突発性発疹
監修医師阿部 吉倫内科
- 更新日
- 2023/01/25
- 公開日
- 2020/09/03
突発性発疹とは
3日ほどの発熱後に全身に発疹が現れる病気です。治療法はないので、様子を見て構いません。3ヶ月以下の乳児の場合は病院を受診して下さい。ウイルスが原因ですが、感染力は弱いです。高熱による熱性けいれんが現れる場合がありますが、命に別状はありません。解熱後24時間経てば外出可能です。
「突発性発疹」とはどのような病気ですか?
生後6ヶ月~2歳くらいの子どもに多くみられる感染症です。突然熱が出て、解熱すると発疹が出ます。
突発性発疹は、生後6ヶ月~2歳くらいの子どもに多くみられる感染症です。主にヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)や7型(HHV-7)に感染して発症します。
突然38〜39℃の高熱が出て3~4日程度続き、熱が下がると特徴的な赤い発疹が体幹~顔、腕や脚に現れます。
通常は自然に治るので対症療法を行いますが、高熱のために熱性けいれんを起こす可能性があるため注意しましょう。
感染力が低いため特に流行することはなく、大人の唾液を介して感染すると考えられています。また、感染した子どもでも症状が軽く、気づかれずに終わることもあります。
突発性発疹の症状
突発性発疹の症状に目やにはありますか?
突発性発疹の症状として、目やにがみられることはまれです。
突発性発疹の主な症状は発熱と発疹です。そのほかに突発性発疹にかかったときにみられる症状として、下痢、眼瞼浮腫(まぶたのむくみ)、大泉門(頭部の骨のつなぎ目にみられる柔らかい部分)の膨隆、またリンパ節の腫れがみられます。このようにさまざまな症状を伴いますが、一般的に突発性発疹にかかっていることが、目やにの直接的な原因となることはまれです。
もし、目やにがたくさん出たり、結膜充血(目の白い部分が赤くなっている)がある場合は、突発性発疹ではない可能性を考えたほうがよいでしょう。
突発性発疹の症状に嘔吐はありますか?
突発性発疹で多くみられる症状ではありませんが、嘔吐することはあります。
突発性発疹の多くは、発熱と発疹が主たる症状です。しかし、同時に下痢、眼瞼浮腫(まぶたのむくみ)、大泉門(頭部の骨の繋ぎ目にみられる柔らかい部分)の膨隆、リンパ節の腫れに加えて嘔吐することもあります。
嘔吐する理由は、下痢を伴う場合は胃腸症状としての嘔吐が考えられますが、意識が悪い、非常に機嫌が悪いなどの場合は、急性脳症など、重篤な合併症の可能性もあります。嘔吐したときは、吐いたものの性状や本人の様子をしっかりと観察しておくとよいでしょう。
突発性発疹の症状に鼻水や咳はありますか?
あまり一般的ではありませんが、鼻水や咳が出ることもあります。
鼻水や咳は、突発性発疹の症状として典型的ではありませんが、みられることもあります。
突発性発疹は、ヒトヘルペスウイルス6型、または7型による感染症で、主に6か月から1歳半頃の子どもにみられます。この病気の特徴的な症状は、3日前後続く突然の高熱と、解熱後に全身に現れる発疹です。
咽頭炎症状(喉の痛みや赤み)や、首周りのリンパ節の腫れもしばしばみられます。また、年長児では、頭痛や腹痛を訴えることもあります。
その他にみられる突発性発疹症の症状として、以下のものが報告されています。
- 口の中の上あごの粘膜(口蓋)に小さな赤い斑点が出る(65%)
- 咳(62%)
- 鼻漏(61%)
- 下痢(24〜68%)
- まぶたのむくみ(30%)
- 赤ちゃんの頭のてっぺんのやわらかい部分(大泉門)が膨らむ(26%)
- まぶたの裏側の粘膜が赤く腫れたり、目やにが増える(25%)
- 嘔吐(21%)
- 急性中耳炎、鼓膜の発赤(8%)
鼻水や咳が、突発性発疹でみられることはありますが、突発性発疹の典型的な症状ではなく、あったとしても軽微です。
上気道症状(鼻水、咳、喉の痛みなど)が目立つ場合には、他のウイルス性の感染症の可能性も考えられます。
また、突発性発疹症は解熱後に発疹が出て初めて診断がつく場合も多く、発熱中は他の風邪と見分けがつかないこともあります。気になる症状がある場合には、小児科を受診しましょう。
参考文献
Y Asano et al. Clinical features of infants with primary human herpesvirus 6 infection (exanthem subitum, roseola infantum). Pediatrics. 1994, 93, 104-8..
Renata Artimos de Oliveira Vianna et al. Role of human herpesvirus 6 infection in young Brazilian children with rash illnesses. Pediatr Infect Dis J . 2008, 27, 533-7.
突発性発疹の症状が顔や目の周りだけに出ることはありますか?
突発性発疹は顔にも出ますが、顔や目の周りだけに出るのはまれです。
突発性発疹の発疹が顔に出ることはありますが、顔や目の周りだけに出ることはまれです。
突発性発疹は、生後6ヵ月から1歳半頃の乳児に多くみられるウイルス感染症で、ヒトヘルペスウイルス6型、または7型が原因です。
主な特徴は、高熱が3~5日続いたあと、熱が下がると同時に発疹が出るのが特徴です。発疹は赤くて小さな斑点状(平たく、あまり盛り上がっていない)で、胸や背中、お腹を中心に広がり、次第に顔や手足にも出てくるのが一般的な経過です。
「顔や目の周りだけに発疹が出る」というケースは、突発性発疹ではあまりみられません。突発性発疹の発疹は、広範囲に出ることが多く、顔だけ、特に目の周りだけに限局する場合は、別の原因の皮膚症状の可能性があります。
例えば、以下のようなものが考えられます。
突発性発疹の場合、発疹自体はかゆみが少なく、2~3日で自然に消えていきます。顔や目の周りにのみ、明らかな赤みや発疹があり、かゆみ、腫れ、水ぶくれ、目の充血などを伴うようであれば、他の病気や皮膚のトラブルが疑われます。
ご家庭で判断が難しいときは、小児科や皮膚科で診てもらうことをおすすめします。正確な診断には、全身の状態や熱の経過、発疹の広がり方などを総合的に確認することが必要です。
参考文献
J.Cherry, S.L.Kaplan, G.J.Demmler-Harrison, et al. Feigin & Cherry's Textbook of Pediatric Infectious Diseases, 59, 559-561.e2, 9th ed., in 2 vols. 2025, ELSEVIER.
国立感染症研究所感染症情報センター.突発性発疹.国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト,https://id-info.jihs.go.jp/diseases/ta/roseola/010/exanthem-subitum.html(参照 2025-05-26)
突発性発疹には初期症状はありますか?
