原因や考えられる病気には何がありますか？

「片目が見えない」という症状は、片方の目の視力が急に、または徐々に失われる状態を指します。

若い人に見られる視神経炎では、突然の視力低下と目の奥の痛みを伴うことがあり、多発性硬化症などの神経疾患と関連することもあります。一方、中高年に多い虚血性視神経症では、血流障害によって視神経がダメージを受け、急激に片目の視力が落ちることがあります。

また、網膜剥離は「カーテンがかかったように見えなくなる」症状で視野異常を引き起こし、放置すれば失明につながる恐れがあります。網膜の血管が詰まる病気も突然の視力障害の原因となります。糖尿病などの持病がある人は、硝子体出血によって視界が真っ暗になることもあります。

さらに、目の病気ではなく、脳の血流障害が起こった場合でも、視野障害が起きることがあります。この場合、実際には両目の一部が見えなくなるのですが、本人には「片目が見えない」と感じられることもあります。

このように、片目が見えないという症状は一見単純に思えても、重大な疾患の兆候である可能性があります。特に、急激な視力の低下や、痛み、視野の欠損を伴う場合には、できるだけ早く医療機関を受診することが重要です。適切な診断と迅速な治療によって、視力の回復や進行の予防が可能なケースも少なくありません。