突発性発疹とはしかの違いを教えてください。
原因ウイルス、症状の経過、重症度、感染力、予防法などが大きく異なります。
突発性発疹と麻疹(はしか)は原因ウイルス、症状の経過、重症度、感染力、予防法などが大きく異なります。
突発性発疹はヒトヘルペスウイルス6型、または7型によって引き起こされ、多くは生後6か月~1歳半頃の乳幼児が初めてかかる病気です。特徴は、数日間の高熱の後に熱が下がり、全身に淡い赤い発疹が現れることです。
発疹はかゆみが少なく、数日で自然に消えます。基本的に軽症で自然に回復するため、特別な治療は必要ありません。
麻疹は麻疹ウイルスによる感染症で非常に感染力が強く、重症化のリスクが高い病気です。潜伏期間は10~12日程度で、発症初期には風邪のような症状(発熱、鼻水、咳)と目の充血や結膜炎が現れます。
その後、一度熱が下がったようにみえて再び高熱が出て、耳の後ろから顔、体へと広がる特徴的な発疹が出現します。
この「二峰性の熱」が麻疹の特徴のひとつです。合併症として肺炎や脳炎を起こすこともあり、致命的になる可能性もあります。
また、突発性発疹にはワクチンがありませんが、麻疹はワクチンで予防が可能です。感染症としての社会的なインパクトも麻疹の方が大きいため、ワクチン接種が非常に重要とされています。
両者は、どちらも発疹と発熱を伴うウイルス感染症という点は共通していますが、その性質や対処法は大きく異なります。正確な診断のためには医師の診察を受けることが大切です。
宮城県立こども病院 小児科
谷河 翠 監修
(参考文献)
J.Cherry, S.L.Kaplan, G.J.Demmler-Harrison, et al. Feigin & Cherry's Textbook of Pediatric Infectious Diseases, 59, 559-561.e2, 9th ed., in 2 vols. 2025, ELSEVIER.
国立感染症研究所感染症情報センター.突発性発疹.国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト,https://id-info.jihs.go.jp/diseases/ta/roseola/010/exanthem-subitum.html(参照 2025-05-26)
麻しん.国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト,https://id-info.jihs.go.jp/diseases/ma/measles/010/index.html(参照 2025-05-26)
J.Cherry, S.L.Kaplan, G.J.Demmler-Harrison, et al. Feigin & Cherry's Textbook of Pediatric Infectious Diseases,180, 1754-1770.e8., 9th ed., in 2 vols. 2025, ELSEVIER.
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