突然の高熱です。
突発性発疹の初期症状は、主に突然の高熱です。一般的に38℃以上の発熱が見られ、39℃程度まで上昇することもあります。
この高熱は3~5日程度続き、体温が高い状態が続く「稽留熱」と呼ばれる状態を維持するのが特徴です。
そのほか、発熱している期間に、頸や腋のリンパ節腫大、吐き気、下痢、頭にある大泉門と呼ばれる頭蓋骨の隙間の膨らみ、まぶたや結膜のむくみなどが起こることがあります。
このような高熱が続いたあとに、特徴的な赤い発疹が現れて、突発性発疹と診断されます。
突発性発疹ではどのような症状がありますか?画像やイラストで教えてください。
最初に高熱が数日続き、解熱したあとに発疹が現れる、といった流れをたどります。
突発性発疹の主な症状として、以下のようなものが挙げられます。最初に高熱が数日続き、解熱した後に発疹が現れる、といった流れをたどります。
参考文献
公益社団法人日本皮膚科学会.子供のウィルス感染症 Q15 - 皮膚科Q&A(公益社団法人日本皮膚科学会).日本皮膚科学会,https://www.dermatol.or.jp/qa/qa40/q15.html(参照 2025-01-28)
https://www.dermatol.or.jp/qa/qa40/q15.html
子どもの病気.丹々会,https://tantankai.com/Disease.php?id=15(参照 2025-01-28)
https://tantankai.com/Disease.php?id=15
突発性発疹の原因
突発性発疹の原因は何がありますか?
主な原因は、ヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)と7型(HHV-7)です。
突発性発疹の主な原因は、ヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)と7型(HHV-7)です。
乳幼児期に初めて感染することが多く、特にHHV-6は生後6ヶ月~2歳くらいで初感染し、成人までにほとんどの人が感染します。潜伏期間は約1〜2週間で、突然高熱が数日続き、解熱とともに特徴的な赤い発疹が現れる病気です。
HHV-6にはA型とB型があり、B型が突発性発疹の主な原因だとされています。HHV-7は1歳以降に感染することが多く、HHV-6よりもやや遅い時期です。
感染したあとも体内に残り続け、治ったあとでも免疫力が低下すると再び活性化し、症状が現れる場合があります。
突発性発疹の検査・診断
突発性発疹のセルフチェックはできますか?
解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。
以下の症状に当てはまる場合、突発性発疹の可能性があります。
- 生後6ヶ月~2歳頃の乳幼児である
- 突然高熱が出る:いきなり38~39度の高熱が出る
- 高熱が続く:熱が3日以上続く
- 発疹の出現:熱が下がった後に赤い発疹が全身に広がる
- 元気さ:高熱にもかかわらず、子どもが比較的元気
- 風邪のような症状:下痢や咳などの風邪のような症状がある
また、症状検索エンジン「ユビー」で質問に沿って回答を進めるだけで、突発性発疹かどうかのセルフチェックができます。ぜひご活用ください。
突発性発疹で抗原検査を行うことはありますか?
通常はありません。
通常、抗原検査は行われません。突発性発疹は、臨床経過や診察で診断できるため、診断を目的とした検査は行わないのが一般的です。どうしても確定診断が必要な状況とされた場合は検査することはありますが、現時点では健康保険適応ではありません。
具体的には、突発性発疹の原因となるヒトヘルペスウイルス6型、または7型の遺伝子をPCR法で検査したり、検体からウイルスを抽出して培養・分離したり、血液検査でヒトヘルペスウイルスに対する抗体測定が行われる、などの方法があります。
突発性発疹の検査でわかることはなんですか?
主に原因となるウイルスの種類と感染の有無がわかります。
突発性発疹の検査では、主に原因となるウイルスの種類と感染の有無がわかります。突発性発疹の原因はヒトヘルペスウイルス6型や7型で、これらのウイルスを特定するために、血液中のウイルス分離やPCR法による、DNAの検出や抗体検査が行われることがあります。
また、血液検査では白血球やリンパ球の変動が見られ、ウイルス感染の一般的な経過や体内の炎症の程度を調べられますが、確定診断はできません。
ただし、これらの検査は専門的であまり一般的ではなく、保険適用外になることが多いです。通常は発熱と特徴的な発疹の症状から診断され、対症療法が行われます。
突発性発疹の場合、血液検査の数値はどうなりますか?
初期に白血球数と好中球数がやや増加し、発疹が現れる頃にはリンパ球が相対的に増加傾向となります。
突発性発疹における血液検査の数値では、病気の初期段階で白血球数と好中球数が、やや増加する傾向がありますが、発疹が現れる頃(発熱後3日目以降)には白血球数が低下し、リンパ球が相対的に増加する所見が一般的です。
また、炎症の指標となるCRPも通常は正常範囲内か、軽度の上昇にとどまることが多いとされ、細菌感染とは異なります。
これらの血液検査だけでは、確定診断できませんが、突発性発疹は基本的に検査不要で、症状の経過と診察によって診断される場合がほとんどです。
突発性発疹はどのような検査を行いますか?
典型的な経過を辿る場合、検査を行う必要はありません。
突発性発疹は、高熱が続いたあとに全身に広がる発疹を認めれば、臨床経過から診断することができます。臨床経過や身体診察で診断が可能ですので、通常は診断を目的に検査が必要となることはありません。
ただ、もしどうしても確定診断が必要な状況であれば、突発性発疹の原因となりうるヒトヘルペスウイルス遺伝子を、PCR法による検査、検体からウイルスを抽出して培養するウイルス分離法、また、血液検査によりヒトヘルペスウイルスに対する抗体測定が行われます。
大人の突発性発疹とヘルペスの見分け方を教えてください。
突発性発疹は体から顔、手足に発疹が広がりますが、ヘルペスは口周りに痛みを伴う小さな水疱ができます。
突発性発疹の原因となるウイルスも、ヘルペス(単純ヘルペス)を起こすウイルスも、同じヘルペスウイルス科に分類されるウイルスですが、発疹の出る部位や症状に違いがあります。
まず、突発性発疹は、少し盛り上がった痛みのない発疹が、全身に広がります。それに対し、単純ヘルペスでは主に口周りや唇、口の中に痛みを伴う水疱(水を含む小さな盛り上がり)がみられます。
このように発疹の広がりと症状に違いがありますので、比較的容易に見分けることができるでしょう。
突発性発疹と手足口病の違いや見分け方を教えてください。
原因ウイルスが異なり、突発性発疹は解熱後に全身に発疹、手足口病は発熱と同時に口や手足に水疱が出ます。
突発性発疹と手足口病は、発疹の出る部位やタイミング、見た目で見分けられます。
突発性発疹は生後6か月~1歳半頃の赤ちゃんに多くみられ、初めての高熱の原因として多くの赤ちゃんが経験する病気です。
多くはヒトヘルペスウイルス6型、または7型が原因で、突然の高熱が3~5日続いたあと、解熱とほぼ同時に全身に細かい赤い発疹が出現します。発疹はお腹や背中、顔などに広がりますが、かゆみや痛みはあまりなく数日で消えます。
手足口病は、コクサッキーウイルスやエンテロウイルスなどが原因で、夏場を中心に、1歳~5歳くらいの子どもによくみられる病気です。
突発性発疹ほど高熱が続くことは少なく、発熱とほぼ同時期に、口の中(特に口蓋・頬・舌)に小さな水疱や潰瘍ができ、手のひらや足の裏にも発疹や水疱が現れます。
見分けるポイントは、以下の通りです。
①発疹の場所と種類
- 突発性発疹:胴体を中心に、赤く平たい発疹
- 手足口病:手のひら、足の裏、口の中に、透明~白っぽい水ぶくれ
②発熱と発疹のタイミング
- 突発性発疹:数日の高熱後、解熱とほぼ同時に発疹が出現
- 手足口病:発熱とほぼ同時に発疹が出現
突発性発疹と手足口病は、どちらも乳幼児によくみられるウイルス感染症で、一般的には軽症で自然に回復しますが、まれに重症化したり、重篤な合併症を引き起こすことがあります。症状が強い・長引くなどの場合は、小児科を受診しましょう。
参考文献
J.Cherry, S.L.Kaplan, G.J.Demmler-Harrison, et al. Feigin & Cherry's Textbook of Pediatric Infectious Diseases, 59, 559-561.e2, 9th ed., in 2 vols. 2025, ELSEVIER.
