骨腫瘍の症状は?骨腫瘍と症状の関連性をAIで無料でチェック
監修医師阿部 吉倫内科
- 更新日
- 2026/10/27
- 公開日
- 2020/09/03
骨腫瘍とは
頻度は高くありませんが、骨に生じる腫瘍です。良性と悪性があり、後者には癌・肉腫・リンパ腫などの種類があります。他の臓器から転移することもあります。
骨軟骨腫とはどのような病気ですか?
骨軟骨腫は最も頻度の高い良性骨腫瘍で、骨の表面に角状に形成される腫瘍です。
骨軟骨腫は、別名「外骨腫」とも呼ばれており、骨腫瘍のなかで最も多い良性腫瘍です。
この腫瘍は、本来とは異なる部位に、正常な骨とつながって異常な骨と軟骨が形成されたもので、通常の骨の成長とともに、角のように大きくなります。主に成長期にみられることの多い病気です。
- 治療:基本的に良性病変のため、特に症状がなければ経過観察のみの場合があります。痛みや見た目の問題が生じるようであれば手術で切除します。
- 悪性化のリスク:本来の骨成長が止まっているはずの30代以降で増大する場合には、まれに悪性転化(二次性軟骨肉腫)の可能性があります。その頻度は、多発性の骨軟骨腫の場合で数%、単発性では極めてまれと言われています。
骨腫瘍の症状
骨腫瘍の初期症状と末期症状は、それぞれどのようなものですか?
初期はしこりが多く、進行した悪性腫瘍では安静時痛や全身症状、病的骨折などをきたします。
骨腫瘍の初期症状として、しこりが主訴となることが非常に多いです。悪性腫瘍であった場合は、この後、進行し症状が変化します。悪性腫瘍の可能性を注意すべき症状の特徴は、次の通りです。
- 安静時や夜間に続く強い痛み:体を動かさない時でも痛みが軽快せず、特に夜間に痛みが強くなり眠りを妨げられる「夜間痛」は、悪性腫瘍を疑うサインです。
- 急速に大きくなる腫れやしこり:数週間から数ヶ月という短期間で、目に見えて大きくなる変化には警戒が必要です。
悪性腫瘍がより進行すると、局所的な症状に加えて、全身にも影響が及ぶ全身症状が現れることがあります。
全身に現れる症状の例
また、進行した腫瘍によって骨が壊されて弱くなることで、軽い衝撃や普段の生活で骨折してしまう「病的骨折」がみられることがあります。骨折を起こすと、痛みや機能障害によって、日常生活に大きく支障を生じるようになります。治療に難渋する骨折となる場合もあり、注意が必要です。
骨腫瘍が良性の場合、症状は悪性の場合と異なりますか?
はい、異なります。特に痛みの性質と強さ、しこりの増大のスピードに大きな違いが見られます。
良性腫瘍と悪性腫瘍では、痛みや腫れの出方の大きさや性質に違いがあります。
良性腫瘍の症状の傾向
- 痛みの性質:痛むタイミングは、体を動かした時や体重がかかった時(動作時痛)が中心で、休むと和らぐことが多いです。夜間や安静時に強い痛みを感じることは少ないです。
- 腫れの進行:ゆっくりと大きくなるため、腫れやしこりに気づくまで、数ヶ月から数年かかることがあります。
悪性腫瘍の症状の傾向
- 痛みの性質:安静時にも軽快しない持続的な痛み、特に夜間に痛みが強くなる「夜間痛」が特徴的なサインです。痛みの強さは数週間から数ヶ月で徐々に増強していきます。
- 腫れの進行:細胞増殖のスピードが速いため、数週間から数ヶ月という短期間で、目に見えて大きくなる場合があります。
- 全身症状の出現:進行した悪性腫瘍では、発熱・だるさ・体重減少などの全身にみられる症状が出現してくる場合があります。
骨腫瘍の検査・診断
骨腫瘍のセルフチェックはできますか?
