切迫性便失禁で薬が効かない場合、どうしたらよいですか？

薬が効かない場合には、薬以外の治療法を検討します。重症度に応じて手術を検討する場合もあります。

切迫性便失禁の治療には、大きく分けて手術を行わない保存的治療と、手術を行う外科的治療があります。

保存的治療には、食事療法（アルコールなどを控え、食物繊維の摂取を勧める）、排便習慣指導、便失禁ケア、薬物療法（下痢止めなど）、骨盤底筋訓練などがあります。

外科的治療には、肛門括約筋形成術や仙骨神経刺激療法、人工肛門造設術があります。特に出産などの外傷による肛門括約筋の損傷に伴うものの場合は肛門括約筋形成術を選択する場合があります。

しかし、外科的治療は手術による侵襲（生体を傷つけること）が大きく、かつ感染や痛みなどの合併症のリスクや人工肛門の管理が必要になってくるため、さまざまな治療を行なった上で重症の場合には手術を検討します。

基本的には、侵襲の少ない保存的治療から行い、それでも改善しない場合には外科的治療を検討します。