80代男性の場合で、医学的に効果が証明されていて費用対効果の高い健康診断や人間ドックの検査項目について教えてください。

生活習慣病の進行に伴う脳、心血管疾患、がんのリスクが高くなり、さらに加齢に伴う認知機能や身体機能低下の進行がみられるため、これらの評価が必要となります。

解説

80歳以上になると、それまでの年代よりも動脈硬化の進行や生活習慣病の悪化による、脳卒中や心疾患、がんのリスクが高まるため、これらを評価できる検査の重要性が高まります。

80歳以上は、特定健診ではなく、後期高齢者健診の対象となります。

  • 質問票(服薬歴、喫煙歴等)
  • 身体計測(身長・体重・BMI・腹囲)
  • 身体診察
  • 血圧測定
  • 脂質検査(中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロール)
  • 血糖検査(空腹時血糖又はHbA1c、やむを得ない場合には随時血糖)
  • 肝機能検査(AST、ALT、γ-GTP)
  • 検尿(尿糖、尿蛋白)

※一定の基準の下、医師が必要と認めた場合には以下検査も実施されます。

  • 心電図検査
  • 眼底検査
  • 貧血検査(赤血球数、ヘモグロビン値、ヘマトクリット値)
  • 血清クレアチニン検査

検査項目はそれまでの特定健診と同様ですが、質問票が高齢者の特性を把握できる内容に変更されています。

フレイルなど高齢者の特性を踏まえて健康状態を総合的に把握するという目的から、

  1. 健康状態
  2. 心の健康状態
  3. 食習慣
  4. 口腔機能
  5. 体重変化
  6. 運動・転倒
  7. 認知機能
  8. 喫煙
  9. 社会参加
  10. ソーシャルサポート

の10領域の状態を評価する質問となっています。

また、40~74歳までは保健指導として行動変容を求めることが多いですが、後期高齢者では個々の身体状況、日常生活能力、運動能力等の差が大きく、本人の残存能力を落とさないこと、QOLの確保等に重点を置いた健康相談・指導が行われます。

がんの発病率も増えてくるため、以下のような検診も推奨されます。

他にも、以下のようなオプション検査も推奨されます。

  • 大腸内視鏡検査
  • 胸部CT
  • 喀痰細胞診
  • 心臓ドック
  • 脳ドック(MR検査)
  • 腫瘍マーカー(PSAなど)

公開日

最終更新日

おだかクリニック 循環器内科 副院長

小鷹 悠二 監修

関連する質問
蛋白尿とはどのような状態を指しますか?

尿の中に通常よりも多くの蛋白質が排出される状態を指します。

尿蛋白が出やすい人の特徴は何ですか?

病気ではない場合、病気が原因の場合、どちらもさまざまです。

尿蛋白のプラスマイナスとはどういう意味ですか?

尿中にごく少量のタンパク質が検出されたことを意味します。

女性で尿蛋白が出る原因は何ですか?

妊娠や月経などの女性特有の原因に加え、生理現象や病気などが考えられます。

尿蛋白の異常を指摘された場合、何科を受診したらよいですか?

腎臓内科または内科を受診しましょう。

尿蛋白の異常を指摘された場合、放置するとどうなりますか?

腎臓の機能が徐々に低下して慢性腎臓病(CKD)に進行するリスクがあります。

尿蛋白はどのくらいの数値から治療が必要になりますか?

数値だけで判断されません。持続性や基礎疾患を考えて総合的な評価で決定します。

アレルギー検査キットがあれば通院なしで検査できますか?

アレルギー検査キットでは確定診断はできないため、結果は参考程度とし、医療機関受診を推奨します。

アレルギー検査の219項目は保険適用で受けられますか?

全額自己負担となる可能性があるため、具体的な金額については医療機関に問い合わせてください。

アレルギー検査はどこで受けられますか?

検査は病院や検査キットで可能ですが、基本的にまずは医療機関を受診することをお勧めします。

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(参考文献)

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