副乳と乳がんを見分けるにはどうすればいいですか?
超音波検査やマンモグラフィで病変の形を確認し、必要に応じて組織検査(生検)を行うことで確定されます。
【副乳と副乳癌の性質の違い】
副乳(ふくにゅう)は、通常の乳房と同じくホルモンに影響される正常な乳腺組織です。そのため、月経周期や妊娠・授乳に伴い、腫れたり痛んだりする(疼痛)ことがありますが、これは生理的な変化です。しかし、この副乳組織から乳がんが発生する可能性があり、これを副乳癌と呼びます。副乳癌は、乳癌全体のうちおよそ0.2%〜0.6%と、比較的まれな疾患です。
【鑑別診断の方法】
脇の下などにしこりや腫瘤を感じ、悪性の可能性を区別する際には、以下の専門的な検査が重要になります。
1. 画像検査による評価
- 超音波検査(エコー):脇の下のしこりが、単なる正常な乳腺組織なのか、それとも悪性が疑われる腫瘤(しこり)なのかを区別するために最もよく用いられます。副乳癌のような悪性の腫瘤は、不規則な形をしており、境界がはっきりしない低エコー像として描出されることが多いです。
- マンモグラフィ/MRI:通常の乳癌と同様に、病変の形状や、腫瘍の内部の様子を確認し、悪性の特徴があるかどうかを評価します。
2. 組織検査による確定診断
- 画像検査で悪性の疑いが強い場合、穿刺吸引細胞診(細い針で細胞を採取)や摘出生検(組織の一部を切除)といった組織を調べる検査が行われます。これにより、採取された細胞や組織を顕微鏡で確認し、悪性細胞(がん)の存在を病理学的に確定します。
【診断の重要性】
副乳癌の診断は、他の臓器からの転移性腫瘍でないことを確認し、病変の周囲に正常な乳腺組織が存在することを確認するなど、総合的に行われます。副乳癌は通常の乳癌と比べて腋窩リンパ節への転移率が高いことが報告されており、専門医による早期かつ正確な診断が極めて重要です。
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(参考文献)
日本形成外科学会.“副乳”..https://jsprs.or.jp/general/disease/umaretsuki/kyobu/fukunyu.html,(参照 2025-12-10).
Hyo Soon Lim et al.“Sonographic Findings of Accessory Breast Tissue in Axilla and Related Diseases”.National Library of Medicine.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28370098/,(参照 2025-12-10).
大西 英二ほか.“腋窩に発生した副乳癌の1例”.内分泌甲状腺外会誌.https://www.researchgate.net/publication/342548292_A_case_of_axillary_accessory_breast_cancer/fulltext/5efab48ca6fdcc4ca43d8f43/A-case-of-axillary-accessory-breast-cancer.pdf?origin=scientificContributions,(参照 2025-12-10).
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日本医科大学付属病院形成外科 形成外科
初岡 佑一 監修
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