子宮内膜症の進行のステージについて教えてください。
子宮内膜症はBeecham分類やrASRM分類といった分類法によって、Ⅰ〜Ⅳ期(ステージ1〜4)に分けられます。
子宮内膜症の進行のステージ分類にはいくつかあります。代表的なものは以下の通りとなります。
Beecham分類
婦人科診察所見に基づいた古典的なステージ分類です。各ステージの概要は以下の通りです。
第I期(ステージ1)
腹腔内に1~2mmの病変のみ認めるもの(内診では分からない)。
第II期(ステージ2)
子宮周囲の靱帯や卵巣などに限局した病変(硬結)を触知し、癒着のないもの。
第Ⅲ期(ステージ3)
卵巣が少なくとも正常の2倍以上に腫れて、周囲と癒着して子宮の可動性が低下しているもの。
第Ⅳ期(ステージ4)
高度な癒着のために子宮・卵巣・腸管などの骨盤内の臓器が一塊となり、個々の臓器を区別できないもの。
rASRM分類
腹腔鏡手術などの所見を基づくステージ分類です。子宮内膜症病変の大きさと癒着の範囲によって点数を算出し、I期(ステージ1)からⅣ期(ステージ4)の進行期に分類します。Ⅳ期が最も進行している状態となります。
最も広く使用されているrASRM分類ですが、痛みなどの症状の強さが評価項目に含まれておらず、また、妊娠のしやすさやとも必ずしも一致しないとされています。
そのため、既往歴とrASRM分類を組み合わせたEndometriosis fertility index(EFI)評価なども考案されています。
公開日:
最終更新日:
成育医療研究センター 産婦人科 共同研究員
藤井 達也 監修
(参考文献)
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「子宮内膜症」とはどのような病気ですか?
子宮内膜、あるいはそれに似た組織が何らかの原因で本来発生する場所である子宮以外の場所で発生する病気です。
子宮内膜症は自然に治りますか?
子宮内膜症は閉経期には症状が緩和されることが多いと言われています。
子宮内膜症が原因で気胸が起こることはありますか?
「月経随伴性気胸」と呼ばれる病態であり、稀に肺に子宮内膜症性病変が生じることで肺に穴があく「気胸」を発症することがあります。
子宮内膜症が起こりやすいのは何歳くらいですか?
20~30代の女性に発症することが多く、30~34歳が発症のピークとされています。
子宮内膜症の原因や症状には何がありますか?
子宮内膜症の原因はまだ明確には分かっていませんが、月経血の骨盤内への逆流などが子宮内膜症の原因として考えられています。典型的な症状は月経時の強い痛みです。
子宮内膜症に初期症状はありますか?
月経時の痛みが徐々に増強してくる場合に、特に子宮内膜症を疑います。
子宮内膜症が疑われる場合、何科を受診したらよいですか?また、受診の目安はありますか?
産婦人科を受診しましょう。月経時の痛みが強い場合には、積極的な受診をおすすめします。
子宮内膜症は、どのように検査や診断をしますか?
問診に加えて内診、超音波検査などを行うことで診断します。血液検査やMRI検査などを行うこともあります。
子宮内膜症でどのような治療を選択するかの目安はありますか?
子宮内膜症の治療は長期にわたるため、年齢、妊娠希望、症状(病状)などに合わせて薬物療法や手術を組み合わせていく必要があります。
子宮内膜症の場合、主にどのような治療をしますか?
症状の程度や年齢、妊娠希望などに応じて経過観察、薬物療法、手術療法から選択します。
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