国立感染症研究所感染症情報センター.突発性発疹.国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト,https://id-info.jihs.go.jp/diseases/ta/roseola/010/exanthem-subitum.html(参照 2025-05-26)
国立感染症研究所感染症疫学センター.手足口病.国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト,https://id-info.jihs.go.jp/diseases/ta/hfmd/010/hfmd.html(参照 2025-05-26)
突発性発疹の治療・対処法
突発性発疹への対処法は?
解熱剤などで対応します。発熱でぐったりしたり、水分がとれなかったりする場合は受診を検討してください。解熱していれば、登園や登校は可能です。なお解熱した後に出る発疹についても、特別な薬は必要ありません。
突発性発疹が治るまでの経過を教えてください。
高熱が3日間ほど続き、解熱とともに鮮紅色の発疹が体幹を中心に顔や手足に出現し、数日で治癒します。
突発性発疹の典型的な経過は、まず38度以上の発熱が3日間ほど続いたあと、解熱するとともに鮮紅色の斑丘疹が胸、腹部、また背中を中心に顔面や手足に出現します。この発疹は、通常痛みや痒みなどの症状はなく、数日間は続きます。
なお、突発性発疹にかかったお子さんのなかに、下痢、眼瞼浮腫(まぶたのむくみ)、大泉門(頭部の骨の繋ぎ目にみられる柔らかい部分)の膨隆、リンパ節の腫れなどを伴うこともありますが、多くは発熱と発疹のみで治癒します。
突発性発疹の場合、主にどのような治療をしますか?
特別な治療薬はなく、対症療法を行います。
突発性発疹に対する特別な治療薬はなく、対症療法を行います。予防接種などもありません。
一般的には重大な病気ではなく、自然回復します。家庭で安静にし、水分補給を行いましょう。高熱が出ていても、元気があれば解熱剤を使用せずに様子をみましょう。
発疹や熱によって不快感が強い場合は、適切な対処を行いますが、多くの場合は特別な治療を必要としません。
熱が高いときに、熱性けいれんや脳炎が起こる可能性があるため、症状の経過には注意してください。
受診の目安・何科を受診するべきか
突発性発疹が疑われたら、受診すべきでしょうか?
基本的には、受診せずに様子をみて大丈夫です。
突発性発疹は、一般的に3~5日程度で自然に治ります。家庭で安静にして十分に水分補給ができれば問題なく、特に受診も必要ありません。
しかし、以下のような状態が起こったときは、速やかに受診しましょう。
- けいれん
- 脱水症状(おしっこの量が減る、唇が乾燥するなど)
- ずっと寝ているなど、意識の変化
- 5日以上続く高熱
また、保護者の不安が強い場合も受診して大丈夫です。医師に相談することで適切な対処法を直接知るだけでなく、安心感も得られるでしょう。
突発性発疹が疑われる場合、病院を受診する目安はありますか?
基本的に経過観察で大丈夫ですが、様子がおかしいと思ったら受診しましょう。
突発性発疹は、基本的には自然に回復します。特別な治療法がないため、受診した場合は対症療法が行われます。家庭で安静にし、水分補給をしっかり行うのが大事です。
しかし、以下の症状が現れた場合は、早めに受診しましょう。
- 高熱が続く場合:熱が3日以上続き、食欲や元気がない場合
- けいれん:熱性けいれんや脳炎、脳症の症状としてけいれんを起こすことがあります。この場合はすぐに医療機関を受診しましょう
- 脱水症状:水分摂取ができず、おしっこの量が減る、口が乾いている、といった場合も医療機関を受診しましょう
突発性発疹が疑われる場合、何科を受診したらよいですか?
小児科を受診しましょう。
突発性発疹が疑われる場合は、小児科を受診しましょう。突発性発疹は生後6ヶ月~2歳ごろに多くみられます。
突然38~39度の高熱が出て3~4日程度続き、熱が下がると全身に赤い発疹が現れるのが特徴ですが、風邪と似たような症状となることがあり、診断が難しい場合もあります。
突発性発疹に特別な治療薬はないため、必要に応じて対症療法が提案されます。通常は自然に回復しますが、熱性けいれん、脳炎・脳症、肝炎などを合併することがあるため経過には注意が必要です。
突発性発疹の専門医がいる近くの病院はありますか?
突発性発疹の専門医がいる病院を見る突発性発疹の薬
突発性発疹は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?
突発性発疹に特別な薬はなく、自然治癒することがほとんどです。
突発性発疹に特別な薬はなく、自然治癒することがほとんどです。対症療法を中心に治療します。安静にして、十分な水分補給を心がけましょう。
高熱に対しては解熱剤が処方されることがありますが、元気があるようなら使わずに様子をみてください。
鼻水や下痢などの風邪症状が出ている場合、症状に対処する薬を使うこともあります。
副作用については、処方されたときに医師や薬剤師の説明をよく聞きましょう。
必要に応じて薬が使われますので、同じものを処方されるわけではありません。
突発性発疹の経過・予後
突発性発疹に後遺症はありますか?
