副乳の場合、日常生活で気を付けることはありますか?

月経や妊娠・授乳期に腫れや痛みが出やすいため、衣服の摩擦や圧迫を避けて症状の変化に注意し、悪性の疑いがないか定期的に確認が必要です。

【ホルモンの影響に注意する】

副乳(ふくにゅう)の組織は正常な乳腺組織と同じ性質を持っているため、女性ホルモン(エストロゲンなど)の影響を強く受けます。そのため、日常生活では、ホルモンの変動によって副乳に以下のような変化や症状が現れることに注意が必要です。

月経周期に伴う変化

月経前には痛み(疼痛)や腫れ、張りを感じることがあります。

妊娠・授乳に伴う変化

副乳が大きく腫れ(腫大)たり、サイズが変化したりすることがあります。授乳期には乳汁分泌により不快感や衣類との摩擦による刺激を感じることもあります。

対応

痛みや腫れがある時期は、副乳部分が衣服などで強く圧迫されたり、摩擦されたりしないよう、注意して過ごす必要があります。

【しこりや症状のセルフチェック】

副乳は皮膚の下の「しこり」(触知可能な腫瘤)として現れることがあります。この組織には、通常の乳房と同様に良性・悪性の病気(副乳癌)が発生するリスクがあります。

チェックの必要性

副乳を持つ女性は、通常の乳房とともに、副乳についても悪性の病変がないかスクリーニング(検査)を受ける必要があります。

医療機関への相談

自分で触れるしこりが新しくできたり、痛みや腫れが継続し、日常生活に明らかな支障をきたしたりする場合は、悪性化の懸念も考慮して、専門の医療機関(乳腺外科など)で診断を受けてください。

【治療について】

症状がなく、医学的な問題も認められない場合は、経過観察で問題ありません。しかし、疼痛や腫れ、炎症がひどく治療が必要な場合や、悪性化の疑いがある場合は、医師の判断により外科的切除(手術)が保険適用となります。

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日本医科大学付属病院形成外科 形成外科

初岡 佑一 監修

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