解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。
自宅でできるセルフチェックとしては、腫瘍の増大スピードや痛みの性質を注意深く観察することが、良性か悪性かを推測する手がかりになります。確認すべき主なポイントは、特に次の2点です。
- 進行スピード:腫れやしこりが数週間や数ヶ月といった短期間で急速に大きくなっているか
- 痛みの性質:じっとしていても痛いか(安静時痛)、特に夜間に痛みが強いか(夜間痛)
しかし、これらのポイントはあくまで一般的な傾向であり、例外も多く存在します。
良性腫瘍でも強い痛みを伴うことがありますし、進行の遅い悪性腫瘍もあります。症状だけで良性・悪性を完璧に判断することは専門医でも難しいため、自己判断してしまうことには大きな危険が伴います。気になる症状があれば、決して自己判断せずに専門の医療機関を受診してください。
また、症状検索エンジン「ユビー」で質問に沿って回答を進めるだけで、骨腫瘍かどうかのセルフチェックができます。ぜひご活用ください。
骨肉腫と診断された場合、余命はどのくらいですか?
転移のない高悪性度骨肉腫は、化学療法の進歩により5年間の生存率が6割を超えるようになりました。
高悪性度骨肉腫の治療は、1980年代から化学療法(抗がん剤治療)が積極的に行われたことにより、治療成績が大きく改善しました。転移のない高悪性度骨肉腫の5年生存割合は、現在では6割を超えるようになっています。ただし、注意が必要な点もあります。
- 初期治療後に約4割の患者さんが再発し、その後の生存率に悪影響を与えます。
- 初発時より転移を有する患者さんが約3割います。その場合は転移のない患者さんよりも治療成績は不良です。
余命の予想は、個々の状況によって大きく異なります。詳しくは治療担当医に確認しましょう。
骨腫瘍の治療・対処法
骨腫瘍への対処法は?
骨折などの心当たりがないにも関わらず骨の形の異常や痛みがある場合には、医療機関を受診してください。長引く腰痛の原因が、何らかの癌からの転移だったということもあります。
骨腫瘍のステージIIでは、どのような治療を行いますか?
薬物療法の適応有無や切除の難易度に基づき、広範切除術を中心とした集学的な治療方針が決定されます。
ステージIIの悪性骨腫瘍は、一般的に悪性度が高い(高悪性度)と分類される腫瘍を指し、ステージIと同様に遠隔転移がない状態です。
この悪性骨腫瘍の治療は、腫瘍の種類(組織型)によって、薬物療法(抗がん剤治療)が有効かどうか、また腫瘍の発生部位や進行度(ステージ)に応じて、集学的に方針が決定されます。主な治療の流れは、ステージII、III(局所的な病態)で共通のアルゴリズムが用いられています。
- 薬物療法の適応がある腫瘍(例:骨肉腫、ユーイング肉腫など):
- 術前薬物療法を行い、治療効果を評価したあとに、手術(広範切除術など)を検討します。
- 切除後に、切除縁(切除した部分の端)に腫瘍細胞が残っていないか評価し、必要に応じて術後薬物療法や追加治療を行います。
- 薬物療法の適応がない腫瘍(例:軟骨肉腫、脊索腫など):
- 手術(広範切除術など)を検討します。
- 切除が難しい場合は、辺縁切除術や切断術、または放射線療法(粒子線治療を含む)が選択されることがあります。
ステージごとの厳密な治療法の違いは、個々の患者さんの病態に応じて最適な治療が選択されるため、詳しくは担当医に確認しましょう。
骨腫瘍のステージIでは、どのような治療を行いますか?
ステージIの悪性骨腫瘍には、主に手術(広範切除術)が推奨されます。
悪性骨腫瘍のステージIは、一般的に悪性度が低い(低悪性度)と分類される腫瘍の状態を指します。まだ他の臓器への転移は見られません。
このステージでの治療の基本は、 広範切除術(こうはんせつじょじゅつ)という手術です。これは、腫瘍を周囲の正常な組織を含めて大きく切除することで、局所での再発を防ぐことを目指す方法です。
ただし、骨肉腫やユーイング肉腫など、腫瘍の種類によっては、ステージIであっても手術の前に薬物療法(抗がん剤治療)を行うことが推奨される場合もあります。
ステージごとの厳密な治療法の違いは、個々の患者さんの病態に応じて最適な治療が選択されるため、詳しくは担当医に確認しましょう。
骨腫瘍のステージIVまたは再発がんでは、どのような治療を行いますか?