非常にまれですが、重篤な合併症により後遺症を残すことがあります。
突発性発疹は、基本的には特別な治療を必要とすることなく、自分の持っている免疫の力によって治すことができる良性の病気です。ただし、非常にまれに脳炎や脳症を起こすことがあります。その結果、寝たきりになることやてんかんなどの後遺症を残すことがあります。
過去の日本国内で行われた全国調査では、年間約70人ほどの子どもが突発性発疹による脳炎・脳症を発症しており、そのうち48%は後遺症なく生存していますが、49%になんらかの後遺症が認められていました。
突発性発疹がうつる期間はいつまでですか?
主に、高熱を出てから、解熱後発疹が現れる前までの期間に感染性があります。
突発性発疹がうつる期間は、主に高熱が出てから、解熱後に発疹が現れる前までです。
突発性発疹は、生後6か月から1歳半頃の乳児に多くみられるウイルス感染症で、ヒトヘルペスウイルス6型、または7型が原因です。主な特徴は、高熱が3~5日続いた後、解熱と同時に全身に発疹が現れることです。
このウイルスは、感染者の唾液や呼吸器の分泌物を通じて広がります。子ども同士でうつることが多く、おもちゃの共有や舐めた手で触れたものを通じて感染する場合もあります。
うつる期間は、主に発熱してから発疹が現れるまでの期間です。発熱の直前・直後に最も感染力が強く、解熱後最大24時間は感染性が残るとされています。
発疹が現れ、熱が下がり始めると、感染力は急速に低下します。解熱24時間後以降は、発疹がまだ残っていても、周囲へ感染させるリスクは非常に低くなります。
そのため、熱が下がって元気があれば、保育園や幼稚園に通っても差し支えないとされます。
一方で多くの場合、感染から症状が出るまで(潜伏期間)は約1〜2週間とされており、発熱前からウイルスを排出していることもあるため、保育園や幼稚園などの密接な接触環境では、子ども同士の感染を防ぐことは困難です。
発症した場合は、他の子どもとの接触を避けることが推奨されます。感染が広がらないよう、発症後数日は安静にし、公共の場所に出ることは控えたほうがよいでしょう。
参考文献
J.Cherry, S.L.Kaplan, G.J.Demmler-Harrison, et al. Feigin & Cherry's Textbook of Pediatric Infectious Diseases, 59, 559-561.e2, 9th ed., in 2 vols. 2025, ELSEVIER.
国立感染症研究所感染症情報センター.突発性発疹.国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト,https://id-info.jihs.go.jp/diseases/ta/roseola/010/exanthem-subitum.html(参照 2025-05-26)
対処法・セルフケア
突発性発疹の場合、日常生活で気をつけることはありますか?
症状が出ている間も、日常生活で気をつけることはありません。
突発性発疹は一般的に自然治癒し、症状が出ている間も日常生活で気をつけることはありません。安静にして、十分な水分補給を心がけましょう。
経過中に熱性けいれんや脳炎、脳症を起こす可能性もあるので、注意して様子をみてください。
特別な治療法はありませんが、心配な症状がみられるときは小児科を受診します。
保育園に通っている場合、熱が下がって全身状態がよければ登園可能です。
予防接種は回復してから2週間ほどは控えましょう。
突発性発疹で薬が効かない場合、どうしたらよいですか?
基本的に特別な治療を必要としないため、様子をみても大丈夫です。
突発性発疹は、基本的に特別な治療が必要ありません。
発熱期間は通常3〜5日続き、熱が下がるとともに特徴的な発疹が現れる、といった経過をたどります。十分な水分補給を行って安静にし、様子をみましょう。
熱が高いときは、身体を冷やして体温を調整します。薬が必要ないことも多いですが、不安な症状がある場合や、以下に当てはまる場合は医療機関を受診してください。
- けいれん
- 脱水症状(おしっこの量が減る、唇が乾燥するなど)
- ずっと寝ているなど、意識の変化
- 5日以上続く高熱
突発性発疹に関連するその他の質問
突発性発疹で食欲がなくご飯を食べない場合はどうすればいいですか?
食欲がなくても、水分は摂れるようにしましょう。水分も十分摂れないときは、医療機関への受診が必要です。
突発性発疹にかかっていて、食欲がないためにご飯を食べることができない場合、まず、水分だけはしっかりと摂らせるようにしましょう。また、食べ物は消化がよく、喉ごしのよいやわらかいものにしましょう。
もし、離乳食を食べることが難しいようであれば、その分はミルクや母乳で補うとよいでしょう。どうしても水分摂取が進まないようであれば、脱水の有無や全身状態の評価を受けるために、医療機関を早めに受診することをおすすめします。
突発性発疹で熱性けいれんがある場合、どうすればいいですか?
けいれんを起こしたら、安全な場所で体を横にして寝かせ、救急車を呼んでください。
突発性発疹による熱の出始めに、けいれんを起こすことがあります。けいれんを起こしたときは、吐いた物による窒息を防ぐために、安全な場所で横にして休ませます。また、けいれんの様子をしっかりと観察し、可能であれば動画を撮影しておくと、あとから医師が診療する際に非常に役に立ちます。
なお、けいれんは通常5分以内で治りますが、ときに長く続くときがあります。少しでもけいれんが長くなるようであれば、早い段階で救急車を呼んでおくとよいでしょう。
大人が突発性発疹に感染した場合、喉の痛みはありますか?
大人が突発性発疹に感染して、喉に痛みを感じることはないでしょう。
突発性発疹では、経過中に喉(口蓋垂と呼ばれる、いわゆる喉ちんこの周囲)に永山斑と呼ばれる赤い発疹ができることがあります。この永山斑を認めたら、突発性発疹にかかったと考えてもよいでしょう。
見た目は痛そうな発疹ですが、永山斑で痛みを伴うことはまれです。実際、大人が突発性発疹に感染することはまれなことですし、むしろ大人が発熱に伴って喉に痛みを感じる場合は、溶連菌感染症など、突発性発疹以外の感染症の可能性が考えられます。
突発性発疹の発熱は1日だけで下がりますか?
突発性発疹の熱はまれに1日で下がることもありますが、通常3日前後続きます。
突発性発疹の熱は、通常3~4日続き、1日で下がることはまれです。
突発性発疹は、生後6か月から1歳半頃の乳幼児によくみられるウイルス感染症です。原因はヒトヘルペスウイルス6型や7型で、多くの子どもが乳幼児期に一度はかかる、ごく一般的な病気です。
典型的な経過としては、突然の高熱が数日続き、その後、熱が下がったタイミングで、全身に赤い発疹が出現するというパターンをとります。
発熱の期間は3〜5日間(平均3.8日)とされており、38〜40℃になることもありますが、比較的機嫌がよく、元気な様子を保っていることも特徴のひとつです。
1日で熱が下がるケースもごくまれにありますが、これは突発性発疹の典型的な経過とはやや異なります。
もし、1日だけ高熱が出て、すぐに下がった場合には、突発性発疹ではなく、別の軽いウイルス感染や、一時的な体調不良である可能性が高いと考えられます。
また、発疹が出る前に熱が下がるため、発疹が出るまでは、突発性発疹だと気づかれにくいこともあります。
まれに発熱が5日以上続いたり、熱のわりにぐったりしている場合は、突発性発疹以外の病気(尿路感染症や他のウイルス感染など)も考慮する必要があります。
そのため、発熱が長引いたり、様子が普段と違うと感じたときは、迷わず医師の診察を受けることが大切です。
参考文献
J.Cherry, S.L.Kaplan, G.J.Demmler-Harrison, et al. Feigin & Cherry's Textbook of Pediatric Infectious Diseases, 59, 559-561.e2, 9th ed., in 2 vols. 2025, ELSEVIER.
