下咽頭癌の各ステージまたは再発がんでは、それぞれどのような治療法がありますか?
手術やがん薬物療法、放射線治療などがあり、ステージやその方の状態に応じて選択されます。
下咽頭癌の治療は、がんのステージや患者さんの年齢、全身状態などに応じて選択されます。さらに、医療機関や医師によっても治療方針が異なることもあり、その一例を提示します。
早期がん(ステージ1、 2)の場合
放射線治療
放射線を病変にあてる治療です。通常30〜35回を毎日(休日除く)頸部に照射します。主な副作用は皮膚炎、粘膜炎、口腔乾燥や味覚障害です。副作用を軽減するために、正常組織への照射を少なくすることが可能なIMRT(強度変調放射線治療)という方法を用いることもあります。
手術
主に経口的手術を行います。全身麻酔下に口から専用の器具を入れ、内視鏡(TOVS、ELPS)やロボット支援(TORS)を用いて病変を摘出します。
進行がん(ステージ3、 4A、 4B)の場合
化学放射線療法
シスプラチンという抗がん剤を用いた化学療法と放射線治療を同時に行います。吐き気、食欲不振、腎障害、貧血、皮膚炎、粘膜炎、口腔乾燥や味覚障害などの副作用があります。
導入化学療法
病変の縮小や治療に対する反応を見るために、(化学)放射線療法や手術の前に化学療法を行います。導入化学療法が効いた場合には、その後に(化学)放射線療法を行います。効果がない場合には、手術を行います。
手術
喉をとる手術(下咽頭・喉頭全摘術)や首のリンパ節を掃除する手術(頸部郭清術)などを行います。喉をとるため、呼吸をするための穴(永久気管孔)を手術の際に作成します。
再発または転移(ステージ4C)
手術
再発または転移している病巣が切除可能であればその部位の手術を行います。
がん薬物療法
これまでどのような治療をしてきているか、治療に用いる薬とがんとの相性などを考慮し、使用する薬を決定します。特に免疫チェックポイント阻害薬と呼ばれるペムブロリズマブ(キイトルーダⓇ︎)やニボルマブ(オプジーボⓇ︎)、抗EGFR抗体薬であるセツキシマブ(アービタックスⓇ︎)などが治療の中心となることが多いです。
公開日:
最終更新日:
真生会富山病院 耳鼻咽喉科
阿河 光治 監修
(参考文献)
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