根治的切除の可否や薬物療法の有効性に応じて、切除や薬物療法、または緩和的医療を検討します。
ステージIVは他の臓器への遠隔転移がある状態を指し、このステージにおける標準的な治療法は確立されていません。ステージIVの治療は、切除による治癒が可能かどうかと、薬物療法の有効性があるかどうかに基づいて選択されます。
- 薬物療法の適応がある場合(例:骨肉腫、ユーイング肉腫など):
- 薬物療法の適応がない場合(例:軟骨肉腫、脊索腫など):
- 切除可能な場合は、原発巣と転移巣を切除します。
- 切除が不可能な場合は、緩和的医療への移行が検討されます。
ステージごとの厳密な治療法の違いは、個々の患者さんの病態に応じて最適な治療が選択されるため、詳しくは担当医に確認しましょう。
骨腫瘍のステージIIIでは、どのような治療を行いますか?
薬物療法の適応有無や切除の難易度に基づき、広範切除術を中心とした集学的な治療方針が決定されます。
ステージIIIは高悪性度の腫瘍であり、根治を目指すためには、手術と抗がん剤の使用を合わせた最大限の治療が必要です。治療の目的は、腫瘍を完全に取り除くこと(広範切除)と、患部の機能をできる限り残すことです。
主な治療の流れは、ステージII、IIIで共通のアルゴリズムが用いられています。
- 薬物療法の適応がある腫瘍(例:骨肉腫、ユーイング肉腫など):
- 手術前に抗がん剤による治療を行い、その効果を評価したあとに、手術(広範切除術など)を検討します。
- 切除後にも必要に応じて術後薬物療法や追加治療を行います。
- 薬物療法の適応がない腫瘍(例:軟骨肉腫、脊索腫など):
- 手術(広範切除術など)を検討します。
- 腫瘍のみの切除が難しい場合は、四肢の切断術や放射線療法(粒子線治療を含む)が検討されることがあります。
ステージごとの厳密な治療法の違いは、個々の患者さんの病態に応じて最適な治療が選択されるため、詳しくは担当医に確認しましょう。
骨腫瘍のステージ別(転移の有無別)での余命は、適切に治療した場合、それぞれどのくらいですか?
骨腫瘍の正確な余命は、腫瘍の種類やできた部位、大きさ、転移の有無によって異なります。
骨腫瘍の治療後の見通し(予後)は、腫瘍の種類(骨肉腫、軟骨肉腫など)や悪性度、体のどの部分にできたか、腫瘍の大きさ、そして治療時点での転移の有無など、多くの要因によって決まります。このため、一概に「ステージごとの余命」を示すことは困難です。
一般的にわかっていることは、以下の通りです。
- 転移の有無の重要性:遠隔転移やリンパ節転移がある場合は、転移がない場合と比べて、予後が不良となる強力な要因です。
- 悪性度の影響:悪性度が高い(高悪性度)腫瘍は、低悪性度の腫瘍に比べて予後が不良となります。
予後を予測するためのツールとして、いくつかのスコアリング方法が開発されており、治療方針の決定や予後の予測に役立てられています。
ステージごとの適切な治療法は、個々の患者さんの病態に応じて最適なものが選択されるため、詳しくは担当医に確認しましょう。
受診の目安・何科を受診するべきか
骨腫瘍が疑われる場合、何科を受診したらよいですか?
整形外科のなかでも「骨・軟部腫瘍」を専門とする医師がいる医療機関の受診を推奨します。
骨腫瘍のなかでも、特に悪性腫瘍の診断と治療は非常に専門性が高く、専門医による集学的な治療が必要とされます。
そのため、骨腫瘍が疑われるときは、整形外科のなかでも「骨・軟部腫瘍」を専門とする医師がいる医療機関に、速やかに相談することが推奨されます。
悪性骨腫瘍は発生頻度がまれな「希少がん」であり、十分な知識と経験を有する専門医による治療が必要とされます。可能性を指摘された場合は、できるだけ早く専門の医療機関を受診して、治療を開始することが最も大切です。
骨腫瘍の専門医がいる近くの病院はありますか?
骨腫瘍の専門医がいる病院を見る骨腫瘍の経過・予後
骨腫瘍の進行速度はどのくらいですか?