国立感染症研究所感染症情報センター.突発性発疹.国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト,https://id-info.jihs.go.jp/diseases/ta/roseola/010/exanthem-subitum.html(参照 2025-05-26)
突発性発疹にかゆみはありますか?
突発性発疹の発疹には、通常かゆみはほとんどありません。
突発性発疹でみられる発疹に、通常、かゆみはありません。
突発性発疹は、生後6ヵ月から1歳半頃の乳児に多くみられるウイルス感染症で、ヒトヘルペスウイルス6型、または7型が原因です。
主な特徴は、高熱が3~5日続いたあと、熱が下がると全身に発疹が現れることです。
発疹は赤く小さな斑点状(平ら)で、お腹や背中を中心に、顔や手足に広がることがあります。かゆみや痛みはほとんどの場合ありません。
一部の子どもでは、かすかなかゆみを感じることもありますが、多くは気にするほどではなく、掻いたり、不機嫌になったりすることはあまりありません。
かゆみがみられる場合には、まずは冷却や保湿で対応しましょう。かゆみが強い場合は、他の発疹性の病気(例えば蕁麻疹、アレルギー反応、麻疹、風疹、水痘、手足口病など)の可能性も考えられます。
そのため、発疹の見た目や形(大きさ、盛り上がり、水疱、かさぶたの有無など)、発疹の出現部位、発熱の経過などとあわせて、小児科で診てもらうことが大切です。
市販のかゆみ止めや軟膏の使用は、乳幼児には刺激が強すぎたり、症状を悪化させる可能性もあるため自己判断では使わず、必ず小児科医に相談してください。場合によっては、医師が抗ヒスタミン薬や外用薬を処方することもあります。
参考文献
J.Cherry, S.L.Kaplan, G.J.Demmler-Harrison, et al. Feigin & Cherry's Textbook of Pediatric Infectious Diseases, 59, 559-561.e2, 9th ed., in 2 vols. 2025, ELSEVIER.
国立感染症研究所感染症情報センター.突発性発疹.国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト,https://id-info.jihs.go.jp/diseases/ta/roseola/010/exanthem-subitum.html(参照 2025-05-26)
突発性発疹の跡は残りますか?
突発性発疹が跡を残すことはありません。
突発性発疹の発疹は、2~3mmから1cmぐらいまでのさまざまな大きさの淡赤色の発疹です。水ぼうそうの発疹では、かゆみを感じることがありますし、ヘルペス(単純ヘルペス)の発疹では痛みを感じることがありますが、突発性発疹の発疹は、発疹そのものによるかゆみや痛みを感じることはありません。
突発性発疹の発疹は、通常は発疹が出始めてから3~4日で消えてしまいます。したがって、突発性発疹の発疹の跡が残ることはありません。
突発性発疹に登園許可証は必要ですか?
一般的に、突発性発疹では登園許可証は不要です。ただし園ごとにルールが異なるので、園に確認ください。
突発性発疹は、感染症法では五類感染症に指定されています。五類感染症は、定点と呼ばれる医療機関から感染者を報告することが決められています。
しかし、インフルエンザ等とは異なり、感染することで登園ができなくなる病気ではありません。熱が下がり、元気になれば、発疹が残っていたとしても、通常は登園許可証なしで登園は可能です。
ただし、園によっては許可証を必要とするところがありますので、最終的にはお子さんが通っておられる園のルールに従ってください。
突発性発疹の合併症には、どのようなものがありますか?
突発性発疹では、脳炎・脳症、劇症肝炎、血小板減少性紫斑病などの合併症があります。
突発性発疹は、一般的には発熱と発疹のみの症状がみられる良性の病気ですが、まれながら意識レベルの低下や異常行動を認める脳炎・脳症、また肝臓の機能が障害されてしまう劇症肝炎、出血が止まりにくくなる血小板減少性紫斑病などの合併症がみられます。
このうち脳炎・脳症については、最近てんかんと関係があることがわかってきており、突発性発疹の原因ウイルスであるヒトヘルペスウイルス6型が、脳細胞に直接影響を与えている可能性が考えられています。
突発性発疹の場合、外出はできますか?
熱がなく、元気があれば外出もかまいません。
突発性発疹で熱が出たり、機嫌が悪くなったりしているときの外出は、避けたほうがよいでしょう。ただし、発疹があっても熱が下がり、いつものように元気になってくれば、外出はかまいません。また、熱が出た直後であれば、体力も落ちているでしょうから、あまり長い時間の外出は避けたほうがよいかもしれません。
なお、突発性発疹の発疹が出ているとき、外出をすることで周囲の人たちに、ウイルスを拡散させてしまうことを心配する方がおられるかもしれませんが、ほぼすべての人がかかっているウイルスであり、一度かかると免疫ができるウイルスですので、他人にうつしてしまうことを、過度に心配する必要はないでしょう。
突発性発疹は保湿クリームを塗っても大丈夫ですか?
突発性発疹の発疹に対して、保湿クリームを塗ることは問題ありません。
突発性発疹でみられる発疹は、一般的にウイルス性発疹と呼ばれるものです。この発疹は、特に薬を使用しなくても自然に治るものです。従って、突発性発疹にてみられる発疹に対して、治療を目的に保湿クリームを塗る必要はありません。
また、保湿クリームを使用することで、発疹が悪化することもありませんので、もし肌が乾燥しているために保湿クリームを使っているのであれば、発疹が出ていたとしてもクリームを塗ることに問題はありません。
突発性発疹の場合、お風呂に入れてもいいですか?
突発性発疹にかかった場合、熱がなく、元気であれば入浴はかまいません。
突発性発疹の病初期は、高い熱が出たり、また不機嫌になったりしますので、そのようなときは一般的に入浴を避けたほうがよいでしょう。ただ熱が下がり、元気になってくるようであれば、発疹が出ていたとしてもお風呂に入れてあげてもかまいません。
入浴させるかどうかは、あくまでも本人の状態を優先させて判断してください。なお、入浴が難しいときは、例えば蒸しタオルを用いて体を拭いてあげると、入浴ができなくても体を清潔に保つことができます。
突発性発疹を2回以上繰り返すことはありますか?
