指しゃぶりは愛情不足が原因で起こりますか？

親の愛情不足や養育環境の問題が、指しゃぶりの直接の原因となるわけではありません。

指しゃぶりは、乳幼児に非常によく見られる自然な行動で、安心感を得たり、自分で気持ちを落ち着けたりするための自己慰安行動です。多くの子どもは生後数ヶ月から指しゃぶりを始め、成長とともに自然にやめることがほとんどです。

眠る前や不安なとき、退屈なときに行うことが多く、環境変化（引っ越し、兄弟の新しい誕生、学校の開始など）によって、不安感やストレスが高まっているときなど、子どもが感情的な安心感をさらに求める状況でも発生することがあります。これらは、心理的な安心を求める正常な発達過程の一部です。

まれに、強い不安や環境の変化に敏感な子どもで、指しゃぶりが増えることがありますが、これも愛情不足のせいではなく、気持ちを自己調整するための行動です。無理にやめさせると逆にストレスになることがあるため、家庭では安心感を与えつつ見守ることが推奨されます。

指しゃぶりは、子どもの発達に伴う自然な習慣です。子どもが安心感を求めているサインである場合もありますが、必ずしも養育者からの愛情不足を示すものではありません。長時間続く場合には、歯並びや口腔への影響があるほか、根底に情緒不安定やストレスへの対処の難しさがあることを示している場合があるため、適切な時期に歯科や小児科で相談すると安心です。