悪性腫瘍は数週間から数ヶ月で急速に進行します。良性腫瘍は数年単位でゆっくりと増大します。
腫瘍の増殖スピードは、良性か悪性かで根本的に異なります。ただし、腫瘍の種類によっても異なる場合があり、注意が必要です。一般的には以下のとおりです。
- 悪性腫瘍:細胞増殖のスピードが速く、周囲の正常な組織を破壊しながら広がるため、腫れやしこりが数週間から数ヶ月という短期間で目に見えて大きくなるのが特徴です。
- 良性腫瘍:増殖が比較的緩やかで、発生した場所にとどまります。腫れやしこりに気づくまで、数ヶ月から数年かかることも少なくありません。
このため症状が短期間で急激に変化・悪化していると感じる場合は、悪性腫瘍の可能性を疑って、速やかに専門医を受診する必要があります。
骨腫瘍に関連するその他の質問
良性と悪性の骨腫瘍は、何が違うのですか?
悪性は増殖が速く周囲組織を破壊したり転移したりしますが、良性は増殖が緩やかで、転移はしません。
腫瘍は良性と悪性で、その性質が大きく異なります。良性腫瘍と悪性腫瘍の根本的な違いは次の通りです。
増殖の速さ
- 良性:比較的ゆっくり
- 悪性:速いことが多い
周囲への影響
- 良性:周囲の組織を押しのけて圧迫するが、破壊(浸潤)はしない。
- 悪性:周囲の正常な組織を破壊しながら広がる(浸潤)。
遠隔転移
- 良性:しない
- 悪性:血管やリンパ管を通って、肺などの遠くの臓器に転移する可能性がある。
特に、この悪性腫瘍の転移して増殖する能力が、生命を脅かす最大の理由となります。
膝の腫瘍は、骨腫瘍の可能性がありますか?
少ない可能性ですが、あります。膝は骨腫瘍が発生しやすい部位のひとつとして知られています。
膝関節周辺にできる腫瘍は、大腿骨(太ももの骨)、脛骨(すねの骨)、膝蓋骨(膝のお皿)といった骨自体にできる「骨腫瘍」と、筋肉、脂肪、血管、神経、関節を包む膜などにできる「軟部腫瘍」に大別されます。
膝は、骨腫瘍、軟部腫瘍のどちらも発生しやすい部位のひとつとして知られています。
例えば、悪性骨腫瘍の代表である骨肉腫は、四肢の長管骨(長い骨)の骨幹端部という部分に好発し、特に膝関節の大腿骨・脛骨ともに多く見られます。
ただし、骨肉腫の発生確率自体はとても低いものであり、全体で見ればまれな病気です。
軟骨にできた腫瘍は骨腫瘍ですか?
軟骨に由来する腫瘍(軟骨肉腫など)は、原発性骨腫瘍のひとつとして治療方針が決まっています。
はい、軟骨にできた腫瘍も骨腫瘍に含まれます。
骨や軟部組織に発生する腫瘍は、その組織型(どのような細胞からできているか)によって細かく分類されます。例えば軟骨に由来する悪性腫瘍である軟骨肉腫は、骨肉腫に次いで発生頻度の高い悪性骨腫瘍であり、「原発性悪性骨腫瘍 診療ガイドライン」で扱われる病気のひとつとして治療方針が決まっています。
- 軟骨肉腫は骨肉腫などとは異なり、薬物療法(抗がん剤治療)が有効ではないため、主に外科的切除(手術)が唯一有効な治療法とされています。
このように、軟骨にできた腫瘍も、整形外科領域における骨腫瘍診療の重要な対象となっています。
骨腫瘍について、医師からのよくある質問
医師からよくある質問はありますか?
「骨腫瘍」について医師からよくある質問の例として次のようなものがあります。
- 腰が痛みますか?
- これまでに【悪性腫瘍(がん)】と診断されたことはありますか?
- 背中が痛みますか?
- 心当たりがないのに、1ヶ月で2kg以上体重が減りましたか?
- 関節が痛みますか?
骨腫瘍に関連する病気・症状
この記事の監修医師
阿部 吉倫
内科
2015年東京大学医学部医学科卒。東京大学医学部付属病院、東京都健康長寿医療センターで初期研修を修了。血便を放置し48歳で亡くなった患者との出会いをきっかけにデータサイエンスの世界へ。2017年5月にUbie株式会社を共同創業。2019年12月より日本救急医学会救急AI研究活性化特別委員会委員。2020年 Forbes 30 Under 30 Asia Healthcare & Science部門選出。
- 更新日
- 2026/10/27
- 公開日
- 2020/09/03