2回かかることはあります。これはヒトヘルペスウイルス6型と7型の2種類が原因となるからです。
突発性発疹の原因となるヒトヘルペスウイルスに一度かかると、再感染を防御するための免疫ができるため、同じヒトヘルペスウイルスに繰り返してかかることはありません。
しかし、突発性発疹の原因となるヒトヘルペスウイルスには、ヒトヘルペスウイルス6型とヒトヘルペスウイルス7型の2種類のウイルスが存在するため、別々に感染することがあります。その結果、突発性発疹に2回かかることはあります。
ただし、原因ウイルスは2つの型までですので、突発性発疹になるのは2回までであり、3回以上かかることはありません。
突発性発疹の潜伏期間を教えてください。
突発性発疹の潜伏期間は、10日ほどです。
突発性発疹の正確な感染経路はよくわかっていませんが、同居する家族の唾液を介して感染している可能性が高いと考えられています。突発性発疹の原因となるヒトヘルペスウイルス6型および7型は、感染後は体内に存在し続け、唾液から排泄されています。
生後半年までは、母親から受け継いだ抗体により、赤ちゃんは突発性発疹のウイルスから守られていますが、生後半年を過ぎて、母親から受け継いだ抗体の効果が薄れた頃、家族から赤ちゃんに感染するケースが多いと考えられます。
突発性発疹はウイルス感染症ですか?
突発性発疹は、ヒトヘルペスウイルス6型あるいは7型によるウイルス感染症です。
突発性発疹は、ヘルペスウイルス科に属するヒトヘルペスウイルス6型あるいは7型の感染によるウイルス感染症です。このヘルペスウイルス科には、そのほかにも水疱瘡の原因となる水痘・帯状疱疹ウイルスや口内炎等の原因となる単純ヘルペスウイルスなどがあります。
なお、ヘルペスウイルス科は、一度感染すると体内に残り続ける特徴があります。突発性発疹の原因となるヒトヘルペスウイルスも、感染したあとも持続して体内に存在しており、断続的に唾液に排泄されています。
突発性発疹と麻疹や風疹の違いを教えてください。
突発性発疹は、熱が下がってから発疹が出ますが、麻疹や風疹は、発熱とともに発疹がでます。
突発性発疹と麻疹や風疹は、最終的には血液検査によりその区別ができますが、通常は臨床経過によって区別することが可能です。
まず、突発性発疹の典型的な経過は、3日ほどの発熱後に発疹が体や顔、手足に広がります。麻疹はカタル期と呼ばれる、発熱、鼻水、咳など感冒症状が続いたあと、39度近い高熱とともに全身に発疹が広がります。
なお、麻疹のカタル期では、コップリック斑と呼ばれる白い斑点が、頬の粘膜にみられることがあります。風疹では、発熱と発疹に加え、後頭部のリンパ節の腫れが認められます。
参考文献
国立感染症研究所感染症情報センター.突発性発疹.国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト,https://id-info.jihs.go.jp/diseases/ta/roseola/010/exanthem-subitum.html(参照 2025-07-18)
風しん.国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト,https://id-info.jihs.go.jp/diseases/ha/rubella/index.html(参照 2025-07-18)
.麻しん Measles.東京都感染症情報センター,https://idsc.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/diseases/measles/(参照 2025-07-18)
突発性発疹で発熱しないことはありますか?
突発性発疹では、特に熱が出ない場合や特徴的な発疹が出ないこともあります。
突発性発疹の主な症状が、数日間の発熱と解熱後に全身に広がる発疹ですので、突発性発疹にかかったら、必ず熱が出ると考えるのが普通だと思われます。
しかし、実際は、突発性発疹としての感染が成立しているにもかかわらず、特に臨床上の症状が出ない「不顕性感染」が、感染者のうち20~40%に存在することが報告されています。
つまり、突発性発疹の原因となるウイルスに感染したとしても、3割前後の方は熱も発疹も出ないことがあるということです。なお、特徴的な発疹や発熱が出ない突発性発疹は、2歳以上でかかる子どもによく見られることも知られています。
突発性発疹は何歳から何歳までかかりますか?
突発性発疹は、6ヶ月以降、2歳までにかかることが一般的です。
突発性発疹を発症するのは、0から1歳で99%を占めることが知られています。ただし、生まれた直後は母親から胎盤を介して受け取る抗体により守られています。したがって、最初の半年間で突発性発疹にかかることはまれです。
しかし、生後6ヶ月以降は、母親から受け継いだ抗体が寿命を迎えて体内から消えていくため、守る力がなくなって突発性発疹を発症します。なお、2歳を超えて突発性発疹にかかることもありますが、むしろ例外的だと言えるでしょう。
突発性発疹の発熱に解熱剤は有効ですか?
突発性発疹では、高い熱が出ることがありますが、基本的には解熱剤が有効です。
突発性発疹の感染による発熱は、ウイルス感染に伴う免疫反応が背景にあります。したがって、子ども用の解熱剤で対応していただいて問題ありません。
解熱剤の効きが十分ではない場合、もしお子さんがぐったりしているなど、いつもと様子が違うようであれば、早めに医療機関を受診するほうがよいでしょう。
ただし、熱が下がらなくてもミルクの飲みが十分あり、普段と様子が変わらないようであれば、そのまま様子を見ても問題はありません。
突発性発疹とはしかの違いを教えてください。
原因ウイルス、症状の経過、重症度、感染力、予防法などが大きく異なります。
突発性発疹と麻疹(はしか)は原因ウイルス、症状の経過、重症度、感染力、予防法などが大きく異なります。
突発性発疹はヒトヘルペスウイルス6型、または7型によって引き起こされ、多くは生後6か月~1歳半頃の乳幼児が初めてかかる病気です。特徴は、数日間の高熱の後に熱が下がり、全身に淡い赤い発疹が現れることです。
発疹はかゆみが少なく、数日で自然に消えます。基本的に軽症で自然に回復するため、特別な治療は必要ありません。
麻疹は麻疹ウイルスによる感染症で非常に感染力が強く、重症化のリスクが高い病気です。潜伏期間は10~12日程度で、発症初期には風邪のような症状(発熱、鼻水、咳)と目の充血や結膜炎が現れます。
その後、一度熱が下がったようにみえて再び高熱が出て、耳の後ろから顔、体へと広がる特徴的な発疹が出現します。
この「二峰性の熱」が麻疹の特徴のひとつです。合併症として肺炎や脳炎を起こすこともあり、致命的になる可能性もあります。
また、突発性発疹にはワクチンがありませんが、麻疹はワクチンで予防が可能です。感染症としての社会的なインパクトも麻疹の方が大きいため、ワクチン接種が非常に重要とされています。
両者は、どちらも発疹と発熱を伴うウイルス感染症という点は共通していますが、その性質や対処法は大きく異なります。正確な診断のためには医師の診察を受けることが大切です。
参考文献
J.Cherry, S.L.Kaplan, G.J.Demmler-Harrison, et al. Feigin & Cherry's Textbook of Pediatric Infectious Diseases, 59, 559-561.e2, 9th ed., in 2 vols. 2025, ELSEVIER.
