副乳には初期症状はありますか?

副乳は無症状のことが多いですが、ホルモンの影響により月経前に痛みや腫れとして自覚されます。

【副乳とは】

副乳(ふくにゅう)は、本来の乳房以外の場所、特に脇の下(腋窩)などに残存した乳腺組織です。組織自体は正常な乳腺組織と類似しており、生まれつき存在していることが多いものです。

【症状の有無と自覚のきっかけ】

副乳は、それ自体では症状が全くない(無症状)ケースも多くあります。しかし、以下の変化によって、患者さん自身が副乳の存在を自覚することがあります。これが初期症状と捉えられます。

1. しこりとして触知

皮膚の下に、触れることができる塊(触知可能な腫瘤/しこり)として現れることがあります。

2. ホルモンの影響

副乳組織は、通常の乳房と同じく女性ホルモン(エストロゲンなど)の影響を受けます。そのため、

  • 痛み(疼痛)や腫れ:月経周期に合わせて、しこりの部分が張ったり、痛みを感じたりすることがあります。
  • サイズの変化:月経期間中や、妊娠・授乳期には組織が発達し、副乳が腫れてサイズが変化することがあります。

【病気のリスク】

副乳組織は正常なため、良性・悪性にかかわらず、通常の乳房に発生するあらゆる病気が発生する可能性があります。副乳に発生するがん(副乳がん)は比較的まれですが、脇の下のしこりが悪性の疑いにより摘出生検され、診断されることもあります。 症状(痛みや腫れ)が現れたり、悪性化の懸念がある場合は、医学的な治療が必要と判断されます。

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日本医科大学付属病院形成外科 形成外科

初岡 佑一 監修

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