低ホスファターゼ症の場合、主にどのような治療をしますか?

低ホスファターゼ症の治療では、不足しているALPを補う酵素補充療法が基本です。けいれんや高カルシウム血症などへの対症療法も組み合わせて行われます。

この病気は、ALP(アルカリホスファターゼ)という酵素の働きが生まれつき低下することで、骨や歯などにさまざまな症状を引き起こします。治療の基本は、不足しているALPを薬で補う「酵素補充療法」と、個々の症状に合わせた「対症療法」を組み合わせることです(低ホスファターゼ症診療ガイドライン)。

酵素補充療法

酵素補充療法では、アスホターゼアルファというALP酵素の補充薬を皮下注射します。2015年に日本で使用可能となり、それまで救うことが難しかった重症の患者さんの生命予後が大きく改善しました(難病情報センター)。日本での臨床試験では、この薬剤を使用した患者さん全員に骨や呼吸機能の改善が確認されています(Kitaoka T, et al. Clin Endocrinol. 2017)。
薬は週に3〜6回注射する必要がありますが、練習すれば患者さん本人やご家族が自宅で注射することも可能です。ただし、軽症の方への酵素補充療法の有効性はまだ確立されておらず、骨の症状や筋力低下などがみられる重度な方に薬の使用が検討されます(難病情報センター)。

低ホスファターゼ症の対症療法

この病気では、酵素補充療法に加えて以下のような症状への対症療法が行われます。

  • けいれんへの対応:重症の乳児に起こるけいれんは、ビタミンB6の不足が原因である場合があり、ビタミンB6の投与が試されます(難病情報センター)
  • 高カルシウム血症への対応:血液中のカルシウムが高くなりすぎた場合には、カルシウムをあまり含まないミルクなどで対応します(難病情報センター)
  • 歯の症状への対応:乳歯があまり早く抜けてしまった場合には、小児用の義歯の作成を保険適用で行うことがあります(難病情報センター)
  • 呼吸管理:呼吸機能が低下している場合には、機械を使用した呼吸のサポートが行われます(低ホスファターゼ症診療ガイドライン)

このように、この病気で行われる治療は病気の状況によってさまざまです。時期によっても行われる治療が変わることがあるため、症状の変化や気になることがあれば医師に伝えるようにしましょう。

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山田記念病院 整形外科 整形外科部長

濱畑 智弘 監修

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