国立感染症研究所感染症情報センター.突発性発疹.国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト,https://id-info.jihs.go.jp/diseases/ta/roseola/010/exanthem-subitum.html(参照 2025-05-26)
麻しん.国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト,https://id-info.jihs.go.jp/diseases/ma/measles/010/index.html(参照 2025-05-26)
J.Cherry, S.L.Kaplan, G.J.Demmler-Harrison, et al. Feigin & Cherry's Textbook of Pediatric Infectious Diseases,180, 1754-1770.e8., 9th ed., in 2 vols. 2025, ELSEVIER.
突発性発疹の感染経路を教えてください。
突発性発疹は唾液などを介した飛沫感染・接触感染でうつります。
突発性発疹の感染経路は、飛沫感染と接触感染です。
突発性発疹は、ヒトヘルペスウイルス6型、または7型によって引き起こされる乳幼児に多いウイルス感染症です。このウイルスは、主に唾液を介して感染し、感染経路は飛沫感染および接触感染とされています。
飛沫感染とは、感染者が咳やくしゃみをした際に飛び散るウイルスを含んだ小さな水滴を、周囲の人が吸い込むことによって感染する経路です。
接触感染は、ウイルスが付着した手や物(おもちゃ、食器など)を介して、口や鼻、目に触れることで感染するものです。
主に高熱が出てから、解熱し発疹が現れる前までの期間に他の人にうつり、最も感染力が強いのは発熱の直前・直後とされています。
小さな子どもはよだれが多く、手やおもちゃを頻繁に舐めること、発熱前からウイルスを排出していることもあることなどから、保育園や幼稚園などの密接な接触環境では子ども同士の感染を完全に防ぐことは困難です。
突発性発疹に対する特効薬はありません。感染を予防するには日常的な手洗い、咳エチケット、発熱している子どもとの濃厚な接触を避けるといった基本的な衛生管理が重要です。
また、発症した場合は、他の人にうつさないよう、感染者が安静にし、外出を控えることが大切です。
感染しても重症化することはほとんどなく、通常は自然に治癒しますので、正しく理解して過度に心配しすぎないようにしましょう。
参考文献
J.Cherry, S.L.Kaplan, G.J.Demmler-Harrison, et al. Feigin & Cherry's Textbook of Pediatric Infectious Diseases, 59, 559-561.e2, 9th ed., in 2 vols. 2025, ELSEVIER.
国立感染症研究所感染症情報センター.突発性発疹.国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト,https://id-info.jihs.go.jp/diseases/ta/roseola/010/exanthem-subitum.html(参照 2025-05-26)
突発性発疹とあせもの違いを教えてください。
突発性発疹はウイルス感染による発熱と解熱後の発疹、あせもは汗による皮膚の炎症です。
突発性発疹はウイルス感染症であり、あせもは汗による皮膚の炎症です。どちらも赤ちゃんによくみられる皮膚の症状ですが、原因や見た目、対処法が大きく異なります。
突発性発疹は、ヒトヘルペスウイルス6型、または7型というウイルスに感染することで起こる病気で、生後6ヵ月〜1歳半頃の赤ちゃんに多くみられます。
感染している子どもの唾液や、呼吸器の分泌物を通じて周囲へ感染するします。
特徴は、突然の高熱が3日前後続き、解熱後に全身に発疹が出ることです。発疹は顔、お腹、背中を中心に現れ、細かく淡い赤色で、あまり隆起していません(斑状)。
かゆみや痛みはあまりなく、数日で痕を残さずに、自然に消えるため、特別な治療は不要です。
一方、あせも(汗疹)は、汗をかいたあとに、熱気や湿気で皮膚の汗腺が詰まり、炎症が起きることでできる発疹です。周囲へ感染する病気ではありません。
首まわり、背中、肘の内側など、汗をかきやすい場所に現れます。赤くプツプツしていたり、小さな水ぶくれのようになることもあります。
かゆみを伴うことが多いため、症状の程度に応じて、医師がステロイド外用剤を処方することもありますが、汗をよく拭く、通気性のよい服を着る、こまめに沐浴やシャワーで、皮膚を清潔に保つことが予防と対処につながります。
症状が長引いたり、気になる発疹がみられる場合は、皮膚科や小児科の受診をおすすめします。
参考文献
J.Cherry, S.L.Kaplan, G.J.Demmler-Harrison, et al. Feigin & Cherry's Textbook of Pediatric Infectious Diseases, 59, 559-561.e2, 9th ed., in 2 vols. 2025, ELSEVIER.
国立感染症研究所感染症情報センター.突発性発疹.国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト,https://id-info.jihs.go.jp/diseases/ta/roseola/010/exanthem-subitum.html(参照 2025-05-26)
Kliegman. Nelson Textbook of Pediatrics, Chapter 702, 4134-4136.e2. 2025, ELSEVIER.
突発性発疹は子ども同士でうつることはありますか?
突発性発疹は子ども同士でうつることがありますが、感染力はそれほど強くありません。
突発性発疹は、子ども同士でうつることはあります。
突発性発疹は、生後6か月から1歳半頃の乳児に多くみられるウイルス感染症で、ヒトヘルペスウイルス6型、または7型が原因です。
主な特徴は、高熱が3~5日続いたあと、熱が下がると同時に胸や背中、腹部などを中心に全身に発疹が現れることです。
このウイルスは、感染している子どもの唾液や呼吸器の分泌物を通じて、周囲へ感染すると考えられており、子ども同士で感染することがあります。
例えば、おもちゃの共有、舐めた手で触れたものを通じて感染する場合があります。ただし、インフルエンザやRSウイルスなどと比べると、感染力はそれほど強くないとされています。
突発性発疹は多くの場合、感染から症状が出るまで(潜伏期間)は約1〜2週間とされており、発熱が始まる前からウイルスを排出していることもあるため、保育園や幼稚園などの密接な接触環境では、子どもたちの間での感染を防ぐことは困難です。
一方で、感染力は発熱している時期に最も強く、発熱が下がり、体に発疹が出るころには、すでに他人への感染力は低下していると考えられています。そのため、熱が下がって元気があれば、保育園や幼稚園に通っても差し支えないとされます。
発熱中や体調不良の間は無理をさせずに、自宅で安静にしましょう。家庭や保育施設では、手洗いやおもちゃの消毒などの衛生管理が感染予防に役立ちます。
参考文献
J.Cherry, S.L.Kaplan, G.J.Demmler-Harrison, et al. Feigin & Cherry's Textbook of Pediatric Infectious Diseases, 59, 559-561.e2, 9th ed., in 2 vols. 2025, ELSEVIER.
