悪性胸膜中皮腫の進行速度はどのくらいですか?
無治療の場合の1年生存率は50%以下であり、発症からの進行速度は速いと言えます。
悪性胸膜中皮腫はアスベスト(石綿)への曝露から20〜40年後に発症します。発症するまでは長いですが、発症してからは進行が速い病気です。
無治療の場合、診断から1年後に生存している患者さんの割合を示す「1年生存率」は50%以下と報告されています。
また、悪性胸膜中皮腫のがん細胞のタイプ(組織型)は「上皮型」、「肉腫型」とその両者が混在する「二相型」に分けられ、組織型によっても進行速度は異なります。
「上皮型」は3タイプの中では比較的予後が良いのに対して、「肉腫型」は非常に予後が悪く治療による効果も不良であり、月単位で進行することも多いタイプです。
初期では無症状のことが多く、早期診断が難しい病気です。胸水がたまると肺を圧迫するため、胸部圧迫感や体を動かした際の呼吸困難が起こります。腫瘍が胸壁(肺を取り囲む、肋骨やその周囲の筋肉などからなる壁)に入り込んで広がると、胸や背中の痛みが出ます。
このような症状が出現した時には既に病気が進行していたり、根治治療が難しい状態であるというケースも少なくありません。
定期的に検診で胸部レントゲン検査を受けることをおすすめします。
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最終更新日:
京都大学医学部付属病院呼吸器内科 呼吸器内科
山城 春華 監修
(参考文献)
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