心不全の原因には何がありますか?

生活習慣病や心臓疾患、ホルモンの異常、先天的な異常など多くの疾患が原因となります。

解説

多くの病気・状態が心不全を引き起こす原因となります。

心臓の筋肉(心筋)の異常

虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症など)

心臓が動くための酸素や栄養を供給している血管が傷むことで、心臓の筋肉がうまく動けずに機能が低下します。

心筋症(肥大型心筋症、拡張型心筋症など)、筋ジストロフィー

心臓の筋肉に異常をきたす病気により、心臓の機能が低下します。

心毒性物質(アルコールや麻薬、重金属、放射線、抗がん剤や免疫抑制剤等の特殊な薬剤など)

薬や放射線が原因で心臓の機能が低下します。

感染(心筋炎など)

ウイルスや細菌が心臓に感染することで機能が低下します。

免疫疾患(リウマチ、全身性エリテマトーデス等の膠原病)

自身の身体へのアレルギーが起きてしまう膠原病により心臓の組織にダメージを与え、機能が低下することがあります。

妊娠(周産期心筋症など)

妊娠を契機に心臓の機能が低下してしまうことが稀にあります。

悪性腫瘍(がん)

がんが転移するなどが原因で、心臓の機能低下することがあります。

サルコイドーシス、アミロイドーシスなど

心臓の筋肉に障害を与えることで、心機能低下の原因となります。

ホルモンや代謝の異常(甲状腺機能亢進症クッシング病、糖尿病など)

身体をアクティブにするホルモンのバランスが崩れることで、心臓の機能が落ちてしまうことがあります。

血行動態(血液の流れ)の異常

高血圧

心臓に高い圧がかかり続けることで、心臓の動きが悪くなってしまいます。

弁や心臓の構造異常(大動脈・僧帽弁疾患、先天性弁膜症、心室中隔欠損症など)

心臓内の弁の逆流・開きが悪くなることや、生まれつきの心臓病などが原因で心臓内の血流が異常な流れになることで心臓に負担がかかり、心機能が低下することがあります。

心外膜の異常(心タンポナーデなど)

心臓を覆っている心外膜の炎症や、心臓と心外膜の間の空間に液体が溜まってしまうことで心臓の動きが悪くなることがあります。

高心拍出心不全(妊娠、重度貧血など)

妊娠や貧血などに伴い酸素が全身に行き渡りにくくなり、それを補おうと心臓が頑張って動きすぎることで、心不全を起こすことがあります。

体液量増加(腎不全など)

腎臓病等で尿が十分に排出できなくなり、体内の水分が増えすぎることで、心臓の過度の負担がかかってしまい、心不全を引き起こすことがあります。

不整脈

頻脈性(心房細動など)

脈が速くなりすぎることで全身に十分な血液が送り出せなくなり、心不全を引き起こすことがあります。

徐脈性(洞不全症候群など)

脈がゆっくり過ぎすことで、全身に十分な血流が届かなくなってしまい、心不全を引き起こすことがあります。

公開日

最終更新日

おだかクリニック 循環器内科 副院長

小鷹 悠二 監修

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