国立感染症研究所感染症情報センター.突発性発疹.国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト,https://id-info.jihs.go.jp/diseases/ta/roseola/010/exanthem-subitum.html(参照 2025-05-26)
大人が突発性発疹にうつることはありますか?
大人も突発性発疹にかかることがありますが、非常にまれです。
大人も突発性発疹にかかることはありますが、非常にまれです。
突発性発疹は、生後6か月から1歳半頃の乳児に多くみられるウイルス感染症で、ヒトヘルペスウイルス(HHV)6型、または7型が原因です。
主な特徴は、高熱が3~5日続いたあと、熱が下がると胸や背中、腹部などを中心に全身に発疹が現れることです。
約半数が1歳までに、9割が2歳までに感染するため、その後は免疫ができて再発することはほとんどありません。しかし、まれに大人が感染することがあります。
特に、以下のようなケースが報告されています:
- 幼少期に感染しなかった人が、大人になってから初めて感染した場合
- 免疫力が低下している人(臓器移植後、がん治療中、HIV感染など)で、HHV-6や7が再活性化した場合
大人が感染した場合には、発熱、全身倦怠感、喉の痛み、リンパ節の腫れなどが出ることがあり、発疹は出ないこともあります。
また、症状はインフルエンザや、他のウイルス感染症とよく似ているため、突発性発疹と診断されないことも多いです。
日常生活の中では、大人が乳幼児から突発性発疹をうつされることは非常にまれであり、健康な成人にとっては心配するほどの感染リスクはありません。
参考文献
J.Cherry, S.L.Kaplan, G.J.Demmler-Harrison, et al. Feigin & Cherry's Textbook of Pediatric Infectious Diseases, 59, 559-561.e2, 9th ed., in 2 vols. 2025, ELSEVIER.
国立感染症研究所感染症情報センター.突発性発疹.国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト,https://id-info.jihs.go.jp/diseases/ta/roseola/010/exanthem-subitum.html(参照 2025-05-26)
発疹の少ない軽い突発性発疹はありますか?
はい、発疹が少ないか、まったく目立たない軽い突発性発疹もあります。
発疹が少なく目立たない、軽い突発性発疹も存在します。
突発性発疹は、生後6ヵ月から1歳半頃の乳児に多くみられるウイルス感染症で、ヒトヘルペスウイルス6型、または7型が原因です。
主な特徴は、高熱が3~5日続いたあと、熱が下がると同時に胸や背中、腹部などを中心に全身に発疹が現れることです。ただし、すべての子どもが明瞭な発疹を出すわけではありません。
次のような「軽い突発性発疹」もあります。
- 発疹が非常に少ない
- 発疹の範囲が狭い(たとえばお腹だけなど)
- 発疹が一時的で数時間~1日で消える
- 発疹に気づかれないほど薄い
こうした場合、「高熱が出て、熱が下がったら機嫌がよくなった」だけで終わるため、突発性発疹だったと気づかれないこともあります。
原因ウイルスの違いや個人差、免疫の状態などによって、発疹の程度が異なると考えられています。高熱が数日続いたあとに急に熱が下がり、機嫌がよくなれば突発性発疹を疑うサインです。
突発性発疹は発疹の程度に関わらず、ほとんどの場合は自然に回復します。ただし、痙攣やぐったりしている、発疹がじゅくじゅくしてきたなどの場合には、合併症や他の病気の可能性があるため、小児科を受診してください。
参考文献
J.Cherry, S.L.Kaplan, G.J.Demmler-Harrison, et al. Feigin & Cherry's Textbook of Pediatric Infectious Diseases, 59, 559-561.e2, 9th ed., in 2 vols. 2025, ELSEVIER.
国立感染症研究所感染症情報センター.突発性発疹.国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト,https://id-info.jihs.go.jp/diseases/ta/roseola/010/exanthem-subitum.html(参照 2025-05-26)
突発性発疹による不機嫌は、いつごろがピークですか?
突発性発疹と不機嫌の関係性について、はっきりした医学的根拠はありません。よって不明です。
突発性発疹と不機嫌の関係性について、今のところはっきりした医学的根拠はありません。よって、ピークについても医学的に正しい情報はいまだに不明です。
しかし、解熱後の発疹が出ている時期に不機嫌になることが経験的に知られています。機嫌は悪いものの、この時期には感染力はなくなっています。
また、突発性発疹の原因となるHHV-6は中枢神経に親和性が高いウイルスですが、不機嫌になるメカニズムまでは解明されていません。
突発性発疹に感染した場合、保育園はいつから登園できますか?
保育士に感染を伝えましょう。熱が下がって状態がよければ、発疹が出ていても登園して構いません。
突発性発疹は一般的な感染症で、突然の高熱が3~5日ほど続き、熱が下がって特徴的な発疹が出る、といった経過をたどります。
熱が下がって状態がよければ、発疹が出ていても保育園に登園しても構いません。突発性発疹にかかったことは、保育士に情報共有をしましょう。
唾液感染を起こすため、おもちゃの共有などの注意や消毒の徹底、保護者間での情報提供などが必要な場合があります。
体調が悪い間は無理に登園させず、状態がよくなったら登園させましょう。
突発性発疹はうつりますか?
大人から子どもにうつることが多いですが、感染力は比較的弱いとされています。
突発性発疹は、主にヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)や7型(HHV-7)に感染することで発症します。
感染から発症までの潜伏期間は約1〜2週間で、生後6ヶ月~2歳くらいの乳幼児に多いのが特徴です。
感染症法では、インフルエンザと同じ第5種感染症に指定されています。
大人の唾液中に潜伏しているウイルスが、乳幼児に感染して発症するパターンが主ですが、感染力は比較的弱いとされています。
また、感染したとしても無症状で終わるケースも多くあります。
突発性発疹について、医師からのよくある質問
医師からよくある質問はありますか?
「突発性発疹」について医師からよくある質問の例として次のようなものがあります。
- 発熱が続いた後、解熱と同時に赤いぶつぶつが出てきましたか?
- 体温は37.5℃以上ですか?
- 発赤は体の一部ではなく全身に出ていますか?
- 皮ふに赤いブツブツがありますか?あるいは皮ふが赤くなっていますか?
- 皮ふに何らかの異常がありますか?
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この記事の監修医師
阿部 吉倫
内科
2015年東京大学医学部医学科卒。東京大学医学部付属病院、東京都健康長寿医療センターで初期研修を修了。血便を放置し48歳で亡くなった患者との出会いをきっかけにデータサイエンスの世界へ。2017年5月にUbie株式会社を共同創業。2019年12月より日本救急医学会救急AI研究活性化特別委員会委員。2020年 Forbes 30 Under 30 Asia Healthcare & Science部門選出。
- 更新日
- 2023/01/25
- 公開日
- 2020/09/03