成人T細胞白血病の治療薬である、ハイヤスタについて教えてください。

ハイヤスタはHDAC阻害薬としてがん細胞に正常な遺伝子発現を誘導し、その抗腫瘍効果を発揮します。

解説

ツシジノスタット(ハイヤスタⓇ)は、「ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害薬」として、再発または難治性の成人T細胞白血病(ATL)の治療薬として承認されています。

「ヒストン」とはDNAが巻き付いているタンパク質で、このタンパク質はさまざまな化学修飾を受けることによって遺伝子が発現しやすくなったり、発現しにくくなったりします。

そのひとつに「アセチル化」という修飾があります。アセチル化を受けたヒストンは遺伝子の発現を抑制する方向に働きます。

この影響を受けてがん抑制遺伝子の発現が低下することが、がん細胞の発生や維持に寄与していると考えられています。

HDACはこの「アセチル化」を促進する酵素ですが、ハイヤスタはHDACを阻害する薬剤として働きます。

結果として、アセチル化による遺伝子の異常な発現低下を解除し、がん細胞に正常な遺伝子発現を誘導することによって、その抗腫瘍効果を発揮すると考えられています。

具体的には、モガムリズマブ(ポテリジオⓇ、 ATL症例のほとんどに発現するCCR4という分子を標的とする抗体薬)の治療歴を含む再発または難治性のATL患者さん(急性型 13例、リンパ腫型 8例、予後不良因子を有する慢性型 2例)を対象とした国内第IIb相試験において、治療後に病変が全体の30%以上消失した患者さんが、7/23名(30.4%)が確認されました。

この結果をもって、日本では2020年8月に再発または難治性ATLにおいて希少疾病用医薬品の指定を受けています。

1日1回40mgを週2回、3または4日間隔で内服します。重大な副作用として、骨髄抑制、間質性肺疾患、感染症、不整脈、QT間隔延長があります。

異常を認めたときは、速やかに担当医に相談しましょう。

公開日

最終更新日

‪東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター ‬ 悪性腫瘍治療研究部‬ 腫瘍 血液内科

村橋 睦了 監修

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